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今回は、働き方改革を推進するサービスを展開されているエッセンス株式会社代表取締役社長の米田氏に、お話をお伺いしました。エッセンス社ではプロ人材の活用や「ナナサン」というサービスで、専門性を持った人たちの新しい働き方や働く場を提供しています。そんな米田氏が考える「プロ人材」とは?
■ゲスト(写真右)
エッセンス株式会社 代表取締役社長 / 米田 瑛紀氏 (以下、米田)
■インタビュアー(写真左)
株式会社KOMPEITO 代表取締役社長 / 川岸 亮造 (以下、川岸)
川岸: 今回は、働き方改革を推進するサービスを展開されているエッセンス株式会社代表取締役社長の米田さんに、お話をお伺いしていきたいと思います。エッセンスさんではプロ人材の活用や、あるいは「ナナサン」というサービスで7割現業で働きながら、残りの3割はベンチャー企業で働くという、いわゆる”ベンチャー留学”といった形で、専門性を持った人たちの新しい働き方や働く場を提供するという新しいサービスをやられています。まず最初にお伺いしたいのは、プロ人材を活用していこうというお話なんですけが、そもそも「プロ人材」とはどういった人を指すのでしょうか?
米田: そうですね、自称プロ人材みたいな人もいらっしゃいますし、大手上場会社の役員までなるとプロ人材だという方もおられます。しかし、私たちが定義しているのは、そもそもその分野においての専門性の高さ、深い知識と専門性があること。大事なのは、違った環境や会社でも再現性がしっかりと伴っていて、自分の強みがあること。違う会社でも、スキルを注入して半年〜1年経った時に自走できる方を「プロ人材」と呼んでいます。そして、2人2社以上の推薦でプロだったと認めてもらう必要がありますね。
川岸: では、自分自身でスキルを獲得してきたという自負があり、他社でも自走できる自己評価があるだけではなく、他者からの推薦があった上で「プロ人材」として認定されるわけですね。
米田: そうです、そうです。
川岸: では、そういった方たちが他社に行って、今まで得てきた知見を提供していくと思うんですが、そういった「プロ人材」の方は、ある種専門領域をずっと高めていらっしゃる。例えば研究職でいうと、一社の中で知見を高めて、技術フェローみたいな形でキャリアアップしていくという方もいますよね。そうではなくて、あえて他社で、自分が今まで得た経験を提供することもありますよね。では今、「プロ人材」の方はどんな働き方を望まれているんでしょうか?
米田: そうですね、なかなか深い質問ですね。まず、登録されているプロ人材の方々が大体1,000人弱です。登録される方のうち、生意気なのですが、私も含め経営陣が面談をし、6割くらいは正式登録をお見送りしているんです。登録されている方のゾーンとしては、30代が20%、40-50代で60%、60代の方が20%という構成比になっています。その中で、60代の人はほとんどが大手企業の役員を経験されていて、定年後のセカンドキャリアのためにご登録いただいています。そのため、ある意味常勤先を持っているわけではなく、今まで培った地位や力などを、複数社で顧問としてセカンドキャリアをスタートさせるということです。
川岸: 今までのキャリアを終えて、次の60歳からそのまま休むのではなくて、自分の力を使って働きたいというのが60代ということですね。
米田: そうなんです。60代の方々は、団塊の世代として高度経済成長を牽引されてきました。働いていない状態があると奥さんから、「え、なんで家にいるの?働かないとダメだよ。」と、熟年離婚が起こったりするわけです。そのため、生きがいとやりがいと社会貢献のために働く方が大体60代ですね。それで、40-50代の方は、外資のエグゼクティブの方々。結構高い報酬なんですが、意外と60歳以上まで働くというより、厳しく本国から問われ、ハードワークで疲れると。スタバの社長やアップルの元社長もね。とはいえ、そこまで行かれた方々は講演や書籍出版をしたり、エンジェル投資家になったり、そういった方々が多いですね。40代は私も含めてなんですが、今経営をしている専門分野の経営者として、他社も応援したい、自分の会社に生かしたいっていう。こういった社外取締役のような思考で、プロ登録をされている現役経営者の方々が多いです。もう一つのゾーンは、フリーランスとして、自分の知見を複数社でパラレルで価値提供したいという方が非常に多いですね。
川岸: では、基本的には40代の方は、経営者もしくはフリーランスとして働く方が多いということですね。なぜそういった方々は、そのような働き方をしたいと考えているのでしょうか?そこのモチベーションというか、根底の部分が気になります。
米田: 色々な理由があるのですが、特に多いのは、ヤフーや楽天、サイバーエージェントのIT系メガベンチャーの執行役員の方々は、当時は100人くらいの中でグッと伸びていくど真ん中を見てきて、1,000人、5,000人規模になってくると、ベンチャイズムはあるんだけれど、もう大きな組織になってしまっているということ。そうなるとやはり、あの100人くらいの伸び具合や苦しみが良かったと思っている方はいますよね。
川岸: 成長途中の汗をかいて仕事をしていたあの感じがたまらない!ということですね。
米田: そうです。その状態を常に維持しておきたいということですね。そういった方々が多いというのが、まず一つ目ですね。そういう方々って、やっぱりいろいろなところからヘッドハンティングで声がかかるわけですよ。そうすると、その人は複数社で学ぶことが複数倍の知恵と思考の成長になると考えている持ち主なので、たくさんの会社からオファーがかかる状態であれば、常勤じゃなくても価値提供を複数社に行うことが自分の成長と、複数の企業への価値貢献だと考えるわけです。いわゆるパラレルワークだったり副業だったり。一社常勤で経営をするというワークスタイル以外でも、フリーランスとして働く方が増えていますよね。ある程度自由に、好きな会社と好きな仕事に注力したい、という。会社が成長して役職がついてくると、部下の育成やマネジメント、組織の仕組み化など、やりたいこととやらなければいけないことにギャップが生じてくると。
川岸: そこで、ある程度やりたいことに立ち戻れるような働き方をしたいという方たちが増えていると。
米田: 当然そういった方に手伝ってほしいけど、そのクラスの人ってなかなかとろうと思ってもとれないし、仮にとれたとしても、元々もらっている年収を出すのは・・・みたいな難しさもありますよね。そのギャップを埋めるという点でも、プロとして働く人が増えている気がします。
川岸: 逆に、そういうプロの方々を育ててきた会社は、そういった方たちが他の場所で働くことで、メリットみたいなものはあったりするんでしょうか?
米田: そうですね。メリットかどうか難しいところなんですが、恋愛に例えると、「浮気しちゃダメよ」ってずっと強く厳しく抑制されると、なんか嫌じゃないですか(笑)もっと信頼をベースに、自分の個を大事にしてくれよ、と。
川岸: はいはい(笑)ここで激しく賛同してしまうと、あとで奥さんに怒られそうですけど(笑)
米田: 職業選択の自由はもちろん、育ててもらった感謝はあるけど、隣の芝生は青く見えて、試したくもなるし。それを尊重して、他社でも活躍することを認められる度量のある会社の方が良いんじゃないかと、やっぱり思いますね。やっぱりどれだけ大きな組織でも、一社の会社に新卒で入ると、その会社の文化やルールだったり、その会社の馴れ合いなど、この環境だから価値が発揮できるけど他ではできないかもしれない。そこで会社に守られていると、依存してしまう。会社が大変な状況になった、その時にご自身が気付くわけですよ。
川岸: ある種自由じゃないですけど、力試しだったり、他社への貢献だったり、そういう機会を会社として提供することで、本人としてもゆくゆくは自立して仕事ができるようになる。また、いろいろなところで得た知見や経験をフィードバックしてもらえる。逆に送り出す側としては、期待感があるということですね。
今回は、様々なフェーズのプロ人材についてお話を伺いました。次回、後篇では、「ナナサン」が提供する”現業7割、残りの3割をベンチャー企業で働く”という働き方について、深堀りしていきます。お楽しみに!
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