福利厚生制度
使われない福利厚生は見直すべき!利用率90%の福利厚生とは
近年、働き方改革の推進や新型コロナウイルス感染症の流行によって、働き方が大きく変わってきました。 それに伴い、従業員が求める福利厚生も変化しています。 そこでこ …
「福利厚生」と言われて皆さんは何を思い浮かべますか?
健康保険、年金などの公的制度に関するものから、旅行や社員食堂など多岐にわたるものが福利厚生として会社には用意されています。
みなさんがお勤めになる企業では、どのような福利厚生が用意されているでしょうか。
今回は、福利厚生の基本的な知識から、昨今の福利厚生サービスのトレンドをご紹介いたします。
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目次
そもそも福利厚生の定義は何でしょうか。
福利厚生とは、企業が社員に提供する「給与以外」のサービスや支援を指します。
福利厚生が充実することで、社員の労働環境は大きく向上することから、昨今の働き方改革を考える上で福利厚生は重要な要素を担います。
福利厚生は、2020年4月に施行された「パートタイム・有期雇用労働法」により、正社員だけでなく、パートタイムや契約社員など全従業員を対象に提供されます。
この法律の目的は、正規雇用者とパートタイム労働者・契約社員など有期雇用労働者との間の不合理な待遇差の禁止と、企業における非正規雇用者の働く環境の改善です。
同法律は、休暇や教育の機会の平等や各種福利厚生の利用についても定められています。
福利厚生は大きく分けて「法定福利」と「法定外福利」の2種類に分かれます。
「法定福利」とは、健康保険や厚生年金等の公的制度に基づくものであり、その導入は法律により定められています。
皆さんも企業から給与を支払われた際には、給与明細上で健康保険料や厚生年金保険料が天引きされているのをよく目の当たりにすると思います。
一見損をしたように思う方もいるかもしれませんが、これらの社会保険の適用を受けるために一人あたりが支払うべき金額の一部を企業が負担してくれています。
これが「法定福利」です。
企業に義務づけられている法定福利厚生は、各種保険料や子ども・子育て拠出金など下記の6種類です。
種類 | 費用負担の割合 | 内容 |
---|---|---|
健康保険料 | 企業と従業員にて折半 | 医療費・手当金の一部負担 |
介護保険料 | 同上 | 40~46歳までの健康保険加入者を対象 |
厚生年金保険料 | 同上 | 公的年金の一種で、老後の生活資金など |
雇用保険料 | 企業2/3、従業員1/3 | 労働保険の一種で、失業給付金・育児休業給付金など |
労災保険料 | 企業全額負担 | 業務中の事故・ケガなど |
子ども・子育て拠出金 | 企業全額負担 | 児童手当、両立支援事業の税金など |
なお、法定福利厚生は、企業に義務づけられている最低限のもので、これらを導入していない企業は法律違反となりますので、注意しましょう。
法定外福利厚生は、大きく8つの項目に分けられます。
それぞれ順を追って説明します。
まず、一番オーソドックスなもので、自宅から職場までの通勤にかかる費用が会社から支給されているという方も多くいらっしゃると思います。
これらの通勤手当も福利厚生に該当します。
また、昨今では在宅ワークを推奨する企業も増えています。
テレビ会議システムを導入することで、家にいながら会議に参加することが可能になります。
体調がすぐれないときや天気が悪いときに、わざわざ満員電車に乗って通勤せずとも在宅で仕事ができることは、社員としてとてもありがたいことですよね。
最近では、海辺などのリゾート地でテレワークをしながら、休暇もエンジョイするワーケーションを取り入れる企業も増えてきています。
ワーケーションはもともと欧米諸国で盛んに行われてきたものですが、昨今では日本の大企業やベンチャー企業でも徐々に導入が進められてきています。
都会の喧騒を離れ、リゾート地でリラックスしながら仕事をすることで、かえって生産性が上がるのかもしれません。
社内に診療所を設置することで、社員の健康・医療に関する福利厚生を整備している企業もあります。
カレンダー通りの休日が設定されている企業の社員からすると、平日の昼間に病院に通うことは難しいので、こういった社内診療所は重宝します。
他にも、スポーツ用品の購入費用やスポーツジムの入会費を補助してくれる企業もあります。
福利厚生により社員の健康を維持することは、社員の最高のパフォーマンス発揮にもつながることから、企業にとっても大きなメリットです。
社内のレクリエーションイベントを充実させている企業もあります。
野球やバレーボールなど、部署対抗のスポーツ大会を開催している企業も少なくありません。
これらのイベントを通して社員に運動の機会が提供されることはもとより、社員の健康や社員同士のコミュニケーションが促進され、社内の雰囲気が良くなることも期待されます。
子育て・介護休暇制度を整えている企業もあります。
子育て・介護と仕事を両立をするのは並大抵のことではありません。企業の理解や協力が必要不可欠です。
これらの休暇を整えたり、フレックスタイムによる勤務形態を推奨する中で、社員の子育て・介護の支援を行います。
また、昨今では国の制度を活用しながら企業内保育所を設置する企業もあります。
特に都市部においては待機児童問題も顕著であることから、勤務先の企業に子どもの預け先があることは大変ありがたいことです。
社員の結婚の際に、結婚祝い金を支給する企業は多数あります。
社員の結婚に加えて、子どもの結婚時にも祝い金を支給する手厚い制度を用意している企業もあります。
結婚のほかにも、出産時に祝い金を支給する場合もあります。
一方で、お祝いの際だけでなく、社員やその家族が死亡した際に死亡弔慰金を支給する企業もあります。
また、社員が病気や怪我を負った際に、見舞金を支払う企業も多数あります。
他にも、地震や洪水などの災害で自宅が損壊した場合に支払われる災害見舞金といったものまであるのです。
社員のライフプラン形成を支援するために、財形貯蓄制度を整備している企業もあります。
財形貯蓄は、給与やボーナスの支払い日に一定の額を天引きして貯蓄するものです。
財形貯蓄には3つの種類があります。
1つは、使用目的が限定されず、いつでも自由に払い出しが可能である「一般財形貯蓄」。
2つめは、住宅の購入費や工事費にあてるための「財形住宅貯蓄」。
3つめは、老後の年金として受け取ることを目的とした「財形年金貯蓄」です。
財形貯蓄をすることで、自然と無理なく貯蓄を増やすことができることが、まずは大きなメリットとなります。
さらに、国の支援なので税制優遇措置も受けることができます。
具体的には、財形住宅貯蓄と財形年金貯蓄は一定額までは利子が非課税になります。
ここまで社員側のメリットを述べましたが、この制度は企業にとってもメリットがあります。
社内預金制度や社内融資制度に準じた制度を活用することができるので、社員の定着にもつながることが期待できます。
このように、財形貯蓄制度は社員にとっても会社にとってもメリットのある制度と言えます。
フィナンシャルプランナーや簿記、宅建など、社員が仕事を行ううえで取得していると有利な資格の取得に要する経費(講座受講料など)を助成する企業もあります。
資格の難易度が高い講座ほど受講料が高くなるので、こういった助成制度は大変重宝します。
仕事に関わらず、社員の私生活を充実させるための自己研鑽・自己啓発に関するセミナーや本の購入費を助成してくれることもあるのです。
助成のみならず、セミナーの開催日が通常の勤務日であった場合には、特別休暇の利用を可能とする企業もあります。
ユニークな休暇制度を充実させている企業も近頃は目立ち始めています。
夏休み等の特別休暇はもちろんのこと、ベンチャー企業等では、社員やその家族の誕生日、結婚記念日なども休むことができる制度を整えていることもあります。
ほかにも、休日と休日の間の平日をオセロのように休日に変えてしまう、ユニークな休暇制度を設けている企業があります。
そもそも、企業はどうして福利厚生の充実を図ろうとするのでしょうか。
魅力的な福利厚生制度を整えておくことで、新規採用職員の確保ができます。
同じ仕事内容と同じ給与であれば、当然福利厚生が充実した企業を選びますよね。
ブラック企業という言葉が世の中に浸透した現代においては、なるべく福利厚生などの待遇が良く、自身が働きやすい企業を選択するのは当然の話です。
採用と同じで、福利厚生を充実させておけば社員の定着にもつながります。
短期的に給与を上げることは企業としてはなかなか難しいことですが、月に数百円程度で導入できる魅力的な福利厚生を提供することは、予算が限られている中では取り入れやすい方策です。
ユニークで魅力的な福利厚生が揃っている企業ほど、社員の離職は抑えられるはずです。
医療や運動に関する福利厚生制度を充実させることで社員の健康が促進されます。
社員が健康であることは、仕事のパフォーマンスも向上し、企業にとっても大きなメリットとなります。
働く環境をより良くするため、福利厚生を充実させることは企業のメリットにつながるいうことがわかりました。
では、デメリットにはどのようなものがあるのでしょうか。
デメリットをしっかり理解し、企業にマッチする福利厚生を決めていきましょう。
メリットがたくさんあるのであれば、社員が喜んでくれそうな福利厚生をたくさん導入すれば良いのでは?と思いますよね。
しかし、福利厚生を導入すると維持や運営をするための金銭的負担がかかります。
この金銭的負担はほとんどが企業側にかかります。
これからの時代、少子高齢化で法定福利費(社会保険料)の増加が見込まれるため、企業としては、法定外福利を充実させると経営が苦しくなっていく可能性があります。
労働環境を向上させるために福利厚生を導入しているのに、企業の経営に負担をかけてしまっては、導入する意味がなくなってしまいます。
いかに金銭的負担を抑えつつ満足度の高い福利厚生を導入するか、これが重要なポイントになります。
管理者が発注などの事務手続きをしたりと、利用のサポートが必要な場合があります。
サポートなどに時間をとられると管理者自身が仕事をする時間がなくなり、負担も増します。
その結果、適切なサポートを行うことが難しくなっていき、利用者の満足度の低下や利用率の低下にもつながります。
導入するだけではなく管理者の負担も忘れずに考えなければいけません。
企業の規模によって社員の人数や男女比は変わりますし、すべての社員に満足してもらえる福利厚生を選ぶのはそう簡単ではありません。
社員にアンケートを取ったり、利用率などを調べるのはとても時間がかかります。
また、利用する人、利用しない人に偏りが出ると、社員から不満がでてしまい離職につながりかねません。
せっかく金銭的負担をかけるのであれば、たくさんの社員に使ってもらえるような工夫が必要です。
なるべく少ない負担で、社員に喜ばれるような福利厚生を企業が導入するには、さまざまな提供方法があります。
ここでは、企業が福利厚生を導入する際におすすめしたい、4つの提供方法と特徴を説明します。
1.自社で提供する
2.パッケージサービスの導入
3.カフェテリアプランの導入
4.特定サービスとの個別契約
福利厚生のうち金銭的に従業員を補助するサービスは、自社でも提供しやすいでしょう。
具体的には、住宅や家賃に関するものや育児・介護手当、資格取得のための一部負担金などが挙げられます。
大企業のなかには、自社で財源を確保するために共済会を設立し、そこから提供しているケースもあるようです。
しかし、共済会は、企業と従業員の積み立てによって運営するため、財源に限度があります。
従業員が満足するようなサービスを全て共済会でまかなうには、多くの費用がかかるでしょう。
中小企業が福利厚生を導入する場合は、共済会よりもアウトソーシングの活用がおすすめです。
パッケージサービスとは、社員ひとり当たりの月額定額を支払うことで、たくさんのサービスを自由に使うことができるものです。
金銭的負担も少ない為、導入しやすいサービスです。
企業で提供するより福利厚生の種類が豊富なので、社員は自分が求めているものを選んで使うことができ、社員の満足度は向上するでしょう。
サービス利用時の申し込みは社員自身で行い、運用やサポートも専門会社が行ってくれるので、管理者の負担も減らすことができます。
さまざまな福利厚生を試してみたいけれど、金銭的負担が気になったり、社員数が多く、年齢層がバラバラで何が喜ばれるかわからないという企業に向いています。
大企業だけではなく、中小企業やすぐに福利厚生を充実させたい企業にも向いています。
ただし、導入すればどの企業も同じ福利厚生を提供することができるため、福利厚生の差別化はできません。
福利厚生でオリジナリティを求める企業にはあまり向いていません。
カフェテリアプランは、企業ごとに好きなサービスを組み合わせて社員に提供することができ、選択型福利厚生とも呼ばれます。
パッケージプランと比べると金銭的負担は少し高めとなりますが、自社独自のサービスも盛り込むことができます。
導入してからも、企業側の負担が少ないことも魅力のひとつです。
カフェテリアプランは、社員に決められたポイントを与え、その決められたポイント内で企業が組み合わせたサービスを社員が利用できる仕組みです。
ポイントの単価は自由に決めることができます。
1ポイント=1円、または1ポイント=100円の設定が多く見られますが、ポイントの単価を変動し優遇させることも可能です。
この優遇を使って、社員の資格取得や勉強に繋げていき、企業にとって生産性向上、社員にとって自分の能力を高めることができます。
また、企業ごとにサービスを選ぶことができるため、今取り入れている福利厚生の満足度や利用率が上がらない企業や、独自性を求めたい企業に向いています。
【参考】福利厚生のカフェテリアプランとは?仕組み・メリット・費用を解説
https://vw.officedeyasai.jp/column/for-general-affairs/cafeteria-plan
定番や人気のサービスではなく、他社とは違った福利厚生を取り入れたいと考える企業もあります。
特定のユニークなサービスを取り入れることで、特別感を感じることができ、独自のアイディアがメディアなどに注目されることもあります。
自社らしさがあることで優秀な人材を確保し、新規人材獲得のアピールにもなります。
とはいえ、ユニークすぎるあまり継続的に使ってくれない、特定の人にしか喜ばれないなどの状況に陥ってしまわないよう注意が必要です。
利用率が低ければ、金銭的負担をかけてまで福利厚生を導入する意味がありません。
多くの人がいつでも使え、企業にとって良い影響を与えることができるのか、しっかり見極めて契約する必要があります。
他の企業との差異化を図りたいという時は、自社に合った特定のサービスを見極め、個別契約することもオススメです。
ここまでは、企業における福利厚生の導入方法などを伝えてきました。
しかし、企業が自由に設定できるからといって、いろいろなものを導入しても、従業員の満足度や利用率が低くては意味がありません。
企業が導入する際は、従業員に利用されやすいものを選び、定期的に見直しをかけて改善することが大切です。
従業員に使われていない福利厚生があるという企業は、こちらの記事も参考にしてみましょう。
【参考】使われない福利厚生は見直すべき!利用率90%の福利厚生とはhttps://vw.officedeyasai.jp/column/employee-benefits/employee-benefits-review
企業が導入するなら、満足度・利用率の高い「食」に関する福利厚生がおすすめです。
アフターコロナで出社回数が増えると、従業員はオフィス近辺でランチをとる必要があります。
わざわざ外出して飲食店に並んだり、ほかの利用客で混み合うコンビニのレジを待ったりせずに安くておいしい食事を食べられたら、それにこしたことはありません。
代表的な食の福利厚生は、社員食堂の充実です。
昨今は社員食堂の形態も多様化し、メニューに食べ放題を取り入れているものや無料で食事を提供するサービスもあります。
しかし、社員食堂は人件費や導入費に多大なコストを要するため、最近では「フードの設置サービス」の活用が増加しています。
フードの設置サービスとは、専用の冷蔵庫を設置して惣菜などを常備するサービスで、従業員はオフィス内でいつでも食事をとることができます。
このほか、設置サービスには会社を出て最寄りのコンビニまで行く必要がなく、オフィス内で用を済ませる無人コンビニもあります。
この無人コンビニには、担当者が定期的に商品を補充してくれる際、従業員に人気の高い商品を運用履歴から重点的に補充してくれるサービスまであるのです。
昨今は、多くの企業が、バラエティ豊かなフード設置サービスを福利厚生として導入しています。
これらのフード設置サービスは、外部のサービス提供事業者と契約して提供するものであるため、もし仮に社員の満足度が低ければ解約することができます。
このように、導入のハードルが低いことが特徴といえます。
フード設置サービスと聞いて、皆さんはヘルシーなイメージを持たれるでしょうか。健康志向な方は少し心配になるかもしれません。
しかし、このようなフード設置サービスでも健康志向の方のニーズに十分に答えることができるサービスも存在しています。
朝は忙しく、落ち着いて食事をとる時間も確保できないことから、栄養のある朝食が食べられていない人も多いのではないでしょうか。
ですが、朝食で野菜からビタミンを摂取することは一日の活力にもつながります。
設置型サービスの中でも、「OFFICE DE YASAI」を活用すれば、お昼に全国から取り揃えられた新鮮な野菜・果物を食べることができます。
電子レンジがあれば、温野菜にもすることもできるのです。
また、お昼だけでなく、夜食としても活用できるので、カップラーメンを食べるよりもよっぽど健康的に小腹を満たすことができます。
食事の充実は働く人にとって大切な要素です。
「OFFICE DE YASAI」のようなフード設置サービスや無人コンビニサービスは、社員の食事の質の向上に直接的に影響するものであり、すなわち企業の職場環境を表すものでもあります。
これらを充実させることが、社員の満足度向上につながるのではないでしょうか。
さまざまな企業におすすめのサービスが、目的別に2つのプランを選べる食の福利厚生「OFFICE DE YASAI(オフィスで野菜)」 です。
「オフィスでやさい」は、軽めの食事やおやつに最適で、新鮮な野菜や果物を使用したスナックやサラダ類を中心とするプランです。
「オフィスでごはん」は、しっかり食べたい時におすすめのプランで、管理栄養士の監修をもとにしたメニューを自由に組み合わせ、電子レンジで加熱すればすぐに食べられます。
いずれも、低コストで気軽に導入できるフード設置サービスです。
皆さん、いかがだったでしょうか。福利厚生といっても「法定福利」と「法定外福利」の違いから始まり、同じ「法定外福利」の中でも健康や食事等の様々な性質のものがあります。
自社の工夫と外部の福利厚生サービスを効果的に組み合わせることで、社員の満足度が高い福利厚生制度が生まれ、職場環境の向上につながるのではないでしょうか。
給料を上げることは予算上のハードルが高いですが、福利厚生サービスは月数万円から導入することができます。
魅力的でユニークな福利厚生制度が整えられることで、優秀な新人社員の確保や、社員の定着、離職防止にもつながってきます。企業の人事の皆さんはここで自社の福利厚生制度を見直してみてはいかがでしょうか。
社員の健康改善につながる福利厚生
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