企業の健康経営
アブセンティズム・プレゼンティズムがもたらす損失とは?健康経営で対策
ここ最近、「アブセンティズム」や「プレゼンティズム」という言葉を耳にする機会が増えてはいないでしょうか? それは、従業員の健康に対する投資効果(ROI)を測る指 …
日本の労働者は仕事に忙殺されたり、長時間残業によって健康を害したりすることも少なくありません。
毎日、効率よく働くためには、どれほどやりがいのある仕事であっても、心身ともに健やかでなければ続きません。
長時間の残業は、体を害するだけで無く、心まで疲弊してしまいます。
ここ数年、日本でもようやく長時間勤務や残業のあり方など労働者の働き方について見直す「働き方改革」が進められています。
この働き方改革は、ただ単に労働者の残業時間を短くすれば良いということではなさそうです。
今回は、さまざまな視点から「働く人にとって本当に必要な働き方改革とは何か」について考えていきます。
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目次
働き方改革とは、「日本の人口一億人を今後も維持しながら、誰もが職場や家庭、地域などで活躍できるようにするための改革」です。
国は、働き方改革によって長時間の残業を見直して「非正規」という言葉をなくし、それぞれの労働事情に対応したさまざまな働き方を労働者が選択することのできる社会を目指しています。
このため、長時間残業の是正や多様で柔軟な働き方を実現し、雇用形態にかかわりのない公正な待遇の確保等のためにさまざまな措置を講じています。
この働き方改革は、労働者の残業時間を減らすことに加え、日本の少子高齢化に伴い生産年齢人口が今後も減少していくことや、働く人のニーズが多様化していくことに対応し、労働者がそれぞれの事情に合わせた働き方を選択できるようにすることを目的にしています。
厚生労働省は、働き方改革を実施するにあたり、9つのテーマに沿った改革方針を掲げました。
1)非正規雇用の処遇を改善するため、「労働契約法」「パートタイム労働法」「労働者派遣法」において改正を行う。
2)賃金引き上げ・労働生産性の向上のため、税制の整備と助成金制度を創出する。
3)残業による長時間労働を是正するため、上限規定を制定し、過重労働を課した企業に対し立入調査・指導などを行う。
4)転職者の受け入れを促進し、再就職を支援する。
5)柔軟に働けるよう在宅によるテレワークや兼業・副業についてのガイドラインを制定する。
6)女性活躍推進法を制定し、同一賃金同一労働の制度に基づく若者への集中支援などを行い、活躍の場を作る。
7)高齢化社会において高齢者の就業を促進する。
8)病気の治療や子育て・介護等と仕事を両立できるよう支援を推進する。
9)外国人材を受け入れるための環境を整備する。
このように、働き方改革は、ただ単に労働者の残業時間を減らすだけにとどめず、多様なニーズに照らして柔軟な働き方に対応していくための改革なのです。
これからの日本には、働き方改革を実施することによって男性や女性、若者や高齢者、体に障害を持つ人、難病のある人、一度人生や仕事に失敗した人などのすべてが自分たちの出番や役割を持ち、仕事にやりがいや生きがいを感じられる社会づくりが求められています。
残業のできる人だけが働けるような社会では、労働者人口が減っている日本では、どんどん人手不足が進んでいくでしょう。
2035年には、IT産業だけでなく、農林水産業などにもAIの導入などが見込まれています。
働き方改革の効果が見えるこの頃には、さらなる技術革新によって企業の業績だけでなく、労働者のすべてが大きな恩恵を受けることができ、多くの仕事は働く場所という物理的な制約がなくなるといわれています。
社内で残業するような働き方そのものがなくなっているかもしれません。
今後の日本は、働き方改革により労働者一人ひとりが「好きで得意な道」で、技術革新をフルに活用して、それぞれの働き方で輝くことのできる社会を目指すことになるでしょう。
働き方改革の1つである残業時間の上限規制については、2019年4月より大企業に導入され、2020年4月より中小企業にも導入されます。
長時間残業は、時間的に見ても、仕事と家庭生活との両立が難しくなることから、少子化の原因となります。
また、女性の場合には残業でキャリアを形成することが難しくなり、男性の場合は残業のせいで家庭への参加が阻まれてしまうことにもなりかねません。
そこで、働き方改革によって残業がなくなれば、女性や高齢者などが仕事に就きやすく男性も気兼ねなく家庭に参加できるようになり労働参加率も上がるため、時間外労働の上限を法律で規定し、労働者のワーク・ライフ・バランスを改善しようというわけです。
日本では、労働基準法の第32条によって「法定労働時間」は1日8時間、1週40時間と定められています。
この規定された時間を超えると「法定時間外労働」となり、この「法定時間外労働」と、それぞれの会社が就業規則などで定めている「所定労働時間」を超えた「所定時間外労働時間」の合計時間が「残業時間」と呼ばれています。
これまでは、「時間外・休日労働に関する協定届」の根拠となる労働基準法第36条を根拠とする「36協定」を結ぶと、月45時間、年間360時間までの残業が認められていました。
さらには「特別条項付36協定」を結べばさらに残業をすることができました。
しかし、働き方改革で改正された後は、この「36協定」を結んだ場合でも休日労働とあわせて2〜6ヶ月間の平均が80時間を超過する、または1ヶ月に100時間を超過し年間で720時間を超える残業は認められなくなりました。
現在、日本のサラリーマンの残業時間の平均は月47時間程度で、有給休暇の取得率は世界最下位で約50パーセントほどです。
これに比べて欧米企業では日本より年間の休日数が多く、残業もほとんどなく、労働時間が少ないにも関わらず、労働生産性は日本より高いとのデータがあります。
だからといって、残業時間を抑制さえすればすぐに今の日本で効果が得られるというものではないでしょう。
働き方改革を成功させるためには残業時間が減っただけでは意味がありません。
国の法律が整備され、企業によって職場環境が整えられると同時に、労働者の一人ひとりが意識を変えることが必要です。
これまでの日本経済が、高度成長期から長時間の残業によって支えられて来たことは否定できません。
しかし、ようやく始まった働き方改革が表面上の残業規則としての機能しか果たせない場合には、会社の体力を消耗させるだけで終わってしまいます。
企業側は、たとえ従業員の労働時間や残業時間が短くなっても社内の業績を上げる必要があります。
つまり、働き方改革は残業時間の短縮にとどめず、労働者にとって本当に必要なことを変革していかなければ意味がありません。
それぞれの企業が働き方改革で成果を上げるためには、残業時間が減っても社内の生産性を向上させる必要があります。
そもそも、「労働生産性」とは労働者一人あたりまたは1時間あたりにつき、どの程度の成果をあげたかのかを示す指標のことで、労働による成果を労働者数で割ったものです。
労働生産性=労働による成果 ÷ 労働者数
現在、日本は少子高齢化社会に突入しており、既に少しずつ労働者となる人々の人口は減少しています。
このような中で働き方改革によって残業を抑制しながらも生産性を向上させるためには、会社組織全体やその従業員一人ひとりが常に社内の生産性を向上させようと意識しなければなりません。
働き方改革を本当に必要な改革とするためには、国や企業が対策を講じる必要があります。
企業にとっては、社員の残業を減らす代わりに多様な働き方を検討して業務を分担したり、それぞれの部署に配属されている社員の状況に応じて仕事を調整できるようにしたりすることが重要です。
企業が労働者の残業が減り、労働者人口が減少しても影響を受けないようにするには残業ができない状況にある女性や高齢者まで労働者の枠を広げ、企業自体のスリム化やコストを抑制するなどの対策が有効です。
現在、国では働き方改革が単なる残業の抑制で終わらないよう、残業の上限規制によって対策する中小企業の事業主に対して業務改善助成金やキャリアアップ助成金などの対策を講じています。
働き方改革によって、これまで残業すれば何とか会社全体で回っていた仕事を短い労働時間で今後も続けて行くには、企業側が間労働や残業を前提にしていた仕事のあり方を見直し、時間を有効に使って組織の効率化を目指す必要があります。
しかし、残業せずに会社の生産性が向上するようにするには、労働者の一人ひとりが深い思考力で物事の本質をとらえ、さまざまな場面を臨機応変に対応することが求められます。
このとき、労働者である社員は個人という単位だけでなく、組織で働いていることを意識することが大切です。
そのために、働き方改革の一貫として労働者は同じ部署のメンバーと積極的にコミュニケーションを取って仕事をする上でチームワークを発揮できるようにしたり、効率化のために業務改善を行ったり、作業効率を上げるためにパソコンのスキルを習得したりするとよいでしょう。
残業時間が減っても同じ仕事を継続するためには、労働者もさまざまな角度から業務を効率化しようと意識していかなければなりません。
働き方改革によって、労働者が残業をしなくても労働生産性を向上させるためには、まず社内の労働環境を整えることが必要です。
それにはまず、現在の会社がどのような状態にあるのかということを改めて認識し、課題が何なのかを明らかにした上で対策を立てなければなりません。
具体的には、企業は就業規則や雇用契約書などに記載されている就業時間や有給休暇などについて確認し、社員がそれらの規則を守って働いているのか、実際にどれほど残業をしているのかなどを調べておくとよいでしょう。
働き方改革を進めるための第一歩として、今の社内の状況を知ることが大切です。
社員の現状を理解した上で働き方改革を成功させるためにも、企業は社員とコミュニケーションを取り、社員の労働状況や休暇の取得などが適切であるかについて調査しましょう。
この際、下記のようなストレスチェックを通じて、残業時間を減らすための具体的な課題を精査することが大切です。
1)職場で社員が残業をどの程度しているのか
2)残業しなければならないような仕事とは何なのか
3)残業が人手不足によるものなのか
4)残業を強いられる日常で有給休暇などを取得出来ているのか
このような社内のストレスチェックは、企業にとっても社員にとっても働き方改革を進める最初のステップとなります。
企業が残業を減らし、働き方改革を成功させるための現状の調査は、社員の生の声をいかに多く聞き出すことができるかにかかっています。
働き方改革は、企業だけでは効率的に進めることができないからです。
そのためにも、社員同士が気軽にコミュニケーションを図ることができ、残業を含めた労働状況や仕事量などについて活発に意見や発言を行えるようにする場が必要です。
そこで、働き方改革の足がかりとして、企業の福利厚生の1つである社食サービス「OFFICE DE YASAI(オフィスで野菜)」をオススメします。
会社の食の福利厚生として社食サービス「OFFICE DE YASAI」を導入し、社内環境を変える一歩として社員同士の交流の場を作り、コミュニケーションを活性化させ、働き方改革の第一歩を踏み出しましょう。
この「OFFICE DE YASAI」は、社内に専用の冷蔵庫や冷凍庫を置くだけで手軽に始められます。
しかも、社員同士がコミュニケーションを取るためだけでなく、社員の健康を管理・サポートし、人材を確保する上での会社のアピールにもつながります。
もし、「OFFICE DE YASAI」を設置すれば、社員が共通のスペースで健康的な食事を取りながら気軽に交流することができます。
オフィスの机をはさんでの会話のやり取りでは、上司と部下という立場上、残業のことや人手不足など会社への不満につながりやすいことについては話しづらいかもしれません。
特に、働き方改革など国の政策に関わる話題の場合や、自分の残業を含む労働状況について報告するような場合には社員も身構えてしまいます。
そこで、社食サービスの「OFFICE DE YASAI」を通じて食事を取りながら話をすれば、リラックスした社員から心の声が聞けるかもしれません。
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働き方改革を残業の抑制だけに終わらせず成功させるためにも、会社を変化させるきっかけとして「OFFICE DE YASAI」の導入を検討するとよいでしょう。
働き方改革が動き出した日本は、今後どのように変わっていくのでしょうか。
毎日の残業がなくなったからといって労働者が快適に働けるというわけではありません。
厚生労働省は、働き方改革が進められた場合の「働き方の未来2035年」を提言しています。
2035年には、AIやSNSなどの技術がさらに進化し、テレワークが推進されることによって「会社」という1つの場にとらわれない新しいコミュティが形成されて仕事をしているのかもしれません。
未来の課題は、もはや社内の残業時間を減らすなどの問題ではなく、目まぐるしい技術革新の中で人間がどのように働いていくかということに移っていくことになるでしょう。
しかし、働き方改革はまだ始まったばかりです。
この働き方改革を本当の意味で成功させるためにも、まず手始めに企業は残業を減らすために現状を把握し、労働者は意識を変えるところから始めて社内環境を整えることが必要不可欠です。
このように働き方改革を進めて社内の労働意識を変えていくためには、社員のコミュニケーションを活性化することがその第一歩を踏み出すことになるといえるでしょう。
働き方改革の一貫として、コミュニケーションのきっかけ作りに社食サービス「OFFICE DE YASAI」を導入してみてはいかがでしょうか。
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