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-2021.11.30.Tue

計画年休制度とは?知っておくべき知識やメリット・デメリットを解説

「ライフワークバランス」という言葉が世の中に定着してからだいぶ経ちますが、年次有給休暇を取りやすい環境になっているでしょうか。

ライフワークバランスの実現のためには、従業員がきちんと有給休暇を取得して心身をリフレッシュできるよう企業側の配慮が必要です。

本記事では有給休暇が取得しやすくなる計画年休制度の概要、企業が知っておくべき知識、さらに計画年休制度のメリットとデメリットについても解説します。

自社の従業員の有給休暇取得がなかなか進まないという企業の担当者の方は、ぜひ参考にしてみてください。

計画年休制度とは?

計画年休制度とは、従業員が有給休暇を取る日を前もって企業が決めることのできる制度のことを言います。付与された有給休暇の日数のうち、5日間を除いた日数を休むよう、会社側から指定できます。

例えば年次有給休暇が20日付与されている従業員であれば、15日までの日数分を計画年休制度の対象にできるということです。

計画年休制度については、労働基準法第39条第6項において、労使協定を結んだ上で利用できることが明記されています。

この制度には、企業から見たメリット・デメリット、従業員から見たメリット・デメリットの両方の側面があり、業務内容や企業のカラー、規模などによって導入の有無や運用上の工夫などが必要です。

有給休暇との違いは?

計画年休制度と有給休暇との違いについてですが、もともと計画年休制度とは有給休暇を取りやすくするために設けられたものです。

有休は従業員が好きな日にちで取ることができますが、計画年休制度はあらかじめ企業が決めた日しか取れない点が大きな違いと言えるでしょう。

計画年休制度を活用した有休の付与方法には次のようなものがあります。

【一斉付与方式】

企業または事業場全体が同じ日に計画年休制度を利用して有休を取らせるという方法です。

例えば製造業などでは、閑散期や取引先に迷惑のかからない時期に、一斉に工場の操業を止めれば、そこで働く従業員を一斉に休ませることができます。

企業側にとっては効率的に有休を消化してもらえるというメリットがあります。

気を付けなくてはならないのは、企業や事業場全体で休みにするときに、有給休暇の保有日数が足りない労働者がいる場合です。

この場合、特別有給休暇を付与する方法や、平均賃金の6割以上の休業手当を支払う方法で対応する必要があります。

【交替制付与方式】

一斉付与方式は販売業のように、シフト制で動いているような組織には馴染みにくいかもしれません。

このような場合には、交替制付与方式と言って班やグループ別に交替で計画年休制度を利用して有休を取る方法があります。

【個人別付与方式】

個人ごとに計画年休制度を利用して、有休を取らせる方法です。

誕生日や結婚記念日などのアニバーサリー休暇と組み合わせたり、個人的な都合に合わせて連休を作ったり、夏休みや年末年始の時期に長期休みを作ったりもできます。

なぜ計画年休を導入するのか?

そもそもなぜ計画年休制度を導入するのでしょうか。

背景には「有給取得義務化」が

計画年休制度が生まれた背景には、2019年4月から始まった有給休暇の取得の義務化があります。

日本においては、他国に遅れを取りながらも、近年ようやく政府主導で働き方改革が推進され、法整備もかなり進みました。それに伴って、ワークライフバランスの実現や生産性向上といった理由から、有休の取得率アップを目指す企業が増えてきました。

しかし未だに休みを取りづらい雰囲気があったり、休みを使わずに働くことがまるで美徳であるかのような社風が残っていたりすることから、有休の取得率が低い企業が多い現実もあります。

そこで有休を取得させることを企業の義務として、より強く打ち出していくために「従業員に年5日の有給休暇を取得させなかった場合には、従業員1人あたり30万円以下の罰金に処せられる」という罰則を設けたのです。

罰則が伴うため、企業としては従業員に有休を確実に取得させたいわけですが、これを従業員の自由に任せておくと本当に取得するのか分かりません。

万が一従業員が休みを取らなかった場合、企業が罰金を払うリスクを負うことになるわけです。そこで計画年休制度と言って、労使協定を結んだ上で企業側から半ば強制的に従業員に有休を取ってもらう制度を導入したのです。

計画年休制度の知っておくべきポイント

計画年休制度の概要、計画年休制度を導入する背景が見えてきたところで、実際に導入する際に知っておくべきポイントについてまとめます。

労使協定を結ぶ必要がある

計画年休制度を導入するためには、労働者の過半数で組織された労働組合や過半数の代表となる者と、企業との間で労使協定を結んで、次のようなことを決めておかなければなりません。

1.計画年休制度の対象者、非対象者

2.計画年休制度を利用する日数

3.計画年休制度を付与する方法

4.計画年休制度の対象となる年次有給休暇を持たない人の扱い

5.計画年休制度で定められた日を変更する場合

これら5つのことを労使で決定し、書面で労使協定を締結します。

給料について

計画年休制度とは有休を取ってもらうためにできた制度ですので、給料の扱いについても有給休暇と同じになります

なお、万が一やむを得ない事情があり、計画年休制度で定められた日に出社した場合には「有給休暇を取得せずに通常出勤した」と見なされるので、休日出勤手当を支払う必要はありません。

設定できる日数について

計画年休制度によって設定できる日数は、年次有給休暇のうち5日を超える分についてです。半日単位で有休を取ることも可能とされています。

計画年休の導入例

計画年休制度を導入する場合、どのように取得させることができるのでしょうか。

以下に具体的な導入例を挙げます。

導入例1:大型連休にするパターン

全社的に休みとなる、8月のお盆休みや年末年始の休暇の前後に計画年休を付与し、大型連休にするという事例です。

導入例2:ブリッジホリデーにするパターン

祝日や企業独自の休日などが飛び石の状態になっている場合に、その休日同士を橋渡しするような形で計画年休を付与し、3連休や4連休にするというパターンです。

ブリッジホリデーと呼ばれるこの方法では、ゴールデンウイークのような祝日の多い時期には10連休を作り出すことも可能です。

計画年休を取り入れるメリット

計画年休制度を取り入れるメリットについて、企業側からと従業員側で紹介します。

有給休暇取得率を上げられる

企業にとって計画年休制度を取り入れることの大きなメリットとして「有給休暇取得率を上げられる」ことがあります。

これは計画年休制度の目的でもあり、企業にとっては罰則金を取られるリスクを避けることにもつながります。

有給休暇取得に関する管理の手間が減る

計画年休制度には、取得率をアップさせるだけでなく「有給休暇取得に関する管理の手間を減らす」メリットもあります。

例えば、なかなか有給休暇を取得しない従業員がいる場合、管理する側は有給休暇の残日数を気にかけつつ、繁忙期を避けるなどして取得をプッシュする必要があります。

これは有休を管理する側にとって大きな負担になるでしょう。しかし計画年休制度を導入していれば、最初に決められた時期に決められた日数分を消化してくれるため、管理する手間が減るというわけです。

任意のタイミングで休んでもらうことができる

企業にとってのメリットとして最後に挙げたいのが「任意のタイミングで休んでもらえる」という点です。

従業員に有給休暇取得のタイミングを任せていると、繁忙期に有給休暇を取得されて他のメンバーにしわ寄せがくるなど、業務に支障をきたす場合があります。

計画年休制度を導入していれば、繁忙期を避けたりシフトに影響の少ない形を取ったりすることで、業務に支障をきたすことなく休んでもらうことができます

また繁忙期などの波がない場合や、個別付与方式であったとしても、あらかじめ誰が何日に休むのかを把握していれば、チーム内での業務の割り振りなどを効率的に行えるでしょう。

【従業員側】抵抗なく休みやすい

計画年休制度は企業にとってメリットが多いように見えますが、実は従業員にとってのメリットもあります。

それは「抵抗なく休みやすい」ことです。

計画年休制度は、あらかじめ「この日は有給を取得する」と決められているので、従業員が好きなタイミングで有給休暇を申請するよりも休みを取りやすい雰囲気になります。

特に古い体質の企業などでは、周りの目を気にして有給休暇を取得しづらい場合がありますが、計画年休制度の導入により抵抗感が減った声が多いようです。

計画年休を取り入れるデメリット

次に計画年休制度のデメリットについても言及しておきましょう。

労使協定締結の手続きが必要

計画年休制度のデメリットの一つが「労使協定締結の手続きが必要」であるということです。決定した有給休暇の日を会社都合でずらしたいという場合には、もう一度労使協定を締結しなくてはならず、企業にとっては事務手続きの手間がかかります。

【従業員側】取得日を自由に決められない

従業員側にとっての計画年休制度のデメリットは、何と言っても取得日を自由に決められない点です。

土日祝日が休日の場合、役所に行く用事などができて平日に有給休暇を取りたいということがあると思いますが、計画年休制度を導入していると、企業と労使協定を締結して決めた日に有給休暇を取らなくてはなりません。

柔軟性がない点が、従業員にとっての計画年休制度のデメリットになるかもしれません。

ただし年間5日間以上は計画年休制度に当たらない有給休暇を残すように定められていますので、体調不良や家族の事情など突発的な事由に関しても、ある程度対応できる余地はあります

まとめ

働き方改革の推進に伴い、計画年休制度の導入など従業員が働きやすい環境づくりを企業が進めていくことが大切です。

働きやすい環境づくりとともに何と言っても不可欠なのは、企業を支える従業員の心身の健康の維持です。

そのための福利厚生の導入についても、企業はしっかりと考えていく必要があります。

従業員の心身の健康を支える福利厚生として、手軽に導入できるのが食の福利厚生です。

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食の福利厚生は従業員満足度が高く、新規従業員を雇用する際のPRになったり、すでに働いている従業員のモチベーションのアップにもつながるでしょう

ライフワークバランスの実現のためには、計画年休制度で有給休暇の取得率を上げ、リフレッシュしてもらうことはもちろん重要です。

同時に、出社しているときについても、毎日継続して野菜を摂取してもらうことで従業員の健康を支えることができます。

食を通して従業員の心身を健康に保つことのできる「 OFFICE DE YASAI(オフィスで野菜) 」の導入をぜひ検討してみてはいかがでしょうか。

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