福利厚生制度
【2026年版】カード型の福利厚生とは?メリット・費用・おすすめ比較
福利厚生のデジタル化が進む中、近年注目を集めているのが「カード型福利厚生」です。従来の紙チケットや申請制の補助制度とは異なり、専用のカードやクレジットカードを通 …
社食(社員食堂)
公開:2026.06.30
更新:2026.06.30
「食事補助」と聞くと、大企業の社員食堂のような大がかりな設備を思い浮かべる方が多いかもしれません。広いスペースや厨房設備、専属のスタッフが必要というイメージから、自社には縁のない制度だと考えている経営者や人事担当者も少なくないでしょう。しかし実際には、限られた予算やスペースでも始められるサービスが数多く登場しており、従業員が数十名規模の企業でも無理なく取り入れられる環境が整ってきています。本記事では、中小企業が食事補助を導入する際のメリットや代表的なサービスの種類、選び方のポイントを整理して紹介します。
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目次

社員食堂の運営には厨房設備や調理スタッフの確保が必要で、初期費用も決して小さくありません。立地によっては施設の増築や改装が必要になる場合もあり、こうした投資を行えるのは、一定の規模を持つ企業に限られていました。そのため「食事補助は大企業向けの福利厚生」というイメージがありました。
しかし近年は、オフィスの一角に冷蔵庫を置くだけで始められるサービスや、コンビニ・飲食店で使えるチケット型のサービスなど、設備投資をほとんど必要としない選択肢が広がっています。商品の補充や集金、利用データの管理を提供業者側が担ってくれる仕組みも増えており、総務や人事の担当者が少ない企業でも運用しやすくなりました。従業員が数十名規模の企業でも、月数千円程度の予算から運用を始められるケースが見られ、導入のハードルは以前と比べて確実に下がっています。
働き方の多様化も、食事補助の導入を後押しする要因の1つです。出社する従業員が多い企業もあれば、在宅勤務や外回りが中心の従業員を抱える企業もあり、それぞれの実態に合わせて補助の形を選べるようになった点は、中小企業にとって心強い変化といえるでしょう。
また、食事補助は一度に大きな金額を投じる施策ではなく、月単位の費用として組み立てられる点も特徴です。福利厚生規程に補助額や対象範囲を定めておけば、毎月の運用は仕組みに沿って進めていけるため、担当者が変わっても引き継ぎやすい制度になります。小規模な企業ほど、一人ひとりの担当者の業務負担に直結するため、こうした運用のしやすさは導入を判断する際の大きな材料になるでしょう。
食事補助を後押しする動きとして、税制面の改正も見逃せません。国税庁の通達により、食事の現物支給にかかる所得税の非課税限度額は、2026年4月1日以後に支給する食事について、月額3,500円(税別)から月額7,500円(税別)へと引き上げられました。この上限額は1984年以来およそ42年にわたり見直されておらず、外食や中食の価格が大きく上昇する一方で制度が実態と離れてきた点が、改正の背景にあります。
非課税扱いにするには、従業員が食事代の50%以上を負担し、かつ企業の負担額が月7,500円以下である必要があります。この2つの要件は改正後も変わらず、企業がどれだけ負担するかだけでなく、従業員側がどれだけ負担しているかもあわせて確認しなければなりません。あわせて、深夜勤務にともなう夜食の現金支給についても、非課税となる上限額が1食300円以下から650円以下へ拡大されました。下表に主な変更点をまとめます。
| 項目 | 改正前 | 改正後(2026年4月1日以後に支給する食事) |
| 食事補助の非課税限度額(企業負担) | 月額3,500円 | 月額7,500円 |
| 深夜勤務時の夜食代(現金支給) | 1食300円以下 | 1食650円以下 |
| 従業員の自己負担割合の要件 | 食事代の50%以上 | 変更なし |
| 支給方法の要件 | 現物支給が原則 | 変更なし |
例えば、月の食事価額が15,000円で、企業が7,500円、従業員が7,500円を負担している場合、従業員の負担割合は50%にあたるため非課税の要件を満たします。一方で、企業の負担額が上限の7,500円以下であっても、従業員の負担割合が50%を下回っていれば非課税にはならず、食事の価額から従業員の負担額を差し引いた残額が給与として課税対象になる点には注意が必要です。
この改正によって、企業はこれまでより手厚い補助を非課税の範囲で設計しやすくなりました。制度を新設する企業にとっても、既存の補助額を見直す企業にとっても、検討を後押しする材料になるでしょう。
「深夜勤務に伴う夜食の現物支給に代えて支給する金銭に対する所得税の取扱いについて」の一部改正について(法令解釈通達)
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食事補助は、従業員の生活を直接支える福利厚生であると同時に、企業側にもいくつかの利点をもたらす制度です。ここでは代表的な4つのメリットを取り上げます。
物価の上昇により、外食やコンビニ食の価格は以前より高くなっています。食事補助があれば、毎日の昼食代を一定額軽減でき、従業員の実質的な収入を支える効果が期待できます。現金で支給すると原則として給与扱いとなり課税対象になりますが、現物支給など非課税要件を満たす形で運用すれば、従業員の手取りを減らさずに支援を行えます。月々のランチ代が抑えられることは、特に一人暮らしの従業員や若手社員にとって実感しやすい支援といえるでしょう。
食事補助は住宅手当や家族手当のように対象者が限定される福利厚生とは異なり、多くの従業員が公平に利用しやすい点が特徴です。家族構成や居住形態にかかわらず誰もが恩恵を受けられるため、不公平感が生まれにくい制度といえます。毎日の生活に直結する支援であるため従業員の実感も得やすく、満足度の向上に寄与しやすい福利厚生です。設置型のサービスを選んだ場合は、休憩スペースで従業員同士が商品について会話する機会が生まれ、社内コミュニケーションの活性化につながる側面も期待できます。
外食やコンビニ食が続くと、栄養バランスが偏りやすくなります。野菜や惣菜を中心とした食事補助サービスを取り入れれば、従業員が自然と栄養バランスを意識する機会が生まれます。管理栄養士が監修したメニューを提供するサービスもあり、専門知識がない企業でも健康面に配慮した支援を実現しやすくなっています。健康経営優良法人の認定を目指す企業にとっても、社員食堂を新設するより取り組みやすい施策の1つです。
人材確保が課題となっている中小企業にとって、福利厚生の充実は採用活動での差別化につながります。求職者が福利厚生の有無を比較検討する場面は増えており、面接の場で食事補助の有無を質問されるケースも見られます。社員食堂のような大規模な施策でなくても、食事補助があるというだけで企業への印象が変わることがあります。限られた採用予算の中でも、食事補助は比較的低コストで導入できるため、他社との差別化を図る手段として注目されています。

食事補助には複数の提供方法があり、企業の規模やオフィス環境によって向き・不向きがあります。ここでは中小企業でも比較的導入しやすい4つのタイプを紹介します。それぞれ特徴が異なるため、自社の働き方に合わせて検討するとよいでしょう。導入後に「思っていた使い方と違った」とならないよう、それぞれの仕組みを把握したうえで比較検討することをおすすめします。
| 種類 | 主な特徴 | 向いている企業 |
| 設置型社食 | 冷蔵庫等を設置し、常時利用可能 | 出社中心で人数が比較的多い企業 |
| オフィスコンビニ | 軽食や飲料を中心に常備 | 省スペースで始めたい企業 |
| 弁当補助・宅配弁当 | 決まった時間に弁当などを配送 | オフィスに人が集まる日が多い企業 |
| チケット・カード型 | 加盟店やコンビニで利用 | 外回りやテレワークが多い企業 |
オフィス内に専用の冷蔵庫や棚を設置し、サラダや惣菜、フルーツなどを常備しておく方式です。従業員は好きなタイミングで購入でき、昼食だけでなく朝食や夜食としても利用できます。大規模な厨房設備が不要で、商品の補充やメンテナンスは提供業者が行うため、社内の管理負担も抑えられます。24時間利用できるサービスが多く、残業や宿直、夜勤がある企業でも重宝されやすい点が特徴です。
スナック菓子や飲料、軽食などをオフィスに常備する形式で、設置型社食と近い性質を持ちます。価格帯が手頃な商品が多く、休憩中の軽い間食として利用されることが多いタイプです。設置スペースが小さくて済む点も、中小企業に向いている理由の1つです。冷蔵庫を必要としない常温保存の商品が中心のサービスもあり、設置場所の制約が少ない企業でも導入しやすくなっています。
決まった時間にお弁当やおかずをオフィスへ届けてもらう方式です。栄養バランスの取れた食事を外出せずに用意できる一方、最低注文数が設定されているサービスもあるため、従業員数が少ない企業では条件を確認しておく必要があります。毎日ではなく週に数回だけ利用する運用方法を取る企業も見られ、「水曜日は会社がランチを用意する日」といったルールを設けることで、チームの交流を生む狙いで活用する例もあります。
加盟している飲食店やコンビニで使えるチケットやカードを配布する方式です。専用アプリで利用できるサービスも増えており、立替精算の手間を省きやすいという特徴があります。外回りが多い従業員やテレワーク中の従業員にも補助を届けやすく、勤務形態が多様な企業に向いています。全国の加盟店で利用できるサービスを選べば、出張が多い従業員にも公平に補助を行き渡らせやすくなります。
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複数のタイプから自社に合うサービスを選ぶ際は、コストだけで判断せず、運用面も含めて検討する姿勢が大切です。以下では特に確認しておきたい3つの観点を挙げます。
提携店舗が少なかったり、利用できる時間帯が限られていたりすると、せっかく導入しても利用率が伸びない場合があります。設置型のサービスであれば設置場所が分かりやすいか、告知が行き届いているかも利用率に影響します。社内に出社する従業員が多いのか、外出や在宅勤務が多いのか、働き方の実態に合わせて方式を選ぶと定着しやすくなります。導入してから「利用されない」という状況を避けるためにも、事前に従業員へのヒアリングを行い、求められているメニューや利用シーンを把握しておくとよいでしょう。
部署ごとに勤務時間や出社頻度が異なる企業では、1つの方式だけに絞らず、設置型サービスとチケット型を併用するといった組み合わせ方も検討の余地があります。利用者の声を聞きながら運用方法を調整していく姿勢が、長く使われる制度につながります。
食事補助は単発の施策ではなく、継続して運用する福利厚生です。月々の費用に加え、従業員一人あたりの負担額や、非課税となる範囲を把握したうえで、長期的に続けられる規模で設計する視点が欠かせません。導入時の勢いで補助額を大きく設定してしまうと、後から見直しを行う際に従業員の不満を招きやすくなります。まずは小規模に始め、利用状況を見ながら補助額や提供方法を調整していく進め方も有効です。
総務や人事の担当者が少ない中小企業では、運用にかかる工数も重要な判断材料です。商品の補充や集金、利用データの集計などを提供業者側が担ってくれるサービスであれば、社内の負担を抑えながら継続しやすくなります。キャッシュレス決済に対応しているサービスを選べば、現金管理の手間も省けます。給与計算と連携できる仕組みを持つサービスであれば、非課税要件の確認や従業員負担額の算出といった事務処理もスムーズに進めやすくなるでしょう。

ここまで紹介した観点を踏まえると、設置型社食は設備投資が少なく、運用の手間も抑えやすいことから、中小企業にとって取り入れやすい選択肢の1つといえます。その中でも「オフィスでやさい」は、サラダやフルーツ、無添加の惣菜など健康を意識したラインアップを中心に提供する設置型社食サービスです。
オフィスに専用の冷蔵庫を置くだけで導入でき、商品の補充や決済の管理はサービス側が行うため、社内に専任の管理担当者を置く必要がありません。商品は1品100円程度から用意されており、従業員の自己負担を抑えながら利用してもらえる価格帯になっています。専任の管理栄養士が監修したメニューが揃っているため、健康経営に取り組みたい企業にとっても扱いやすいサービスといえるでしょう。
契約後の商品補充や決済管理は提供側が担うため、導入後の運用にかかる社内の手間は限られています。初めて食事補助を取り入れる中小企業にとっても、取り組みやすいサービスといえそうです。
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食事補助は、社員食堂のような大規模な投資を行わなくても、設置型社食やチケット型サービスなどを活用すれば中小企業でも十分に取り入れられる福利厚生です。2026年4月の非課税限度額の引き上げにより、これまでより手厚い補助を非課税の範囲で設計しやすくなった点も、導入や見直しを検討するうえで後押しとなります。従業員の食費負担を軽くするだけでなく、満足度の向上や健康経営の推進、採用活動でのアピールにもつながる制度だけに、導入前には自社の働き方や予算を整理し、従業員にとって使いやすい形を見極めておくことが欠かせません。
導入の進め方としては、最初から大きな規模で始めるのではなく、小さな範囲で運用を試しながら、利用状況や従業員の反応を確認しつつ補助額やサービスの内容を調整していく方法が現実的です。
担当者の手間を抑えられるサービスを選べば、人員の限られた中小企業でも無理なく運用を続けられます。設置型社食やチケット型など、複数のタイプを比較しながら、無理のない範囲で自社に合った食事補助を取り入れてみてはいかがでしょうか。
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