社食(社員食堂)

 公開:2026.04.30

 更新:2026.04.30

食事補助は採用に効果がある?調査結果と非課税枠拡大から見る今後のポイント

物価上昇が続く昨今、給与とは別に従業員の生活を支える「食事補助」が、採用活動においても注目度を高めています。単なる福利厚生のひとつとして捉えられていた時代は過ぎ、今や「第三の賃金」とも受け取られるようになり、求職者が企業を選ぶ際の判断材料として機能し始めています。さらに2026年4月からは、食事補助に関する所得税の非課税限度額が月額3,500円から7,500円へと引き上げられました。1984年以来42年ぶりの見直しとなるこの制度改正は、企業がより手厚い支援を税負担なく提供できる環境を整えるものです。本記事では、食事補助が採用に与える影響を調査データで確認しながら、非課税枠拡大を踏まえた今後の活用ポイントをご紹介します。

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食事補助が採用で注目される背景

賃上げへの取り組みが企業に求められる一方、社会保険料の負担増や物価高が従業員の手取りを圧迫しています。そのような状況のなかで、食事補助は「給与以外の実質的な収入支援」として受け止める声が急増しています。

84.7%が食事補助は「実質的な収入支援」と感じている

株式会社KOMPEITOが実施した調査(「食事補助」に関する実態調査)によると、食事補助を「実質的な収入支援である」と感じている従業員の割合は84.7%にのぼりました。

参考:https://kompeito.co.jp/press/chosa1/

この数字が示すのは、食事補助が単なる「おまけ」ではなく、給与に近い感覚で受け取られているという事実です。賃上げには社会保険料の増加が伴うため、実質手取りへの反映が難しいケースも少なくありません。一方、非課税要件を満たした食事補助は所得税も社会保険料もかかりません。年間換算すれば9万円(月7,500円×12ヶ月)が非課税で手元に残ることになり、現金での賃上げと比較しても従業員にとって有利な場合があります。こうした背景から、食事補助を「第三の賃金」として位置づけ、採用・定着の両面で活用する動きが広がっています。

就職先・転職先選びでも食事補助は74.3%が重視している

同調査では、就職先・転職先を選ぶ際に食事補助の有無を重視している人の割合が74.3%という結果も出ています。(「とても重要(28.7%)」と「やや重要(45.6%)」の合算)

4人に3人以上が採用の意思決定において食事補助を判断材料にしているという数値は、人事担当者にとって見逃せない指標です。給与水準や休暇制度と並んで、食の福利厚生が企業選びの軸のひとつになってきていることがわかります。

特に、毎日の食費を気にする若手社員や、共働きで食事の準備に時間を割けない世帯にとって、職場での食事補助は日常生活への直接的なメリットとして響きます。求人票や採用ページで食事補助を打ち出すことは、他社との差別化につながる有効なアプローチです。

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食事補助の非課税枠の拡大は食事補助導入の追い風に

食事補助を制度として整備する際に、企業が必ず確認しておきたいのが「非課税要件」です。要件を満たした食事補助は、企業側では福利厚生費として計上でき、従業員側では所得税・社会保険料の対象外となります。今回の非課税枠拡大は、その使い勝手を大幅に改善するものでした。

89.5%が従来の非課税限度額を少ないと感じている

株式会社KOMPEITOの同調査によれば、従来の非課税限度額である月額3,500円を「少ない」と感じていた人の割合は89.5%に達していました。月3,500円という上限は、1食あたり約175円(月20日勤務の場合)に相当します。現在のランチ相場が1食800円〜1,200円程度であることを考えると、制度の実態との乖離は明らかです。企業側も「補助したくても上限が低すぎて従業員に喜ばれにくい」というジレンマを抱えていました。

参考:https://kompeito.co.jp/press/chosa1/

2026年4月から月額7,500円へと増額

国税庁は2026年3月31日、食事の現物支給に係る所得税の非課税限度額を月額3,500円から月額7,500円(税別)へ引き上げる法令解釈通達の改正を行い、2026年4月1日から施行されています。

非課税要件(2026年4月1日以降)

要件内容
① 従業員の自己負担食事代の50%以上を従業員が実際に負担していること
② 企業の負担額1ヶ月あたり7,500円(税別)以下であること

両方の要件を同時に満たす必要があります。現金での支給は原則として給与課税の対象となるため、弁当・食事チケット・設置型社食など「現物支給」の形をとることが前提です。

出典:国税庁「食事の現物支給に係る所得税の非課税限度額の引上げについて」

改正前後の比較

項目改正前改正後(2026年4月〜)
非課税限度額(月額・税別)3,500円7,500円
年間非課税総額42,000円90,000円
1日あたりの目安(20日勤務)約175円約375円
改正からの年数42年ぶり

月7,500円の企業負担に対して従業員が同額を自己負担すれば、1ヶ月あたり最大15,000円分の食事補助が非課税で提供できる計算です。この変化は、企業が食事補助の仕組みをより積極的に設計する後押しになります。食事補助制度の有無が企業選びに直結している実態を踏まえると、2026年度は食事補助の見直しや新規導入を検討する絶好のタイミングといえるでしょう。

食事補助を採用で重視すべき理由

食事補助が採用に効果をもたらす理由は、制度そのものの特性にあります。以下に代表的な3つの観点から整理します。

誰もが日常的に利用しやすい

福利厚生には、「使いたいけれど自分には関係ない」と感じられやすいものも少なくありません。育児支援は子どもがいる社員向け、資格取得支援は特定の職種向け、スポーツジム補助は運動習慣がある人向け、といったように、属性によって利用のしやすさが変わります。

その点、食事補助は職種・年齢・家族構成を問わず、働くすべての人が毎日使える制度です。求職者が採用情報を確認する際、「これは自分への支援だ」と感じやすいため、企業への好感度にもつながります。特に多様な人材を採用したい企業にとって、性別・年代・ライフスタイルの違いを超えて訴求できる食事補助は、幅広い層へのメッセージとして機能します。

従業員の健康を重視している印象につながる

食事補助を導入する企業は、「従業員の健康を会社として気にかけている」という姿勢を示すことができます。これは採用ブランディングの面でも重要なポイントです。

経済産業省が推進する「健康経営優良法人」認定制度では、2026年3月に大規模法人部門で3,765法人、中小規模法人部門で23,085法人が認定されており、前年比でも両部門ともに増加が見られました。健康経営への関心は年々高まっており、食事補助はその取り組みとして求職者にも認識されやすい施策です。

出典:経済産業省「健康経営優良法人2026」

https://www.meti.go.jp/press/2025/03/20260309002/20260309002.html

栄養バランスに配慮した食事が職場で手軽にとれる環境は、従業員の体調管理やパフォーマンス維持にも寄与します。「体のことまで考えてくれる会社」というイメージは、特に健康意識の高い求職者層に響きやすく、入社後のエンゲージメント向上にもつながります。

採用後の定着率向上にもつながる

採用時の魅力だけでなく、入社後の定着にも食事補助は貢献します。毎日の昼食代が節約できるという経済的メリットは、日々の積み重ねとして従業員の満足度に影響します。

また、社内で食事をとる環境があることで、部署を超えた自然なコミュニケーションが生まれやすくなります。特にテレワークやフレックス勤務が普及した職場においては、オフィスで食事を共にする場が社内交流の機会として機能することもあります。従業員同士のつながりは、離職を防ぐ要因のひとつとして知られています。

食事補助が「入社前の決め手」となり、「入社後も続けてよかった」と感じられる制度になれば、採用から定着までの一連の流れをサポートする強力な仕組みとなります。

食事補助として導入しやすい福利厚生サービスは?

食事補助の具体的な形には複数の選択肢があります。それぞれの特徴を比較したうえで、自社に合ったサービスを選ぶことが重要です。

主な食事補助サービスの種類

種類概要メリット注意点
社員食堂(大規模)社内に調理施設・食堂スペースを設置充実度が高く、食事の品質管理がしやすい初期投資・維持コストが大きく、大企業向け
食事チケット・ICカード提携飲食店で使える電子チケットや食券を配布在宅・外勤の社員にも対応しやすい利用可能店舗が限られる場合あり
宅配弁当・デリバリー型毎日または定期的に弁当を配達するサービス手軽で衛生管理もサービス側に任せられる発注管理が必要、勤務時間が不規則な社員には不向き
設置型社食オフィスに冷蔵庫・冷凍庫を設置し食事を常備小規模オフィスでも導入でき、24時間利用可能冷蔵型は賞味期限管理に注意が必要

これらを比較すると、導入のハードルが低く、かつ幅広い働き方に対応できるという観点で設置型社食の優位性が際立ちます。

社員食堂は広いスペースと厨房設備が必要で、中小企業には現実的でない場合がほとんどです。チケット型はオフィス周辺に飲食店がない環境では機能しにくく、宅配型は出退勤時間がまちまちな職場には合わせにくい面があります。

設置型社食は冷蔵庫や什器を設置するスペースさえあれば導入でき、商品の補充・管理もサービス提供側が担うケースが多いため、担当者の運用負荷が抑えられます。また、残業時の夜食や朝食代わりにも使えるため、多様な勤務スタイルの従業員が等しく恩恵を受けやすい点も強みです。

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サービスの特徴

「オフィスでやさい」は、オフィスに専用冷蔵庫を設置し、新鮮な野菜・フルーツ・惣菜などを定期的に届けるサービスです。従業員は1品100円から購入でき、管理栄養士が監修した健康的なメニューが月替わりで楽しめます。

冷蔵の「やさいプラン」と冷凍の「ごはんプラン」の2プランがあり、合わせて約140品のラインナップから選べます。週に1度スタッフが商品の補充・回収・冷蔵庫のメンテナンスを行うため、導入企業の担当者はほぼ手間をかけずに運用できます。

導入しやすいポイント

・省スペース・低コスト

冷蔵庫を置くスペースがあれば導入可能。大規模な工事は不要です

・5名以上から導入可能

スタートアップや中小企業でも利用しやすい規模感です

・全国対応

配達エリア外はクール便でのお届けに対応しており、地方拠点でも活用できます

・24時間利用

早出・残業・シフト勤務など、時間を問わず食事をとれる環境が整います

採用・健康経営の両面で活用できる

「オフィスでやさい」を導入することで、求人票や採用説明会で「職場で健康的な食事が100円からとれる」と具体的に伝えられるようになります。食事補助の存在は求職者の74.3%が重視しているという調査結果と組み合わせると、採用訴求力の強化につながります。

また、国産素材・無添加にこだわったメニューが揃っているため、健康経営の食事面での取り組みとしても打ち出しやすく、経済産業省の健康経営優良法人認定を目指す企業にとっても相性のよいサービスです。

累計導入実績 20,000拠点 ※2025年7月時点
福利厚生の充実につながる設置型健康社食®
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まとめ

食事補助は今や「第三の賃金」として求職者に認識され、企業選びの判断軸のひとつになっています。給与と違い、非課税要件を満たせば所得税も社会保険料もかからないため、同じ金額を支出しても従業員の手元に残る価値は現金支給より大きくなります。2026年4月からの非課税限度額引き上げは42年ぶりの見直しであり、年間最大9万円を非課税で提供できる環境が整いました。物価高が続くなかで従業員の生活を支える手段として、また採用訴求の材料として、食事補助の存在感はこれからさらに高まっていくと考えられます。導入にあたっては、自社の規模や働き方に合ったサービスを選ぶことが定着率にも直結します。この機会に食事補助の新規導入や既存制度の見直しを検討してみてください。

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