福利厚生制度
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「部活」という言葉を耳にしたとき、多くの方が学生の姿を思い浮かべるのではないでしょうか。しかし、学校以外でも、会社が部活を設置していることがよくあります。
なぜ、会社は仕事をする場所なのに、部活を設けるのでしょうか。
本記事では、会社に部活制度を設けるメリットや、設立するポイントなどについて解説します。会社に部活制度を導入しようと考えている総務担当の方や経営者幹部の方は必見です。
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目次
会社で行う部活というと、駅伝やラグビーなどの実業団スポーツチームをイメージする方も多いのではないでしょうか。
企業の看板を背負って競技に参加し、業務と両立しながら鍛錬を続けるというような部活のことです。
スポーツチームの活躍によって、会社の認知度が上がるだけでなく、スター選手を輩出すれば、その選手を通して会社の情報が伝えられイメージアップも図ることができます。
しかし、会社で設置する部活とは、実業団競技のようなハイレベルなスポーツだけではありません。さらには、スポーツだけではなく、文化的な活動を行う部活も存在します。
会社には社員が余暇を楽しむような、さまざまな部活が存在するのです。
では、具体的に会社内に部活を設けるメリットにはどんなものがあるでしょうか。
社内に部活を持つことの主なメリットを3つ紹介します。
部活動を通して交流が生まれ、部員がどのような人なのか、理解を深めることができます。社員は業務を効率良くこなすロボットではなく、感情を持つ人間です。
部活によって社員同士のコミュニケーションの機会が増えることで、相手をチームメイトや同じ志を持つ仲間として認識するようになります。
このように同じ人と接する機会が増えるほど、その人に対して親近感や好感を持つことを心理学的にザイオンス効果(Zajonc Effect)といいます。接する機会が増えれば増えるほど、好感が増すことから「単純接触効果」とも呼ばれています。
会社内で何度も接している上に、さらに部活でコミュニケーションを図るのですから、社員同士はより親密になります。会社の業務がチームプレーを重要視するものであれば、特に、部活を持つことのメリットは大きくなるでしょう。
大きい会社であれば、社内にどのような人がいるかさえ把握することは困難ですが、活動を通して新たな出会いが生まれます。
たとえ小さな会社であっても、一つの部署だけで業務が完遂するような場合は、特にほかの部署との交流も多くはないでしょう。部活には、その取り組みに興味を持つ人や関心がある人が集まります。
特定の部署にそのような人が集まるとは限りません。部活があることで、会社内のさまざまな人との交流が可能になります。
日頃オフィスワークなどをしている社員は、どうしても運動量が少なくなります。部活で体を動かすことによって、筋力がアップし、血流も良くなり健康維持に役立ちます。
文化系の場合であっても、日頃の活動の成果を発表する展示会なども行えば、準備の買い出しや会場での接客など、普段はしない活動が増えるので、身体的な面でも健康効果を見込めます。
さらに、オフィスで常にPC作業に従事し、部署内のメンバーとしか関わる機会がない方にとっては、さまざまな人と関わることで、精神的な健康維持にも役立つでしょう。
これから会社内に部活を設けようと考えている場合、どのような部活を設ければいいでしょうか。
アウトドア・インドア、それぞれおすすめの部活を紹介します。
アウトドア系、運動系の部活のうち、メジャーなものを5つ、おすすめする理由を添えて紹介します。
■ゴルフ部
取引先との接待ではゴルフをすることも多く、若い社員であっても、ルールを覚え、プレーをしておきたい競技です。お金を出してゴルフレッスンに通うのもいいですが、会社にゴルフ部があれば、年長の社員から、手ほどきを受けながら上達していくことも可能です。
■野球部
草野球チームのように気軽に野球を楽しむ活動もあれば、地域の会社のチームのリーグ戦に出場するような力の入った活動もあります。同じユニフォームに身を包んで白球を追うことで、チームメイトとの一体感を味わうことができるでしょう。
■フットサル部
サッカー部を設ける会社もありますが、もう少し気軽にサッカーを楽しみたい人に人気なのがフットサル部です。プレイに必要な人数もサッカーの11人と比べると、フットサルは5人と少なく、メンバーも集めやすく、さらに大きなサッカー場が必要ないため、気軽にプレーできます。
■ボルダリング部
ボルダリングは短時間で集中力を磨き、達成感を感じられる競技です。手足を使って岩場をはっていく全身運動であるため、ダイエットなどの健康効果も見込めます。
■自転車部(サイクリング部)
最近、増えているのが自転車でサイクリングをする活動です。ツーキニストと呼ばれる、自転車で通勤する人も増えています。自転車は全身運動であり持久力のいる運動のため、身体が鍛えられます。
アウトドア系の部活は屋外で競技を行うため、外部の人も目にしやすいですが、インドア系の部活も会社には多く存在します。ここでは、インドア系の部活を5つ紹介します。
■写真部
日頃、マイカメラで撮りためた写真を互いに見せて感想を伝え合ったり、撮影旅行に出かけたりと、楽しめる部活です。テーマを設けて写真展を行い、社外の人に見てもらう機会を作るのも楽しいでしょう。
■美術部
写真部は写真を扱いますが、美術部は絵を扱います。他者の視点も取り入れながら、上達を目指して取り組む部活です。美術に携わりながら、美的感覚やイメージを形にする力を身につけることができます。
■音楽部
オーケストラのような大人数で取り組むものから、軽音楽部など、少人数で活動できるものがあります。他者と音を合わせることで、心が一つになる楽しさを味わうことができるでしょう。
■料理部
料理が好きな人だけでなく、食べることが好きな人も楽しめるのが料理部です。レシピや食材の選定時、実際の調理中などにコミュニケーションが生まれます。
「料理上手は、段取り上手」ともいわれますので、料理の腕の上達が、仕事の段取り上手につながる可能性もあります。
■ボードゲーム部
ボードゲームさえあれば、どこでもプレーができるので、仕事終わりでも気軽に楽しめます。ボードゲームをプレーしながら会話も弾むので、活発なコミュニケーションが期待できます。
会社内に部活を設ける方針がまとまったあと、重要となってくるのはどんなことでしょうか。社内の部活設立におけるポイントを3つ紹介します。
部活制度を作る目的を明確にすることです。「会社の部活にはメリットがあるから」と、ただやみくもに部活を作ればいいというものではありません。
たとえ設けられたとしても、方向性を見失い、徐々に衰退してしまう可能性があります。
社員にとって部活がどのようなメリットをもたらすのか、どんな効果を期待するのか、目的をはっきりとさせましょう。
部活の設立に必要な最低人数や、部長などの必要な役職配置、活動日時などの部活の要件を決めておきましょう。
部活の要件が設けられていないと、個人の趣味に偏った部活や同じ内容の部活が乱立し、収集がつかなくなります。
メリットを感じて部活を設けたのに、会社内に混乱を生じかねません。
会社で作られた部活に対して会社の施設の使用を認める以外にも、その活動費について会社が福利厚生費として支援するケースがあります。
日本経済団体連合会(経団連)が毎年、発表している「福利厚生費調査結果報告」によると2019 年度の「文化・体育・レクリエーション」項目の従業員1人1カ月あたりの福利厚生費は2,069円でした。
その内訳は「活動への補助」1,326円、「施設・運営」743円でした。
会社の規模や部活の活動状況にもよってきますが、毎月の支援としては、おおよそ1,000〜2,000円が適当といえそうです。
会社が部活制度を導入するときに注意すべきことは多々ありますが、大切なことを2つお伝えします。
部活を会社が設けるとしても、業務外での活動であるため強制参加などの制度は好ましくありません。
社内で社員同士が密にコミュニケーションを図って業務を進めているような場合は、社内まで同じメンバーでいることを好ましく思わない人もいます。余計なストレスをかけてしまうことにもなりかねませんので注意しましょう。
健康効果を見込んで部活を設けたのに、ケガや事故などの対応がうまくいかず、健康を損なっては本末転倒です。
部活動中にアクシデントが発生したときにどう対応するか、緊急体制も決めておきましょう。
また、会社の取り組みであっても労災は適用外のため、他の保険などでカバーしておく必要があります。このような対策をしておくことで社員も安心して参加できます。
人生100年時代となり、年齢にかかわらず、健康に対する意識が上がっています。長い人生の多くを元気で過ごしていたいと思うからです。
そのような社員の願望に応えたいと、部活制度のように健康増進や社内のコミュニケーション活性化につながるものを多くの会社が模索しています。
健康増進やコミュニケーションの向上を図ることを目的にした福利厚制度は、部活以外にも多くあります。ここからは、多くの方が利用でき、さらに手軽に始められる「食」に関わる福利厚生を紹介します。
部活制度にはメリットが多いことを紹介してきましたが、デメリットになるのは育児や介護中などで時間の取れない社員が参加しづらいことです。その点、食の福利厚生なら、ランチタイムや休憩時間に平等に利用できます。
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会社の1ヶ月の負担額は68,000円~(税別)、社員への販売価格は1個100円(税込)からと、両者にとっても始めやすい価格設定です。
部活制度の導入とともに体をつくる食の福利厚生の導入も検討し、より誰もが利用しやすい福利厚生制度を築くことをおすすめします。
社員が会社の部活で新たな自分を見つけたり、健康的になったりした上で、さらに仲間との交流を深められれば、より充実した会社員生活を送ることができるでしょう。
社員がキラキラと輝く姿をイメージしながら、会社の福利厚生制度を見直してみませんか。
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