福利厚生制度

 公開:2025.05.30

 更新:2025.05.30

福利厚生規程の作り方とは?必要な項目と作成時の注意点を解説

2014年頃より、少子高齢化や多様化する働き方などによって、日本における新卒の就職は売り手市場となっています。

このようななか、優秀な求職者を自社の人材として確保するためには、他社より秀でた企業ブランディングが必要になるでしょう。給与・賞与などの待遇はもちろん、福利厚生の充実度も求職者の志望動機に大きく影響します。また、自社の方針や体制を規程として形にすることで、現在働いている従業員の企業への信頼度も高まるでしょう。

そこで今回は、福利厚生規程を策定する際に必要な項目と、作成時の注意点について解説します。

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福利厚生規程とは?その役割と目的

福利厚生という用語は既にご存知かもしれませんが、福利厚生規程についても理解しておく必要があります。この章では、福利厚生規程の定義をはじめ、必要性や就業規則との違いを説明しましょう。

福利厚生規程の定義

一般的に、福利厚生規程は就業規則の一部とされ、企業が自社従業員に提供する給与以外の福利厚生サービスに関する規則を定めたものと定義されます。具体的には、自社にどのような種類の福利厚生があり、どの従業員に適用され、どう手続きするかなどのルールを明確化したものです。

福利厚生規程の必要性

企業に福利厚生規程が必要な理由は、大きく分けて4つあります。

1.福利厚生規程によって規則を明確化すれば、従業員が自分達の有する権利を正しく理解でき、安心して働ける
2.具体的なサービスの内容や、利用する際の条件を福利厚生規程として明記しておくことで、従業員が誤解を招く・不満を持つなどのリスクやトラブルを前もって回避できる
3.しっかりした福利厚生規程のある企業は、自社の従業員に配慮している社風を世間にアピールすることにもなり、社会的な信頼性の維持・向上につながる
4.福利厚生費を経費として計上する際、福利厚生規程を根拠として示すことで、税務署の調査で何らかの不備を指摘されて追加徴税となるような事態を可能な限り低減できる

就業規則に福利厚生規程を明記して従業員の権利を保護し、起こり得るトラブルを事前に取り除けば従業員も仕事に集中でき、満足度や働くモチベーションも向上するでしょう。

就業規則との違い

就業規則と福利厚生規程との大きな違いは、法的地位があるかどうかです。そもそも、就業規則は労働基準法に基づき、企業と従業員とが雇用関係を締結する際の労働条件のルールとして法的な拘束力を持っています。

これに対し、福利厚生規程は、就業規則の一部と見なされることはあっても法的な拘束力はなく、広義の意味で雇用関係における労働条件に含まれているに過ぎません。

従って、就業規則を変更する場合は、企業と従業員間での合意を必要としますが、福利厚生規程の変更は合意形成を必須要件としない場合があります。

福利厚生規程に含めるべきおもな項目

福利厚生規程に含めるべきおもな項目は、次の6つです。

施行日

いつから福利厚生規程が適用されるかという日付を明記しましょう。期間が特定されるサービスについては、その旨も記載しておくと誤解を招くおそれがありません。

目的

従業員が利用しやすいように配慮する意味でも、福利厚生規程には「従業員とその家族が安定した生活を送り、働きやすい環境を整える」という目的が伝わるように記載し、従業員と共有しましょう。

種類

福利厚生にどんな種類があるのかを記載します。法人保険を導入する場合は、福利厚生規程に保険サービスの種類や保険会社名のほか、支払う際の負担割合や連絡先などの詳細も明記しておきましょう。保険料の負担発生によって従業員が賃金控除となる場合は、「賃金控除に関する協定書」を作成し事前に締結を済ませておくと安心です。

対象範囲

正規雇用者・非正規雇用者を含め、従業員の対象範囲も明記しましょう。特に、勤続年数や年齢・雇用形態などで対象者を限定する場合は、後でトラブルにならないよう綿密に記載しておく必要があります。退職した被験者の保険継続手続や解約返戻金などの取り扱いについても、就業規則の退職金に関する規程との関係や流れが分かるよう配慮しましょう。

注意点・詳細

法人保険を導入する際は、条件を満たす要件および具体的な金額を福利厚生規程に記載しておくと、事前にトラブルを回避できます。傷病手当などに期間を設ける場合は、その旨を具体的に明記し、詳しい説明が必要であれば一覧表などの別紙を添付するのもよいでしょう。

事故発生時の保険金の支払いに加えて補償金・見舞金などの支給がある場合は、手続きの流れや詳しい内容も記載しておくと、さらに明確になります。なお、福利厚生規程に該当しない事由による事故が発生した時に備え、その対応策についても明記しておきましょう。

改廃事項

福利厚生規程の改廃を考慮し、「経営状況や要望などにより、福利厚生の内容は変更または廃止する場合がある」旨を明記しておくと、運用後の手続きもスムーズです。手続きの流れや従業員への通知方法なども記載し、改廃時の日付も入れておくと、さらに明確になります。

福利厚生規程の作成ステップ

福利厚生規程に含めるべき項目を一通り確認したところで、実際に作成する際のステップを説明しましょう。福利厚生規程のステップは、主に7つあります。

現状の整理

まず最初に、現状を整理しておきましょう。作業を効率的に進めるためには、自社にどのような福利厚生があり、現状の規程の有無などを確認しておく必要があります。特に、法定福利厚生は企業に義務付けられており、抜けや漏れがあった場合は、6ヶ月以下の懲役または50万円以下の罰則を科せられるため注意が必要です。

また、2020年4月に施行された「パートタイム・有期雇用労働法」により、福利厚生はパートやアルバイト・派遣社員などの非正規雇用者も対象になりました。従って、法定福利厚生の対象を正社員のみとしている企業も、法律違反に該当します。念のため、自社の現状を確認しておきましょう。

導入目的の明確化

次に、導入目的を明確化しましょう。福利厚生は、従業員とその家族がよりよい生活を送れるよう、給与などの待遇以外でサポートするものです。

とはいえ、「従業員をサポートする」方向性や優先順位は、各企業によって異なるでしょう。たとえば、従業員に対し「心身共に健康で働いて欲しい」「よりよいワークライフバランスに配慮したい」「働く意欲を高めて仕事のパフォーマンスを向上させたい」など、社風や理念によってさまざまです。

従業員満足度と労働生産性の向上は比例することを念頭に置きながら、従業員が福利厚生規程を一読して理解できるよう、導入目的を分かりやすく説明しましょう。

導入する福利厚生の選定

3つ目のステップは、導入する福利厚生の選定です。従業員をサポートするものですから、福利厚生規程の定めによって、今後、確実に活用されなければ意味がありません。企業に義務付けられている法定福利厚生のほか、自由に設定できる法定外福利厚生についても十分吟味しましょう。必要に応じて、従業員を対象に福利厚生のニーズに関する社内アンケートや1on1ミーティングなどを実施するのも一案です。

福利厚生規程の作成

自社に導入すべき福利厚生を検討したら、先述の項目をベースに福利厚生規程を作成していきます。施行日や改廃事項・保険会社や金額など、細かい点で記載漏れがないよう、作成後は必ず確認しましょう。

マニュアルの作成

5つ目のステップは、マニュアルの作成です。福利厚生規程を作成しただけでは、従業員にうまく伝わりません。特に、法人保険を導入する場合は案件ごとに事情や状況も異なり、福利厚生に該当するかの判断が微妙なケースも出てくる可能性があります。このほか、各福利厚生サービスの申請方法やその後の流れ、該当の有無についてマニュアル化し、属人化して手続きがスムーズに進まないことがないよう配慮しましょう。

従業員への周知

6つ目のステップとして、福利厚生規程を作成したら全従業員への周知の徹底が重要です。福利厚生規程を定めても、従業員に共有しなければ形骸化する恐れがあります。昨今は、ハイブリッドワークやリモートワークを導入している企業も多く、オフィスに出社していない従業員に対しても、抜けや漏れがないよう配慮しなければなりません。社内ポータルサイトの活用や一斉メール・社内掲示に加え、必要に応じて部署ごとの説明会などの実施も検討しましょう。

制度の定期的な見直し

福利厚生規程の作成後には、制度の定期的な見直しも不可欠です。実際に運用を進めた後に、想定しなかった事態が起こらないとも限りません。また、時の経過や経営状況によっては、サービスや金額を変更せざるを得ないこともあるでしょう。

福利厚生規程の見直しについては特に法的な定めはありません。しかし、経営状況の変化に加え、関連する法律の改正や社会情勢などもキャッチアップしながら、少なくとも1年に一度は見直すべきです。従業員にも定期的にアンケートやミーティングを実施し、何か課題がある場合はPDCAサイクルを上図に活用していきましょう。

福利厚生規程の注意点やよくある失敗

福利厚生規程を作成する際は、注意点やよくある失敗も事前に知っておくと安心です。

実際によくあるトラブルは、主に3つの原因が考えられます。

1.福利厚生規程の表現が漠然としている
2.福利厚生の対象者が明確でない
3.税務処理する際の非課税要件を満たしていない

従業員との揉め事は、労働生産性や定着率の低下につながるリスクもあります。福利厚生規程は、誰が読んでも誤解のないように作成し、従業員に周知する前のチェック体制も整えておきましょう。

管理しやすく利用されやすい福利厚生とは

自社に導入する福利厚生を選定する際は、企業側で管理しやすく、従業員が利用しやすいサービスを検討しましょう。たとえば、従業員にとって身近な食に関する福利厚生もおすすめです。食事は、毎日とる必要があり、従業員の健康面や栄養バランスにも深く関わります。

実際、2024年に「労務SEARCH」が実施した福利厚生に関するアンケート調査によると、「勤務先にあると最も嬉しい福利厚生」という質問に対する従業員の回答は、社員食堂が37%、オフィスコンビニが29.7%でした。このように、食の福利厚生の需要が高いにもかかわらず、実際には、企業の社員食堂・食事手当の導入率は20.0%、オフィスコンビニは5.7%とやや低い傾向です。

特に、オフィス周辺に飲食店・コンビニも少なく一人暮らしの従業員の多い企業では、食の福利厚生は、仕事のパフォーマンスの質を向上させる意味でも不可欠といえるでしょう。昨今は、手軽に始められ、企業が管理しやすい設置型の社員食堂も市場に多く出回っています。栄養バランスに優れた食の福利厚生を導入すれば、従業員の集中力アップ・労働生産性の向上に加え、「健康経営」の一環にもなるでしょう。

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まとめ

変化のめまぐるしい情報社会の昨今、日本の働く人口は少しずつ確実に減少しています。今後、企業が発展し続けるためには、競合他社との棲み分けも重要です。企業が自由に設定できる法定外福利厚生で、従業員からニーズの高いサービスを導入するのも、大きな効果を期待できます。

実際に福利厚生を導入する際は、福利厚生規程もしっかり検討すべきです。税務調査で経費を計上する際の根拠になるだけでなく、企業の社会的な信頼度にもつながります。労働生産性を高めるためにも、自社に最適な福利厚生サービスを導入し、トラブルや揉め事が起きないよう綿密な福利厚生規程を策定しましょう。

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