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わたしたちは現在、環境や経済活動など、多くの課題を抱えています。
グローバル社会といわれる昨今、もはや日本だけではなく、世界各国が協力しなければ、それらの解決は難しいでしょう。
2015年の国連サミットでさまざまな課題について具体的な議論が交わされ、その解決のために国際目標「SDGs」が掲げられました。
この「SDGs」への積極的な取り組みは、企業にとって非常に意義があります。
今回は、企業が「SDGs」に取り組む重要性と実践のプロセスや取り入れ方について、くわしく解説します。
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目次
SDGsとは、「Sustainable Development Goals」の略称で、日本語にすると「持続可能な開発目標」という意味です。
現代社会は、貧困や紛争、人種差別や気候変動などの課題が山積しており、このままでは世界中の人びとが地球で安心して暮らせなくなると懸念されています。
実は、2000年に国連サミットで採択された「国連ミレニアム宣言」を基に、2001年にこれらの問題に対するミレニアム開発目標「MDGs(Millennium Development Goals)」が掲げられました。
国際社会共通の目標「MDGs」は、貧困や飢餓の撲滅などを達成すべく8つの目標によって構成されたもので、2015年の期限達成までに一定の成果がありました。
「MDGs」の後継として、2015年9月に開催された国連サミットにより、地球上で暮らし続けられる取り組みとして掲げられた国際目標が「SDGs」です。
2030年までに世界各国の協力によって達成されることを目的とし、17の目標と、それを細分化した169のターゲットによって構成されています。
SDGsのほかにもCSRやESGの取り組みがあります。まず、この3つについて順を追って説明しましょう。
略称 | 正式名称 |
SDGs | Sustainable Development Goals |
CSR | Corporate Social Responsibility |
ESG | Environment Social Governance |
SDGsの正式名称は「持続可能な開発目標」という意味で、CSRの正式名称は「企業の社会的責任」と訳されます。
CSRは、企業に対し自社の利益だけでなく、社会に責任を持った行動を求める考え方です。
具体的には、倫理的な観点から企業が自主的に社会に貢献する責任のことで、従業員やユーザー、投資家や環境など幅広い対象への配慮が求められます。
ESGは、3つの名詞「Environment(環境)」「 Social(社会)」「 Governance(統治・管理)」の頭文字を取ったもので、企業の取り組みに対する指標を示しているといってよいでしょう。
たとえば、Environmentは二酸化炭素の排出や再生エネルギーの使用、製造工程における廃棄物など、Socialは人権問題やダイバーシティ、ワークライフバランスなどです。
また、Governanceには情報開示や法令遵守などが含まれ、個人情報の保護やコンプライアンスなどがこれに該当します。
SDGs・CSR・ESGは、いずれも社会や企業の持続性を高める目的で、お互いに深く関わっています。
SDGsとCSR・ESGとの大きな違いは、SDGsはより広い視点からの取り組みに関する目標であることです。
ここで、SDGsの具体的な17の目標を紹介しましょう。
SDGs |
1.貧困をなくそう |
2.飢餓をゼロに |
3.すべての人に健康と福祉を |
4.質の高い教育をみんなに |
5.ジェンダー平等を実現しよう |
6.安全な水とトイレを世界中に |
7.エネルギーをみんなに。そしてクリーンに |
8.働きがいも経済成長も |
9.産業と技術革新の基盤を作ろう |
10.人や国の不平等をなくそう |
11.住み続けられるまちづくりを |
12.つくる責任、つかう責任 |
13.気候変動に具体的な対策を |
14.海の豊かさを守ろう |
15.陸の豊かさも守ろう |
16.平和と公正をすべての人に |
17.パートナーシップで目標を達成しよう |
SDGsではこれら17の目標について、169のターゲットとして、それぞれに細分化した目標と実現するための方法が示されています。
企業がSDGsに取り組む重要性は、大きく分けて4つあります。
1つ目は、企業が世界的な取り組みに目を向けることが、自社のブランディングにつながるからです。
特に、環境問題や経済活動に関連するSDGsに対し、企業が自社の持ち味を活かした取り組みを推進すれば、社外からのブランドイメージも向上するでしょう。
たとえば、SDGs「5」「8」「9」などの目標は、企業とも密接に関わっています。業界によっては、「6」「 7」「12」などにも貢献できるでしょう。
企業が自社の強みや利益を考慮しつつ取り組みを遂行すれば、社会的な信頼度は向上し、ユーザーや求職者からのニーズも高まります。
2つ目は、企業におけるビジネスチャンスの可能性です。
SDGsの目標は多岐にわたり、そのうち1つでも自社のノウハウや持ち味を活かした取り組みができれば、新たなビジネスにつながるかもしれません。
自社の力だけでは無理でも、他企業の技術や行政の協力を取り込むことができれば、従来にはなかったビジネスにつながる可能性は十分あります。
3つ目は、企業にとって自社従業員のモチベーションにつながることです。
企業のSDGsへの取り組みには、従業員の積極的な参加が必要不可欠となります。
そのためにも、企業が従業員に対し、SDGsへの取り組み方を正確に周知することが重要です。
社会的な取り組みにどんな方向性で参加するのか、企業がその姿勢をきちんと示せば、従業員の働くモチベーションが高まります。
特に、各企業の特徴や専門分野を活かした取り組みができれば、従業員は日々の仕事を通じて「社会に貢献している」という満足感や達成感も得られるでしょう。
4つ目は、企業の取り組みが、自社に投資家を得るきっかけになるからです。
投資家が、どの企業に投資するかを検討する際、対象企業の社会貢献度は、判断基準の1つになります。
SDGsの目標は、裏を返せば「世界中でなかなか解決できない課題」を集めたものといってもよいでしょう。
企業の規模が大きければ大きいほど、SDGsへの取り組みは社会にも多大な影響を与えます。
そんな課題に真摯に取り組み、社会的に影響を及ぼすほどの企業への投資は、投資家にとっても多くのメリットがあるはずです。
今後、SDGsに積極的に取り組んでいる企業かどうかが、投資家を得る際の決め手となる可能性は、ますます高くなるでしょう。
SDGsへの取り組みは、企業が自社を発展させ、従業員の働くモチベーションを向上させるためにも非常に重要です。
ここでは、実際に行われている企業のSDGsの取り組み事例を紹介しましょう。
味の素株式会社は、食品会社の強みを活かし、SDGs「2」「3」を中心とした取り組みを推進しています。
具体的には、世界規模で栄養価や保存性の高い食品の流通を展開し、貧困層や乳幼児など、発展途上国の栄養改善プロジェクトを実施中です。
また、機能性食品の研究や開発など、高齢者の栄養問題への取り組みにも積極的で、飢餓の撲滅やすべての人の健康に大きく関わっています。
中外製薬株式会社は、がん領域の医薬品に関して、国内でもトップシェアを占めている製薬会社です。
その強みを活かし、SDGs「3」を中心に、実現に必要な4目標、基盤となる6目標を合わせた合計11の目標に対する取り組みが推進されています。
特に注目すべきは、取り組みがトップダウン型だけでなくボトムアップでも提案されたことです。
CSRには興味を示さなかった1人の社員が、「自社の利益を追求しつつ、社会に貢献できるSDGs」に衝撃を受けました。
この社員の熱意によって部門横断チームが結成され、理解を深めるワークショップや具体的なアイディアを募るコンテストが実施されています。
株式会社昆虫食のentomoでは、SDGs「13」を中心とする取り組みを推進中です。
具体的には、原材料となる養殖して昆虫食の製造過程で環境に配慮し、温室効果ガスの排出量の軽減に努めています。
パルシステム生活協同組合連合会は、自社の「作る」と「食べる」をつなぐ活動により、持続可能な資源循環型の社会づくりを推進しています。
2017年には、その取り組みが評価され、SDGsの達成に向けて優れた取り組みを行う企業や団体を表彰するジャパンSDGsアワードで、「SDGs推進副本部長賞」を受賞しました。
日本でも、積極的にSDGsへの取り組みを推進している企業は、確実に増えています。
ここでは、企業がSDGsを取り入れるための5つのアクションについてご説明します。
まず、自社のSDGsへの取り組みに関する方針の決定が必要です。このアクションが、取り組みの中で最も重要なポイントになるといっても過言ではありません。
2030年の達成が前提になっているため、どんなビジョンを持って取り組むのかを明らかにすることが大切です。
企業規模にもよりますが、自社に既存の部門以外に、担当者の選定やプロジェクトチームを結成するのもよいでしょう。
2つ目のアクションは、自社の事業との紐づけです。企業が発展するためには、SDGsへの取り組みを自社の利益につなげなければなりません。
各企業の事業内容や技術的な強み、地域社会の課題、実施した場合の効果やメリットなどをリストアップし、取り組みに係る分野とその到達点を明確化することが重要です。
3つ目のアクションは、具体的な取り組みの決定を実施することです。中小企業の場合には、投入できる人員や予算に限度があります。
10年を切ったとはいえ、2030年まで継続して推進するには、予算や内容面から取り組みやすく、従業員の協力を得やすいものにしなければなりません。
たとえば、SDGs「5」の達成に向けて、自社の「ライフワークバランス」や「育児休暇制度」を見直すなど、すぐにできることから始めてみましょう。
外部への発信も、大事なアクションの1つです。実践した取り組みは、写真やレポートなどを画像やデータで保存し、ホームページなどを通じて外部に発信していきましょう。
企業が自社の積極的な取り組みを周知すれば、ブランディングにもなりますし、外部からの社会的な信頼度も向上します。
また、取り組みに関する外部への発信が、新たな取引やビジネスチャンスにつながる可能性もあるでしょう。
企業が取り組みを行う際、社内で活用する福利厚生サービスにもSDGsを取り入れるのもおすすめです。
ここでは、SDGs「3」にもつながる食の福利厚生「OFFICE DE YASAI(オフィスで野菜)」について紹介します。
「OFFICE DE YASAI(オフィスで野菜)」は、設置型の社食サービスです。
オフィス内に専用の冷蔵庫を置くことで、従業員はいつでも手軽に栄養バランスの取れた食事ができます。
食の福利厚生を充実させれば、企業の「健康経営」にもつながるでしょう。
この「OFFICE DE YASAI(オフィスで野菜)」には、2つのプラン「オフィスでやさい」と「オフィスでごはん」があります。
「オフィスでやさい」は、フレッシュな野菜や果物を食材とするスナックやサラダ、ドリンク類が中心のプランです。
「オフィスでごはん」は、管理栄養士による監修のもとに考案された惣菜やサイドメニューを中心とするプランで、専用の電子レンジで温めればすぐに食べられます。
いずれのプランも新鮮で安全な食材が使用され、メニューも年間60種類と豊富です。
「OFFICE DE YASAI(オフィスで野菜)」も、SDGsへの取り組みを推進しています。
「『野菜』をオフィスに持ち込むことが『健康』につながる」というビジネスモデルは、単に企業の「健康経営」を促進するものではありません。
少子高齢化社会の日本で、企業が健康な人材を増やすことは、SDGs「8」「9」を実践しているともいえるでしょう。
また、原材料である地場野菜の活性化や地産地消への取り組みは、SDGs「12」にも深く関わっています。
今や世界中が「地球市民」として、地球を守るために協力しなければならない時代です。
SDGsへの取り組みは、企業にとって社会に貢献すると同時に自社の強みを再認識でき、従業員のモチベーションを向上させます。
各企業は、どんな取り組みを実践できるかを複数の観点から検討し、できることから始めていくことが大切です。
まずは、企業の「健康経営」を推進し、SDGsへの取り組みの一貫にもなる「OFFICE DE YASAI(オフィスで野菜)」を導入されてはいかがでしょうか。
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