福利厚生制度

-2019.12.23.Mon

福利厚生の導入にかかる費用とは?相場や経費計上のポイントなど

福利厚生をしっかりと充実させることで、社員の働きやすさや就労環境を良くしたい、そう考える経営者も多いでしょう。

多様な福利厚生サービスが登場し、注目されるなか、自社にはどのような福利厚生を導入すれば良いのか、導入の際にどのくらいの費用が必要なのか・・・。

新しく福利厚生の導入を検討するにあたって、その費用の相場は気になるところです。

今回は、福利厚生の導入にかかる費用の相場や、福利厚生費として計上するポイントをご紹介します。

 

福利厚生費とは?

福利厚生とは、企業が自社の社員に対して提供する給与以外のもので、福利厚生のために現金や現物支給で提供されるもの、それらにかかる費用を指しています。

福利厚生には「法定福利」と「法定外福利」の二種類があり、その内容によって分類されます。

 

「法定福利費」と「法定外福利費」に分類される

福利厚生は「法定福利費」と「法定外福利費」の二種類に分けられます。

法定福利費は、「全ての社員に対して企業が用意しなければならないと法で定められた福利厚生」にかかる費用です。

・雇用保険
・健康保険
・介護保険
・労災保険
・厚生年金保険
などの提供が法によって義務付けられています。

一方、法定外福利費は、企業が任意で用意する福利厚生にかかる費用のことです。

企業独自の福利厚生の内容があり、企業によって特色が出るため、求職者にとっては企業の働きやすさを比較する際の参考にできるでしょう。

近年では、法定外福利費を企業のブランディングに利用するケースも増えており、労働人口減少に伴う人員不足を解消するための手法としても注目されています。

法定外福利費のうち、主に自社で提供するものの例として、

・住宅手当や家賃補助、社宅の提供など住宅関係の補助
・交通費や通勤費
・定期健康診断や予防接種補助
・育児や介護に関する補助
・食事補助
などが多く用意されています。

上記のほか、外部の施設やサービスを使って提供する福利厚生もあります。

・旅行や宿泊、遊園地などのレジャー補助
・スポーツクラブの割引
などが多く利用されています。

 

節税効果がある

福利厚生は社員の意欲の向上や、人材確保を目的に提供することが多いですが、実は節税効果もあります。

そのため、社員だけでなく実は企業にとっても大きなメリットがあります。

福利厚生は「役員を含めた全ての社員の福利厚生を目的として、給料・交際費以外の間接的給付を行うための費用科目」という定義がなされています。

この定義に当てはまる福利厚生のための費用は、上限なく経費計上することができます

また福利厚生を利用した社員は、所得として課税されないので、その分の社会保険料などを支払う必要がありません。

福利厚生の利用は、社員と企業の双方にメリットがあるのです。

 

しかし、福利厚生にかかった費用として経費への計上が認められなかった場合は、かかった費用に対して下記のような処理の対象となるため注意が必要です。

現物支給と判断された場合:社員の所得として源泉徴収されます
企業の交際費として判断された場合:課税対象となります

福利厚生の費用として妥当でないものを計上してしまうと、後々、追徴課税を請求されるケースもありますので、福利厚生費の経費計上は必ず正確に行いましょう。

 

福利厚生の費用相場

一般社団法人日本経済団体連合会は、『2017 年度福利厚生費調査結果の概要』において全産業を対象とした福利厚生費の調査結果を発表しています。これによると、その費用は社員1人につき1ヵ月当たり108,335円となっています。

この金額は前年度と比べて低くなっており、全国的に福利厚生にかける費用は縮小傾向となっていることが分かります。

項目別に福利厚生費の増減をみると、ほとんどの項目は減額していますが、子育てや介護に関連する項目は増額しています。

参考:2017 年度福利厚生費調査結果の概要
https://www.keidanren.or.jp/policy/2018/103.pdf

 

このことから、多くの企業が
・現代のニーズに合わせた福利厚生を模索している
・一方で、福利厚生にかけられる費用は限られている
という状況が浮かび上がってきます。

利用率の高い福利厚生を厳選することで、社員の満足度が上がるだけでなく、費用も抑えることができるのです。

企業のコストパフォーマンスに深く関わることですので、今後、新しい福利厚生の導入を検討している場合は、自社の社員が何を求めているのか、そして、費用や種類、内容をよく検討することが重要です。

 

福利厚生費と交際費の違い

交際費とは、クライアントや顧客など、事業に関係のある相手に対して使用した費用のことです。

主に、接待や冠婚葬祭、贈答品などに使用した費用のことで、福利厚生費とは別の項目となります。

一方、法定外福利費と呼ばれる福利厚生費は、自社の社員向けの制度や設備で必要となった費用が対象となります。

つまり、交際費は会社外の相手に対して使用した費用、福利厚生費は社員に対して使用した費用のことを指します。

 

福利厚生費と消耗品費の違い

消耗品費とは、定期的に使用される物品で、一般的に業務に関わる消耗品にかかる費用を指します。

また、消耗品費として計上する場合は、使用できる期間が1年未満、あるいは金額が10万円未満という要件があります。

福利厚生費との違いは、業務に関わるかどうかという点です。

 

福利厚生費用として計上するための条件

福利厚生費を経費として計上するためには、下記要件を満たす必要があります。

・全ての社員が対象となっていること
・適当と思われる金額の範囲内であること
・社内規程で明確に金額を示していること

これらの条件が全て満たされていた場合に経費計上が可能となり、法人税の節税対策になります。

福利厚生を新しく導入する場合は、社内規定を変更して金額を明示しましょう。

全ての社員が対象となっていることが条件のため、マネージャーだけを集める忘年会や新年会など、一部の社員が対象のものは福利厚生費にはなりませんので注意が必要です。

また、「適当と思われる金額」を設定することが非常に大切です。

常識を外れた金額になると、税務調査の際に「福利厚生」ではなく給与である、と判断されてしまうことがあります。

税務調査の際に、調査員の理解が得られる説明ができるように、福利厚生の費用を決めましょう。

 

福利厚生にかける費用の相場

福利厚生にかける費用の相場については、『2017 年度福利厚生費調査結果の概要』の2017年度福利厚生費等の項目別内訳(従業員1人1ヵ月当たり、全産業平均)で発表されています。

こちらの章では、費用の相場を紹介しますので、前述した「適当と思われる金額」の参考にしていただければと思います。

 

食事補助

食事補助の費用は、社員1人1ヵ月当たり平均1,571円です。

食事補助は、福利厚生の費用として計上するための要件が詳細に決まっており、

・食事代の半分以上(50%以上)を従業員が負担していること
・会社が負担した食事の費用が月3,500円以下であること

の2点を満たす必要があります。

1ヵ月に20日働く場合、1日当たりの会社の負担額は175円が上限となります。

 

一方で、残業者や当直者などへ夕食や夜食を支給する場合は、無料で支給しても給与として課税しなくてもよいことになっており、現物支給に限り原則として全額を福利厚生費に計上できます。

ここでのポイントは現物支給という点です。

社員が一時的にでも食事代を立て替えた場合は、早急に会社へ領収書を提出し、精算を行う必要があります。

なお、ここでいう食事の価格とは、

・弁当などを取り寄せている場合は、業者に支払う金額
・社員食堂などで会社が作った食事を支給している場合は、食事の材料費や調味料など食事を作るために直接かかった費用の合計額

を指します。

 

飲食費に関する区別

飲食の費用は支出の目的によって、交際費、会議費、福利厚生費に分けられます。

社員に食事を支給した場合は、前述した条件を満たすと福利厚生費に区分されます。

では、接待交際費や会議費に区分される飲食の費用について解説していきましょう。

 

交際費:
クライアントや顧客など事業に関係ある人の為に支出する費用のこと

会議費:
会議のための室料や資料代、食事代、お弁当などの費用のこと

 

交際費と言えば、クライアントなど社外の人との交流にかかった費用というイメージが強いですが、会議に当たらない社員だけの飲食も交際費に当たります。

しかし、「会議」の定義が決められていない点が判断の難しいところ。

お酒を交えつつ仕事の話をすることは、広い意味での会議に当たるのではないかと考える人もいるでしょう。

そこで1つの基準となるのが、いわゆる「5,000円ルール」と呼ばれている会議費と交際費を分けるためのルールです。

・社員だけの飲み会は1人5,000円以下でも交際費として計上しなければならない
・社外の人との飲食費は1人5,000円以下であれば、会議費として計上できる

このルールを適用する際の注意点があります。

会議のための会場利用料やプロジェクターレンタル代、会議中に提供する弁当や飲み物などの飲食代は会議費として計上することができますが、この場合の飲食費も1人3,000円程度が妥当と言われています。

 

通勤関連

通勤関連の費用は、社員1人1ヵ月当たり平均9,030円です。

通勤関連の費用は正社員やパート、アルバイトに関わらず計上することができ、その費用は社員の所得として算定されますが、一定限度額までは非課税扱いとなります。

例えば、電車やバスを利用している場合、月15万円までは非課税となりますので、交通費を支給されている社員の多くは非課税となるでしょう。

また、マイカーや自転車通勤の場合、片道の距離によって非課税交通費の限度額が決まっています。

 

出張手当

企業において、社員の出張は重要な事業活動の1つです。

クライアントや顧客との打ち合わせなどで、出張することがあるでしょう。

業務上必要な出張には、福利厚生費として出張手当を支給できます。金額については「社会通念上、相当な金額」と定められているだけで、具体的な上限金額は決まっていません。

しかし、およその相場は決まっており、役職などで費用を変える場合もあるようです。

【日帰り出張の相場】2,000円~5,000円
【宿泊出張(国内)の相場】2,000円~5,000円
【宿泊出張(国外)の相場】4,500円~6,000円

税務上の処理で、交通費や宿泊費などの費用を適切に処理することは意外と大変な作業です。

そこで必要となってくるのが、出張旅費規程です。

予め細かい規程を作っておくことで判断基準を定められるだけでなく、税務調査の対策にもなります。

 

社員旅行

福利厚生費の1つである社員旅行についても、常識の範囲内で経費計上することができます。

ただし、福利厚生費として計上するためには条件があります。

・全社員の50%以上が参加
・旅行期間が4泊5日以内

社員数が多い場合などは、部署や支店ごとで参加人数を判断します。金額については定められていませんが、一般的には1人当たり10万円までと言われています。

 

住宅関連

住宅関連の費用は、社員1人1ヵ月当たり平均11,436円です。

住宅関連の費用は、廃止する企業が増えてきているようです。

理由としては、社員の所得として計上されるため、

・企業側の社会保険料支払い額が増えてしまう
・社員側の給与所得が増え、所得税額が増えてしまう
などがあげられます。

また、外資系企業には住宅補助の概念がないというのも理由の一つです。より社員のニーズが高いものに費用をかける企業が増えてきました。

 

健康診断費

国税庁が公表しているQ&Aには、以下のように記載されています。

「一定年齢以上の希望者は全て検診を受けることができ、かつ、検診を受けた者の全てを対象としてその費用を負担する場合には、給与等として課税する必要はありません。」

このQ&Aをふまえて、福利厚生費として計上できる健康診断費は、以下のような要件を満たしている必要があると判断されています。

・全社員を健康診断の対象とする(一定年齢以上の希望者でも可)
・検診を受けた社員全員分の費用を企業が負担する
・社員の健康管理をする上で必要とされる常識の範囲内の費用

そもそも、事業者は労働者に対して、医師による健康診断の実施が労働安全衛生法66条により義務付けられています。

そのような背景から、健康診断費は福利厚生費として検診費用を計上できるようになっており、1人当たり10,000円~15,000円が相場のようです。

 

慶弔見舞金

慶弔見舞金の費用は、社員1人1ヵ月当たり平均595円です。

慶弔見舞金とは、従業員やその家族の

・結婚や出産などの祝い事
・死亡や傷病、被災などの弔い事
などが対象となります。

慶弔見舞金は福利厚生として提供している企業が大半ですが、その金額は企業によって差があります。

また、同じ企業内でも勤続年数や役職の有無などによって金額が変わる場合が多く、金額の相場が約1万円から10万円と幅広いのが特徴です。

社員の勤労意欲を上げる要素として期待でき、また離職に歯止めをかけるきっかけになることが多いため、多くの企業が提供しています。

 

部活動などへの補助

次に福利厚生費として注目されている部活動などへの補助費用について説明します。

日本経済団体連合会の2018年度福利厚生費調査結果によると、当項目の金額は前年度から4.8%増加しており、その注目度が伺えます。

業務時間外にオフィスから離れたところで活動を行うメリットは、以下のようなものがあげられます。

・社員同士のコミュニケーションの場を増やすこと
・仕事のモチベーションにつなげること
・他部署との交流のきっかけになること
・ビジョンや方針を共有し社内に一体感をもたらすこと

社員のコミュニケーションやモチベーションの向上といった効果が期待できるだけでなく、その費用が福利厚生費として計上できる点が、注目されている理由でしょう

ただし、部活動などの費用を福利厚生費として計上するためには要件があります。

・全社員が対象である
・常識の範囲内の費用
・現金支給ではない

福利厚生費として計上する場合は、これらの要件を最低限満たす必要があります。

部活動の相場は特に定められていませんが、1人1か月当たり500円~1,500円が相場のようです。

 

給与課税の条件に注意

福利厚生にかかる費用が全て福利厚生費となり、非課税になるわけではありません。

これまでにも紹介してきた通り、福利厚生費として計上するためには要件があります。

次のような場合、福利厚生費として計上できない可能性が高いので注意しましょう。

・特定の社員のみが対象
・一般常識の範囲を超えた費用
・レクリエーションなどでの賞金(現金支給)
・税法上の規定額を超えた費用

課税対象になってしまう=悪いこと、というわけではありません。課税を考慮しながら福利厚生を提供することは、企業を運営する上でとても重要です。

福利厚生の第一の目的は企業の成長、社員の成長です。

社員のニーズと企業の経営状況をすり合わせつつ、課税・非課税のバランスをとることが大切でしょう。

 

費用を抑えて福利厚生を導入するには?

費用を抑えながら社員満足度を高めるためには、福利厚生の質を上げることが一番の近道です。

あまり利用されない福利厚生を廃止し、利用率が高いものに絞っていくだけでも費用を抑えることができるでしょう。

そのため、年代ごとに利用率が変わるようなものを提供してるだけでは不十分と言えます。

では、どの世代にも利用される福利厚生は何でしょうか。

 

その1つは食事補助です。

一般的に多くの人が仕事中に食事を摂るため、食事関連の福利厚生は利用率が高くなる傾向にあります。

食事関連の福利厚生は、大企業など「資金がある企業でしか提供できない」というイメージがありますが、なかには中小企業でも手軽に導入できるサービスもあります。

ここでは、手軽に導入でき、費用があまりかからない食事関連の福利厚生について紹介します。

 

中小企業でも導入しやすい福利厚生

中小企業でも導入しやすい福利厚生の1つとして、ここではカフェテリアプランを紹介します。

カフェテリアプランとは、福利厚生がカフェのメニュー表のようになっており、社員は自由に利用したい福利厚生を選ぶことができます。

一人暮らしや実家暮らし、既婚者や子供の有無など、働く社員の年代や環境は様々です。そのため、社員一人ひとりに合わせた福利厚生を提供することが難しくなってきています。

そのような背景からカフェテリアプランのように、幅広い年代が利用できるものを提供する企業が増えてきました。

一番の特徴は、企業がニーズの高い福利厚生を選べるという点でしょう。

人気の高い福利厚生を残し、利用率の低いものは変更していくことで、社員のニーズに合わせた福利厚生のメニューを作ることができます。

社員はそれぞれポイントを付与され、ポイントを使って利用します。

スポーツジムの補助は必要ないが、レジャーの補助は利用したいなど、社員の環境によって自由に選べるため、より満足度が高くなります。

 

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生活習慣病だけでなく精神疾患も予防することができ、社員の欠勤による業務の遅れや、病院受診のための保険料支払いを軽減することができます。

もちろん、条件を満たしていれば福利厚生の費用として経費計上ができますので、法人税の節税効果も高くとてもオススメです。

 

まとめ

「福利厚生の導入にかかる費用とは?相場や経費計上のポイントなど」について紹介しました。

福利厚生を費用として経費計上するためには、一定の条件があります。

食事関連は国税庁から上限金額を設定されているため、その範囲を超えないように設定することが大切です。

「OFFICE DE YASAI(オフィスで野菜)」は企業負担額が
・オフィスでやさいプラン:月額4万円~
・オフィスでごはんプラン:月額2万5千円~
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導入しやすい金額ですので、
・社員の満足度の向上
・企業の節税効果
・企業ブランディングによる社員確保
などを目的に検討してみてはいかがでしょうか。

 

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