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体調を崩したときに、同僚や上司から「自己責任だ」「健康管理がなっていない」と言われた経験はありませんか。
もちろん、場合によっては健康管理が不十分だったということもあるでしょう。
ですが、「このところ残業が続いて睡眠不足だった」「忙しくて昼食を摂る時間が無く、食事を適当に済ませていたので体力不足を感じていた」「健康診断で再検査の結果が出ていたが、何を改善すればよいのか分からず放置していた」といった、個人では解決しづらいことが原因であるケースもあるかと思います。
企業側の制度運用に問題があったり、企業のサポートが不足している場合、個人の責任ではなく企業側の責任が問われる時代です。
いわゆる「ブラック企業」である、という烙印を押されてしまうのです。
企業による健康管理が重要視され、従業員の健康を守るためにさまざまな法律が整備されている今、総務担当者としてどのような対応をすべきなのでしょうか。
この記事では、総務の視点から企業を元気にするために知っておくべきことを、総務担当者の役割を踏まえながら説明していきたいと思います。
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総務担当者が主体となって行う企業の健康管理には、企業が自主的に行うべき項目と、法的に実施が義務化されている項目とがあります。代表的なものから順を追って説明していきましょう。
そもそも、なぜ企業や総務担当者による健康管理が必要なのでしょうか。
冒頭でも説明した通り、総務担当者は、従業員の健康管理は「企業の責任」であるということを理解しておく必要があります。
これは、従業員の体調不良や欠勤によって業務に支障が出たり、対外的な責任問題が発生すれば、企業にとって不利益であるという点からも言えることです。
また逆に、従業員が健康で生産性の高い状態を維持できれば、企業の業績に好影響を与えます。離職や欠勤が少なくなれば、それを補うためのコストも削減できます。
単に不利益の発生を防ぐという消極的な姿勢で健康管理をするのではなく、積極的に健康管理を行うことで企業にとってプラスの効果が期待できるということを意識しましょう。
健康管理を行う上で、主に取り組むべき項目としては以下のようなものがあります。
いずれも総務担当者が率先して取り組むことで、企業全体の健康管理に大きく貢献したい項目です。
・長時間労働の改善
総務担当者は、勤怠管理などを行う過程で、「特定の部署で残業が多い」または「特定の従業員に業務量が偏っている」といったことに気付くことがあると思います。
総務として健康管理を考える上で、長時間労働を防ぎ、従業員の稼働時間を適正にすることは必ず取り組むべき項目の一つです。
従業員の勤怠状況を総合的に管理することが多い総務担当者の視点で、長時間労働や特定の人に偏った過重労働がないかチェックしましょう。
・快適な職場環境の整備
従業員が健康を害することのないように、職場環境を快適に保つことも総務でできる健康管理の一つです。
総務担当者は空調などのインフラ設備に不具合がないか管理点検を行ったり、休憩用の設備の設置を提案することで健康管理をサポートできます。
また、従業員からの職場環境に関する要望を受け付ける窓口を設置することも重要でしょう。
・福利厚生の充実
福利厚生として健康相談窓口を設置したり、健康に関するセミナーや勉強会などを総務担当者で企画し開催することも有効です。
こういった総務部による働きかけにより、従業員自身の健康管理意識が高まることが期待できます。
安全配慮義務とは、従業員が危険にさらされず、安心・安全に働ける環境をつくる制度のことです。
総務担当の方はご存知かもしれませんが、企業には、自社で働く従業員を保護することが義務付けられています。
以前は上記について具体的な明文規定がありませんでしたが、平成20年3月から施工された労働契約法という法律によって安全配慮義務が定められました。「労働契約法第5条」に「使用者は、労働契約に伴い、労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう、必要な配慮をするものとする」と記されています。
特に総務担当者に知っておいて頂きたいのは、「生命、身体等の安全を確保」の中に、総務担当者が主体となって行う「健康管理」も含まれているということです。ここでいう健康管理の中には、企業内で起きたケガや死亡・事故はもちろんですが、セクハラ・パワハラ・モラハラ、長時間労働による過労、精神疾患などのメンタル面についての問題も健康管理に含まれています。
また、総務が必要な配慮をしておらず、労働災害が発生すると多額の損害賠償問題に発展することも、実は珍しくありません。労働災害を起こさないためには、総務と従業員のお互いが理解を深める必要があるでしょう。だからこそ、総務担当の方は正しく知識のもと、健康管理を実行しなければなりません。
では、総務担当が健康管理において「必要な配慮」とは何なのか、具体的にご紹介します。
従業員の働く施設や備品、機械、車などに不備不良がないかのチェックを定期的に行い、必要なメンテナンスを行いましょう。メンテナンスを怠り、確実に安全といえる環境ではない限り「必要な配慮」が足りていないといわれても反論することができません。
専門的な機器のメンテナンスだけではなく、総務担当者にもできることがあります。
例えば、ケガや事故が起こりやすい場所や物に対して、わかりやすく注意書きを記しておくなどの対策ができていると従業員も安心して働くことができるでしょう。
このように、事前に事故を防ぐ措置をしっかりとっておくことも、健康管理の一環となります。
どのようなことが総務部でできそうか、是非考えてみてください。
労働災害が損害賠償に発展したケースは、総務が労働時間の管理を怠っており、健康管理もままなっていない状況が多くみられます。
仕事が終わらないからと、日常的に従業員に長時間労働を命じるのは違反にあたります。なぜなら、長時間働かせることによる過労死や、心身共に耐えきれず過労自殺などに発展してしまうケースも少なくないのです。
このようなケースの場合、企業側が法律違反を免れる方法はほぼゼロと考えた方が良いでしょう。
そのため、総務がしっかりと健康管理をすることで、これらを未然に防止することが大切です。
企業では、労働安全衛生法に基づき、年に1度従業員に健康診断を実施する義務があります。こちらは、総務担当者にはわかりやすい健康管理の方法ですね。
健康診断の結果、病気が発覚し就労が困難だ、と診断された場合はその従業員を今まで同様に勤務させることはできません。
総務担当は、労働時間を短縮したり、支障のない部署への異動手続きなども健康管理として行う必要があるでしょう。
また、年齢性別に関係なく、全ての従業員が健康診断を受けられるよう手配するのも総務部の大切な役割です。
「場所」と「人」を整えることも重要なポイントです。
事故防止策などの安全面もそうですが、オフィス、フリースペース、トイレ、作業現場などの衛生面を整え、従業員が気持ちよく働ける環境を作りましょう。
また、快適な職場環境としては、意思疎通のできる風通しの良い企業であることも大切です。挨拶を徹底する、言いたいことを言える環境を作るなど、働く人に寄り添ってあげること、これが精神面の健康管理には一番効果的なのではないでしょうか。
社内に常駐する総務担当の皆さんには、率先して取り組んで頂きたい内容です。
企業として行う健康管理項目のうち、法律で義務付けられているものは以下の通りです。
従業員に「1日8時間・週40時間」を超える時間外労働をさせる場合、法令に基づいた労使協定を締結し、所定の届け出を行う必要があります。
時間外労働時間に対しては、罰則付きの上限が設けられています。総務担当者は日頃から、時間外労働時間の現況などを明確に把握しておく必要があるでしょう。
企業には、健康診断を実施する義務があります。その上で必要に応じて医師の意見を聴き、改善活動を行う必要があります。
総務担当者は、専門機関と連携し、健康診断が確実に実施され、受診していない従業員がいないか、その後のフォローやサポートが行われているかについて留意しておきましょう。
平成27年12月より、従業員の心理的な負担の程度を把握するための検査「ストレスチェック」を実施することが義務化されました。(従業員数50人未満の事業場は現段階では努力義務)
検査の結果、必要に応じて医師による面談・指導などを実施することも企業側の義務となっていますので、総務担当者は実施状況と実施後のサポート状況を確認するようにしましょう。
業種ごとに定められた規模が一定以上の事業所では、産業医、衛生管理者などを選定する必要があります。
「産業医」は、専門家(医師)として従業員の健康管理を担う役割があります。
「衛生管理者」は、体調不良の従業員へのフォローから、職場環境の衛生管理、職場を定期的に巡回し問題がないかチェックする役割などがあります。
産業医は医師である必要がありますが、衛生管理者は免許を取得することによって総務担当者などが兼任することもできます。
これまで紹介してきたのは、法律で義務化されている「必ず実施しなければならない健康管理」です。総務担当者であれば、すでにご存知のことばかりだったかと思います。
これに加えて、総務担当者にぜひ知っておいていただきたいのが、従業員の健康管理を積極的に行うことで企業全体にメリットをもたらす「健康経営」の考え方です。以下に詳しくご紹介します。
1.従業員の健康維持へ「投資」することで、健康の促進を図る。
2.その結果、従業員は仕事に集中でき、高いパフォーマンスを発揮することができる。また、心身ともに健康的に働けるため離職率が下がる。
3.健康管理が行き届いたホワイト企業としてブランドイメージが向上する。従業員のための保険費の負担、求人募集にかけるコストが減り、収益が上がる。
4.その結果、健康管理に投資した初期コストを回収することができ、増益につながる。そして、さらに充実した健康管理を行うための投資ができる。
従業員への健康管理を投資と捉えることがポイントです。それによって上記のような好循環が生まれ、従業員だけでなく企業にとっても多大なメリットをもたらすのが「健康経営」なのです。
健康経営のために総務担当者が行える健康管理施策にはどのようなものがあるのでしょうか。
押さえておきたい基本の施策から、アイデア的施策までご紹介したいと思います。
ところで、健康経営のための健康管理施策の運用は、なぜ総務担当者が適任なのでしょうか。
まず、労務管理や福利厚生関連の業務を総務部が担当している場合が多く、総務の業務内容上、普段から従業員の健康状態を把握しやすい立場にあることが挙げられます。
また、総務部は企業全体を管理する立場にあり、全社的な影響力を持っています。
企業全体で取り組むべき健康管理の取り組みを、部署の分け隔てなく全社に浸透させることができる絶好のポジションであるといえるでしょう。
それではまず、厚生労働省による労働災害防止計画の一環として推進されている「メンタルヘルスケア」からご紹介します。
メンタルヘルスは、心の健康を維持すること、またメンタルヘルス不調の兆候のある従業員を早期に発見してケアすること、メンタルヘルス不調によって出勤が困難になってしまった従業員の職場復帰を目指すものです。
総務部の役割としては、以下のことが挙げられます。
・従業員自身がセルフケアによる精神的健康管理ができるように研修を企画・実施する
・各部署の管理監督者と総務担当者で連携して状況把握、改善活動を協力して行う
・事業場内産業保健スタッフ等および事業場外資源によるケアのために必要な社内外連携を行う
平成27年12月施行の労働安全衛生法第66条より、「事業者は、労働者に対し、厚生労働省令で定めるところにより、医師、保健師その他の厚生労働省例で定める者による心理的な負担の程度を把握するための検査を行わなければならない」と定められています。
これに基づき総務により実行されるのがストレスチェックで、これにより従業員が自身のストレスの度合いに気付くことができます。
何となくわかっていた、自分ではわかっていなかったなど状況は様々あると思いますが、これを元に、企業側は職場の労働環境や条件を改善して、全ての従業員が気持ちよく働ける職場へと改善していくことが可能となります。
また、総務部が早めに異変を察知でき、精神疾患の兆しを見つけられることで、健康管理もより効果的に行うことができるでしょう。
現在、すでに長時間労働をしている従業員について総務担当者が把握している場合、健康管理上、早急に改善すべきでしょう。
総務担当者はまず、現状の人員で確保できる「時間」を把握し、現場の管理責任者と共にその時間と照らし合わせて業務の「量」が適正かを再確認します。
そして、時間の使い方の「質」を高める方法を検討します。例えば、個人の能力や得意分野を鑑みて適切なポジションに人員を配置することで効率化を図る、時短に役立ちそうなツールやシステムを導入するなどといったことが考えられます。
総務担当者としては、他部署との連携でカバーできる業務がないか確認したり、効果の期待できそうな施策を提案してみる、といったサポートができると良いですね。
ヘルスリテラシーとは、「健康や医療関連の情報を収集し、適切に取捨選択し、自分の健康のために活用できるスキル」です。総務担当者としてはぜひ身に付けたいスキルですね。
健康情報を適切に活用することができれば、自分の不調に気づき、改善策を調べて実行する、といった対応が可能になります。
総務担当者にとどまらず従業員全体のヘルスリテラシーを向上することは、企業における健康管理のベースづくりとして重要なポイントといえます。
近年では、企業の健康経営をトータル的にサポートするサービスやツールも様々なベンダーから提供されるようになってきました。
企業の健康管理を担う総務担当者の作業効率向上にぜひ活用したいものです。
一例として「FiNC for Business」があります。従業員の健康状態を可視化することで、企業全体の傾向を分析できるのが特徴です。
健康管理上の問題点や改善点を把握することができるため、すぐに改善に取り組むことができます。
さらにヘルスリテラシー向上のための学習ツールや専門家による健康相談、イベント実施など、サポートも充実しており、福利厚生として利用することも可能です。
健康経営や健康管理の重要性は理解はしているがどこから手を付ければよいか分からない、とお悩みの総務担当者の強い味方となってくれるでしょう。
従業員の悩みは、対応が遅れるほど問題が深刻になる傾向があります。
できるだけ早期に対応することで解決の可能性が高くなるので、早くに異変に気づいてあげることが重要です。
しかし、従業員一人一人に目を向けるのはなかなか難しいですよね。
そのようなことがあるので、小さな悩みでも自主的に気軽に相談ができる窓口を総務部で設置することで、健康管理のサポートとなるのです。
身体の健康管理はもちろんですが、表面化しづらいメンタルの健康管理も総務部で把握できると安心です。
健康診断以外に、福利厚生の一環としてのさまざまなサービスを導入することで健康をサポートする方法もあります。
例えば、社内ウォーキングイベントサービス「aruku&(あるくと) for オフィス」というサービスです。アプリを利用しながらオフィス内でウォーキングを行い、従業員同士や「総務部VS営業部」など部署対抗でランキングができます。
健康管理上、運動は大切だけど勤務中の従業員に運用のための時間を割いてもらうことは難しいとお考えの総務担当者におすすめです。
勤務中の社内移動を軽いウォーキングと捉えることで健康意識が高まり、部署内外でのコミュニケーションの活性化にもつながります。
このようなサービスを利用すれば、大がかりな準備やコストをかけずに、健康サポートの福利厚生を導入することができます。
食の福利厚生も、健康管理上とても重要な役割を担っています。導入や運用が大変そうというイメージがあるかもしれませんが、最近では、手軽に導入でき、総務担当者の管理作業の手間もかからない食の福利厚生サービスが様々なベンダーから提供されています。
ここで一例としてご紹介したいのが、食の福利厚生サービス「OFFICE DE YASAI(オフィスで野菜)」です。
オフィスに専用の冷蔵庫や冷凍庫を設置するだけで導入することができ、新鮮なサラダやフルーツ、国産食材にこだわった無添加の惣菜など、健康的な食事をいつでも手軽に摂ることができます。
商品の管理や補充は、「OFFICE DE YASAI(オフィスで野菜)」の担当者が行いますので、総務担当者の負担を増やすこともありません。
管理栄養士によって監修・厳選された野菜中心のヘルシーなメニューが用意されているため、多忙で健康的な食事を摂ることが難しい従業員でも、手軽に栄養補給することができます。
また、従業員の購入価格が1個100円~(税込)と継続しやすい価格設定になっていることも健康管理につながる理由のひとつです。
多忙な総務担当者の負担にならず、大きなコストも不要な「OFFICE DE YASAI(オフィスで野菜)」。ぜひ導入を検討してみてはいかがでしょうか。
「OFFICE DE YASAI(オフィスで野菜)」を利用したことで、老舗タクシー会社の山三交通(株)は「健康優良企業認定」を取得することができました。
タクシー業界は、健康管理のイメージとはまったく無縁…と驚く方もいるのではないでしょうか。
タクシー業界のでは、勤務時間が長時間で不規則、業務中はゆっくりと食事を取ることができない、歩く時間も少なく運動もままならないというのがあたり前になっています。そのような状況が続く中、何とかしたいと思い立った結果取り入れたものが「OFFICE DE YASAI(オフィスで野菜)」でした。
導入後には、月に1度「健康会議」を開催したり「ホワイト500」を取得する目標を掲げるなど健康管理を意識する企業に変化を遂げました。
具体的な取り組み内容や導入後の反響等は、こちらのURLからご覧下さい。
https://vw.officedeyasai.jp/office/yamasan
従業員の健康管理については、現場の実態に応じた継続的な取り組みと細かなケアが必要であることが分かりました。
日頃から各部署と連携することの多い総務部が、いかに主体的に行動できるかがポイントとなります。
経営層からは見えにくい現場の実情を踏まえて、「ここが変わればよくなりそう」といったボトムアップ型の健康管理施策が提案できるのは、総務部というポジションならではの強みです。
総務担当者の皆様が「総務部がリーダーシップをとって健康経営を進めよう」という意識で健康管理を考えることが、会社を元気にする第一歩となるでしょう。
社員の健康改善につながる新しいオフィスコンビニ
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