農福連携

 公開:2025.02.11

 更新:2025.02.17

障がい者雇用の事例9選をケース別に詳しく紹介

障がい者雇用を検討しているものの「ノウハウや経験がない」「社員が不安を感じている」という理由でなかなか進められない企業は多いのではないでしょうか。「他の企業では、障がい者雇用の課題をどのように解決しているのだろう?」そういった疑問をお持ちの担当者の方もいるかもしれません。

そこで今回は、障がい者雇用の事例を精神障がい者の事例、環境整備の事例、理解向上の事例に分けて紹介します。

農福連携型の障がい者雇用支援
『やさいサポーターズ』

障がい者雇用の事例はどこで見られる?

障がい者雇用の事例は厚生労働省をはじめとしたさまざまな機関にてまとめられています。

厚生労働省では、平成21年度から平成22年度にかけ、精神障がい者雇用の経験・ノウハウが不十分な事業所を対象に、精神障がい者雇用促進モデル事業を実施しています。この事業に参加した各企業の取り組みを、「精神障害者雇用事例集」として公開しています。

独立行政法人「高齢・障害・求職者雇用支援機構(JEED)」でも、障がい者雇用の事例が公開されています。JEEDは、障がい者の職業的自立の推進をはじめ、高齢者の雇用確保や求職者・その他労働者の職業能力開発・向上を図ることを目的として、総合的な支援を行っている組織です。支援を通してどのように障がい者の職業的自立が促されたのかを、多くの企業の事例で紹介しています。

精神障がい者の雇用事例

精神障がい者の方の中には、スキルや経験を持つものの精神障がいを患ってしまった方も少なくありません。そのため、精神障がい者を雇用する場合、一人ひとりのスキル・経験を理解し、障がい特性を理解した上で雇用することが大切です。ここではいくつかの精神障がい者の雇用事例を紹介します。

参考:精神障害者雇用事例集「精神障害者とともに働く」|厚生労働省

株式会社ダイキンサンライズ摂津

株式会社ダイキンサンライズ摂津では、精神障がい者を雇用するにあたって、「実習期間を十分に設けること」や「SOSサインをキャッチして体調変化などにすぐ対応」することをポイントにしています。

同社ではまず、モデル事業参画にあたり、2年間で6名の精神障がい者雇用を目標にかかげます。採用前に企業と精神障がい者がお互いを知るため、しっかりと実習期間を確保。特に直属のリーダーについては、精神障がい者のSOSサインを見抜くための能力養成に力を注ぎました。さらに、ジョブコーチ経験者を採用することで、相談しやすい体制を整備して双方の安心感を熟成させるという試みも行っています。

採用後は、精神障がい者社員からの仕事におけるミスマッチサインがあれば、速やかに配置換えを行えるように、柔軟な組織づくりも実施します。とはいえ、特別扱いするのではなく、欠勤・遅刻・早退については理由を確認し、既存社員との間に溝が生まれないようにも配慮しています。

その結果、退職した精神障がい者社員もいたものの、全体的に安心感が熟成されていたこともあり、双方が満足して働ける職場環境が構築されています。

株式会社NTTデータだいち

株式会社NTTデータだいちでは、精神障がい者を雇用するにあたって「ITスキルの高い精神障がい者の採用」と「人材発掘・人材育成」に注力しています。

採用前は、就労支援会社など専門機関に相談し、どのように人材を発掘すべきか、そのノウハウやヒントを模索しました。さらに、親会社と連携して業務の切り出しを行い、精神障がい者に任せる専任仕事を担当するチーム構想を練ります。他にも、仕事に集中できる環境づくりにも配慮していたそうです。

採用時には、切り出した業務を任せられる人材を獲得するため、ITスキルテストや面接を実施しました。

採用後は、精神障がい者が無理なく働けてその能力を発揮できるように、勤務時間にある程度幅をもたせるなどの配慮を行っています。さらに、技術指導者を常駐させることで、問題解決がスムーズに行えて集中しやすい環境整備にも取り組んでいます。

中央労働金庫

中央労働金庫では、精神障がい者の雇用にあたって「実際にその目で見て就労支援機関に相談しながらスカウト採用」することや「庫内営業による業務の切り出し」を実施しました。

採用前、精神障がい者の雇用について経験・ノウハウがありませんでした。そのためまずはハローワークにて精神障がい者が行っている仕事を紹介してもらい、実際に職業センターなどに足を運ぶことで、どのような仕事が適しているのか、切り分けをどのように行うべきかなどを学んだそうです。また、関連部署に対して精神障がい者の特性を説明するなども行っています。

採用にあたっては、就労支援機関などの意見を聞きながら、作業所に足を運んで一緒に働けそうな人材をその目で判断してスカウトしました。これにはミスマッチを防ぐ目的があります。

採用後は、徹底した庫内営業を実施することで、業務の切り出しを行っています。新たな仕事を創出する際には、「あると便利だが、担当者がいない」という観点にて行ったそうです。

障がい者の働く環境を整備した事例

障がい者と一口に言っても、一人ひとりで障がい特性には違いがあります。そのため、既存社員にとっては働きやすくても、特定の障がい特性を持つ障がい者にとっては働きにくい環境の可能性があります。障がい者を雇用する上では、働く環境の整備も重要なポイントです。

参考:中小企業における障害者の 職場定着推進のための 職場改善ケースブック

株式会社アールビーサポート

株式会社アールビーサポートでは、重度身体障害者のAさん、Bさんの二人を雇用するための環境整備として、「リモートワーク」の確立を図りました。

Aさんが担当するのは、遠隔によるコミュニケーション業務です。介護施設を運営しており、Aさんは自宅からZOOMをつなぎ、「ケアサービスに対するアンケート」などの会話のヒントを提供しています。さらに、画面共有機能を活用し、画像や動画によって施設利用者とのコミュニケーションを行ったり、タブレットとデイホールの音響設備をつないで利用者全員に向けたアナウンスをしたりなどしています。

Bさんは、クイックアシストを活用して在宅にてデータ入力などの業務を行っています。当初は担当指導者と画面共有しながらでしたが、習得した後はほぼ自立して在宅にて業務を進めています。自宅にはデュアルディスプレイを整備し、作業効率アップを図っています。

CTCひなり株式会社

CTCひなり株式会社では、親会社からの業務創出の相談を受け、知的障害者の職域をIT業務にまで拡大する試みを行いました。

親会社からの相談や同社のグループ内での価値向上、社員のキャリアアップなどを目的に、データ加工専門チームを発足。業務内容は、プログラミング言語を使用して大量のデータを分析できる状態に整形するDP業務です。

ジョブサポーターが業務を細分化して指示・サポートを行い、実際の業務は知的障がい者のスタッフが行います。

業務の遂行にはプログラミング言語の習得が必要ですが、記憶定着に時間がかかりました。そのため、言語の習得ではなく、実践を通じてプログラミング技能を高められるように、Webなどで必要なことを調べる方法を提示しています。ジョブサポーターのサポートもあり、その取り組みは形となったようです。

電気硝子ユニバーサポート株式会社

電気硝子ユニバーサポート株式会社は、特例子会社として、障がい者雇用に長年取り組んできた企業です。しかし、法定雇用率の引き上げにともなって、さらなる障がい者雇用への取り組みの必要性が生じました。そのため、各事業所のリーダーが中心となり、作業の標準化や職域開発に取り組んだのだそうです。

まず行ったのはサポート体制の強化です。各チームリーダーが主体となって会議を行い、障がい者職場定着推進委員会にて進捗状況を管理・推進することにしました。リーダーは定期的に面談を行い、障がい者のメイン職場にはジョブサポーターを配置するなどの試みを行っています。

続いて、作業の標準化と職域拡大も実施。専門性の高い業務は他のグループ会社に移管して、外注していた業務を内製化することで職域を拡大しました。さらにマニュアルや手順動画の作成を行って、作業の標準化により理解度アップを図りました。

障がいへの理解向上を促した事例

障がい者の雇用をスムーズに進めるためには、企業全体での障がい者に対する理解がとても重要です。ここでは、障がい者への理解向上を促した事例を紹介します。

参考:中小企業における障害者の 職場定着推進のための 職場改善ケースブック

有限会社西部産業

有限会社西部産業は、障がい者雇用の実績がほとんどありませんでした。そのため、経営陣から障がい者雇用に取り組むことを伝えられた際、多くの社員から不安の声が上がったそうです。

同社ではまず、障がい者雇用に向け「雇用におけるグランドルール」を策定しました。「認め合い・分かち合い・ささえ合い・助け合い」という会社の理念が、社会におけるノーマライゼーションであることを社員達に再認識してもらうためです。

同社では障がいの種類や特徴、社内の支援体制、サポーターの取り組みなどについて説明する研修会も実施。会社として、障がい者雇用についてどのような考えを持って、どのような環境を整えているのかを理解してもらうことが目的です。

これらの取り組みの結果、社内全体にグランドルールも浸透したことや、採用した障がい者と会社のマッチングがスムーズであったこともあり、障がい者スタッフも貴重な戦力・仲間として認知されているそうです。

AIGハーモニー株式会社

AIGハーモニー株式会社では、障がい者雇用の実績がほぼないままに業務を切り分けたところ、既存社員の業務負担が大きくなってしまい生産性の低下や残業が常態化を招いてしまったのだそうです。この状況を打開するため、ゼロから職務分析することになります。

まずは作業工程の洗い出しを実施し、複数チームにて異なる運用ルールで行われている同様作業を分解して共通作業を切り出しました。そして作業ごとのバラツキ改善のため、一連の流れを汎用化したそうです。

その上で、専門家を招いて勉強会を実施し、障がいに対する社員全体の理解を深めたそうです。

結果として作業が汎用化されたことでバラツキがなくなるとともに、障がい者社員の作業の幅が広がりました。これまで既存社員しかできないと思われていた作業も障がい者社員ができることが分かり、双方の理解がより深まったそうです。

シダックスオフィスパートナー株式会社

シダックスオフィスパートナー株式会社では、全国の事業所に勤務する約550名の定着支援を行っていました。しかし、障がい者雇用の認識は高まらず、大きな課題となっていたそうです。

そこで同社では、「SOP通信」という社内報を2ヶ月に1回発行することで、障がい者雇用におけるワンポイントアドバイスや障がい者を雇用する事業所の好事例などの情報を発信しました。

この取り組みにより、好事例から障がい者雇用に対するグループ全体の認識が高まり、雇用ノウハウの浸透や環境整備の進展が見込まれています。さらに、未解決で留まってしまっていたケースが好事例をヒントに解決につながることや、好事例事業所へ直接連絡して相談するなど、横の連携強化なども見込んでいます。

農福連携型の障がい者雇用支援「やさいサポーターズ」

「やさいサポーターズ」は、JAグループの「農協観光」と食の福利厚生サービス「OFFICE DE YASAI(オフィスで野菜)」が提供している、農福連携型×健康経営のハイブリッド型障がい者雇用支援サービスです。

就労意欲・適性のある障がい者と人手不足で悩む農業者を、障がい者雇用を希望している企業とつなぐサービスです。農福連携型であるため、三者の課題を解決できるとともに日本の農業支援も実現できます。さらに、収穫した野菜は「OFFICE DE YASAI」の食材として活用されます。「やさいサポーターズ」の利用企業は「OFFICE DE YASAI」を無料導入できますので、健康経営にもつながります。つまり、「やさいサポーターズ」は五方良しのサービスなのです。

農福コーディネートが駐在してサポートしますので、「ノウハウや経験がないので不安」という企業でも安心して利用できます。障がい者雇用をスムーズに行うなら、ぜひ「やさいサポーターズ」をご検討ください。

やさいサポーターズについて詳しくはこちら

まとめ

今回は、障がい者雇用の事例を紹介しました。

障がい者といっても一人ひとりの障がい特性には違いがあります。また、企業ごとにノウハウや経験の有無、業務内容に違いがあるものです。そのため、障がい者雇用といってもさまざまなケースがあることから、スムーズに進まないことは少なくありません。

本記事で紹介した事例を参考に、障がい者雇用にはどのような課題があるのか、その課題を解決するにはどのような取り組みが必要なのかをぜひ考えてみてください。

やさいサポーターズについて詳しくはこちら

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