企業の健康経営

-2020.01.21.Tue

健康経営を自社に導入するには?方法や目標の定め方、注意点を解説

健康経営という言葉をご存知でしょうか?

経済産業省によると、「健康経営」とは、従業員等の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に実践することとされています。

引用:https://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/healthcare/kenko_keiei.html

社員へ健康投資を行うことで、企業の生産性を向上させ、業績の向上や将来の企業価値の上昇に繋げることが目的です。

本記事では、健康経営の必要性や健康経営を導入する方法、また目標設定の注意点を解説していきます。

手軽に導入できる方法もご紹介していきますので、自社の健康経営の導入を検討している場合には参考にしてみてください。

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高まる「健康経営」の必要性

2019年4月より「働き方改革関連法」が順次施行されたことにより、健康経営の必要性はますます高まっています。

健康経営の必要性が高まる理由には、次のような背景があります。

・労働人口の減少に伴う人手不足

日本では少子高齢化が深刻化し、労働人口の減少が年々問題となっています。
労働人口の減少から、人手不足で困っている企業も多いのではないでしょうか。
政府の発表によると、日本の労働人口は、2040年には2017年に比べて20%減少すると言われています。
人口が減少していく中、人手不足を補うためには、社員ひとりひとりに、健康で長く働いてもらい、生産性を維持していく必要があります。
健康経営の必要性が高まる背景には、日本の労働人口の問題があるのです。

・長時間労働

「働き方改革」にあるように、働きすぎによる心身の疾病などは防ぐべきものとして、長時間労働など無理な働き方が問題視されています。
仕事量や残業時間の見直しなど、労働環境を整え、社員の健康状態を良好に保つことは今後ますます重要になるでしょう。

・医療費の増大

高齢化により、日本の医療費は年々増加しており、厚生労働省の発表によれば毎年過去最高額を更新しています。
健康で働き続ける人が増えれば、日本の医療費削減に繋がることが期待できますね。
また、企業においても社員が健康になれば、病気療養で通院する社員や長期療養中の社員が減り、企業が支払う医療費を削減することもできます。

このように、健康経営は日本の労働力の問題や、企業の人手不足を解消し、生産性を維持するうえで、重要な取り組みとなっています。

また、健康経営を導入すると、次のようなメリットが考えられます。

・生産性の向上
・企業価値の上昇
・企業イメージの向上
・疾病による離職者の減少

健康でいきいきと働く社員が増えれば、社員ひとりひとりの生産性が向上するため、企業全体で生産性の向上が期待できますし、企業の生産性が向上すれば、将来的な企業価値の上昇にも繋がります。

健康経営を導入していることを対外的にアピールすれば、社員の健康を気遣う良い会社として、企業のイメージアップに繋げることも可能です。

就活生に、社員を大切にしてくれる会社という良いイメージを持ってもらえれば、人材採用にも効果的ですね。

このように、健康経営は企業としてもメリットの多いものとして導入が進められているのです。

健康経営の「目標」とは?

社員の健康は業績と違い評価するのが難しく、いざ健康経営を導入しよう!と思っても目標設定に悩む場合もあるのではないでしょうか?

健康経営の導入にあたり目標を設定する場合には、数値目標など導入後の変化が定量で確認できるものがベターです。

以下より課題の設定方法や、目標設定の注意点などをご紹介していきます。

まずは自社の健康課題を見極めよう

健康経営を導入する場合、まずは社員の健康課題を把握することが必要になります。

定期健康診断やストレスチェックの結果、残業時間や休業者の情報など、社内で集められる情報を収集すると同時に、健康保険組合が保有する医療費の情報など、収集可能な健康に関する情報を集め、自社の課題を洗い出すことからスタートします。

健康に関する様々なデータが集まると、医療費が年々高くなってきている、特定の部署に休業者が集中しているなど、社内の健康課題を明らかにすることができます。

課題を捉え間違えると、その後の対策がまったく無意味になってしまいますので、課題設定は慎重に行うことをおすすめします

曖昧な目標では効果が見えづらい

洗い出した健康課題をもとに、健康経営を効果的に導入するためには、詳細な目標を定める必要があります。

「曖昧な目標」の例としては、次のようなものが考えられます。

・企業のイメージアップ
・社員のモチベーション向上
・医療費の削減
・生産性の向上 など

これらを詳細な目標に落としていくと、例えば「生産性の向上=1時間あたりの製造数を2%増やす」や「医療費の削減=年間10%削減」などとなります。

このように具体的な数値目標を設定することで、導入後の評価軸が明確になり、効果を可視化しやすくなるのです。

細かい目標を複数立てる

また、目標を立てる際には細分化された目標を複数立てることをおすすめします。

例えば「社員の健康状態の向上」という大目標を置いた時、以下のような項目が考えられます。

①健康診断の受診率アップ
②健康指導の実施率アップ
③喫煙率の減少
④飲酒量の減少
⑤運動習慣の増加
⑥就寝時間の延長 など

①や②については、健康経営を導入後、企業の施策が機能しているかどうかを測ることができます。

③~⑥は施策が社員に浸透しているか、それにより健康状態が改善しているかを測る指標となります。

これらは、社員へのアンケート実施などで比較的容易に、また定期的に確認することが可能なので、健康経営導入後の目標としやすいものと言えます。

「健康優良法人認定」などの活用も

健康経営の導入には、経済産業省が認定している「健康経営優良法人認定制度」を活用する方法もあります。

これは、健康経営を導入している企業に対して社会的に評価をする制度で、「健康経営優良法人」に認定されると、金融機関からの借入金利が優遇されるなどのメリットがあります。

「健康経営優良法人認定制度」では、企業規模別に経済産業省が定めた認定基準が設けられているため、これを健康経営を導入する際の目標設定の指針にすることも可能です。

ただ、認定基準にとらわれすぎると、本来の目的を見失ってしまうこともあります。

あくまでも「健康経営優良法人認定制度」は健康経営のプロセスのひとつとして捉え、自社の課題と向き合いながら正しい目的のもと導入を進めていきましょう

目標を立てる際の注意点

健康経営を導入する際に陥りやすいポイントとして、目標設定が高すぎる、計画に無理があるなど、導入成功に繋がりにくい目標を立ててしまうことがあります。

健康経営を導入し目標を立てる際には、以下の点を意識しましょう。

すぐに結果を出そうとしない

健康経営は、導入したからといってすぐに結果が得られるものではありません。

短期的な計画で結果を得ようとすると、無理な取り組み方になりやすく、継続が難しくなってしまいます。

例えば、喫煙率を下げるためにいきなり社内を全館禁煙にしても、社外での喫煙本数が増えたのでは意味がありませんね。

いきなり禁煙とするのではなく、まずは管理シートやアプリなどを利用して喫煙本数を意識できる仕組みから始めるのがおすすめです。

この場合も、1日の喫煙数ではなく1週間や1ヶ月など、長い期間で区切りながらトータル数を徐々に減らすことから始めると取り組みやすいのではないでしょうか。

また健康経営の導入によって見込める生産性アップや業績向上も、すぐには効果を感じられないかもしれません。

健康経営がうまくいっている企業でも、導入当初は業績が落ち込んだものの、長く取り組んでいくうちに少しずつ右肩上がりになり効果を実感することができたという事例は多くあります。

このように、健康経営は短期では結果は出ないことを念頭において、長期的に無理なく続けることで、徐々に効果を感じることができるようになるでしょう。

長期スパンで計画を立てる

先ほど健康経営は長期的に取り組むことが結果に繋がる、とご説明しました。

例えば健康診断受診率アップや喫煙率減少を目標とした場合、以下のように年単位で段階的に考えると、成果につながりやすい計画を立てることができるでしょう。

・現状から、最終的に何年後に何パーセントになることを目標とするのか
・そのためには1年後や3年後に何パーセント達成しておきたいか

その後、設定した目標を軸に年間計画を立て、具体的な中間目標を月間計画に落とし込むと、無理のない導入ができ、健康経営の成功に繋がりやすくなります。

また長期的な計画は、実行していくうちに課題やズレが生じることもあるかと思います。

そのため、定期的に現状や課題点をチェックし、都度計画を修正していくことが必要となってきます。

健康経営を導入した後、計画や取り組み方を細かくアップデートしながら継続することで、目標達成がより現実的になってくるのではないでしょうか。

健康経営の導入で失敗するパターン

落ち込む社員たち

健康経営を導入したものの失敗してしまったという場合、どのような原因が考えられるでしょうか。

ここでは、健康経営の導入で失敗しやすい3つのパターンについてご説明していきます。

健康意識の「押し付け」

健康経営を導入する際、健康に良いとされる方法や考え方をそのまま取り入れたとしても、自社の組織風土や社員の要望にマッチしていなければ効果が出にくく、失敗に繋がりやすくなります。

例えば、適切なウォーキングは体質改善だけでなく、集中力を高めるなどの生産性アップに繋がる効果も期待できます。

そこで健康促進と午後の作業効率アップを兼ねた健康経営の取り組みとして、昼休みを延長し、ウォーキングの時間を導入したとします。

「健康のためにウォーキングを習慣付けたい」と考えている社員にはとてもマッチした施策ですが、「昼休みにゆっくりリラックスして、午後の作業効率を上げよう」と考えている社員にとってはどうでしょうか。

集中力を高めるという点で理解はできるもののウォーキングである必要性を感じにくいため、やらされている感が強くなりストレスに感じてしまいます。

この場合ウォーキングだけに限定するよりも健康経営のための自由時間とした方が、ウォーキングはもちろんヨガやシエスタを導入するなど、それぞれに合った方法で社員が自主的に取り組むことができます。

「健康促進=体を動かす」というような画一的な健康意識を社員に押し付けるのではなく、社員の満足度を意識した施策が健康経営導入の成功に繋がるといえるでしょう。

健康に悪影響を与える根本要因の見誤り

自社の状況と課題をしっかりと明確にして健康経営を導入したけれど、なぜか上手くいかず失敗に終わってしまうケースもあります。

そのような場合は現状と対策が乖離してしまっていないか、課題の根本要因をよく検討してみましょう。

健康経営の導入を失敗させないためには、課題の根本要因を正しく把握することが重要です。

例えば、長時間労働を改善するため社員に定時退社を徹底したにも関わらず、社外や家に持ち帰って仕事をしていたり、始業時間より何時間も早く来て業務をこなしているなど、問題が解決しない場合はどのような要因が考えられるでしょうか。

・業務量が多すぎる、能力以上の仕事が割り振られている
→不要な業務を減らす、短納期が多くないかなど受注内容や受注量を見直す

・資格が必要な専門的業務が多いため、特定の社員に仕事が集中しすぎている
→資格取得のための支援体制を整え、対応できる社員を増やす

・繁忙期のみに業務が集中し、残業せざるを得ない
→変形労働時間制の採用など、労働時間の平準化を図る

・残業代が減ると生活できない
→手当や賞与で還元、成果主義の採用など給与制度を見直す

このように自社の健康課題を多角的に検討し、根本要因を見誤らないよう課題解決に取り組めれば、健康経営をうまく導入することができるでしょう。

トップが動かない

社長自ら健康経営を導入したにも関わらず、実行段階でトップが無関心では、社員たちも「とりあえずそれっぽいことをしていればいいだろう」と場当たり的な対策で終わってしまいます。

具体的な計画や対策を立てる際も、社員に丸投げしたままトップは全く関与していないような状況では、会社全体に健康経営の意識は根付かないでしょう。

健康経営を導入し成功に導くためには、健康宣言だけにとどまらず

・社長や役員が責任者となって健康づくりに役立つ活動を行う
・健康経営や取り組みについて社長発信で社内外に伝える

など、経営陣が率先して健康対策に取り組んで行くことが重要です。

経営陣が率先して行動することで、会社全体に健康経営の必要性が認知され、社員の行動変容を促すことができるのです。

冒頭でも触れましたが、健康経営は企業の生産性・業績の向上や企業価値の上昇に繋げることが目的です。

どのような対策でどれくらいの効果があるのか、どれくらいの生産性や業績向上が見込めるのかをしっかりと意識し、トップが本気になって取り組むことは、健康経営を成功させるために必要不可欠といえるでしょう。

健康経営の導入ステップ

健康経営導入のステップは、経済産業省が作成した『企業の「健康経営」ガイドブック』によると、主に4つあります。

①経営理念・方針への位置づけ
②組織体制づくり
③制度・施策の実行
④取り組みの評価

それぞれのステップを詳しく見ていきましょう。

①経営理念・方針への位置づけ

まずは、組織全体で健康経営に取り組んでいくため、健康経営を経営理念の中に明文化します。
企業として健康経営に取り組む姿勢を、社員や株主など社内外にメッセージとして発信していくことが望ましいです。
健康経営に取り組む企業は、ウェブサイトで取り組み状況を発信していることが多いので、気になる企業を調べてみると参考になります。

②組織体制づくり

健康経営の導入後、実行力をもってスムーズに進められるよう、組織体制を整えることが大切です。
スモールスタートであれば、従来業務と兼務で担当者を配置することが考えられます。
導入後の効果を高めるためには、健康経営の専門部署の設立や担当者を配置するなど、思い切った人員配置を行うことも大切です。
企画や実行には、担当部署のみならず、経営層も含め、企業全体で取り組みを行う必要があります。

③制度・施策の実行

自社の健康に関する情報収集を行って課題を洗い出し、現状に応じた具体的な目標を設定します。
そして、目標に応じた施策を決定し、実行していきます。
目標設定の注意点などは、前章にありますので気になる方はご確認ください。

④取り組みの評価

一定期間施策を実行した後は、施策の実行状況や結果の評価を行います。
次の施策に生かすことを目的とし、PDCAをしっかり回すことのできる体制を構築、維持することが必要です。

細かい施策については、すべてを一度にスタートすることが難しい場合もあるかもしれません。

導入したものの中途半端に終わってしまっては勿体ないので、まずは導入しやすいものから始め、社内体制を整えながら順次施策を導入していく方が良いでしょう

導入しやすい取り組みから、健康意識を根付かせてみては?

健康意識を社内全体に浸透させるのは、パワーも時間もかかるため躊躇する方もいるかと思いますが、簡単に導入できる取り組みもあります。

ここで紹介したいのは、社員の食事をサポートすることができ、気軽に健康意識の醸成に繋げることができる「OFFICE DE YASAI(オフィスで野菜)」というサービスです。

「OFFICE DE YASAI(オフィスで野菜)」は、オフィスの空きスペースに新鮮な野菜やフルーツを設置するサービで、オフィスに居ながら不足しがちなビタミンや食物繊維を摂ることができるため、社員の健康維持や健康意識の醸成に効果的です。

では、サービス内容を詳しく見ていきましょう。

手軽に導入できる「OFFICE DE YASAI(オフィスで野菜)」

企業で行う食事サポートと言えば社員食堂がメジャーですが、社員食堂は導入コストや維持管理コストが高いため、導入が難しいケースもあります。

しかし、「OFFICE DE YASAI(オフィスで野菜)」の初期導入費は70,000円(税別・初月のみ)と、大規模な設備投資に比べるとはるかに安価です。

社員は新鮮な野菜やフルーツを1個100円~購入することができ、企業の負担額は月々68,000円~(税別)(「オフィスでやさい」プランの場合)と手頃な料金のため、企業の規模に関わらず手軽に導入が可能です。

導入時に、専用の冷蔵庫(または冷凍庫)と、割り箸やスプーンなど必要な備品が専用キットとして届けられるので、自社で色々と用意をする必要もなく簡単にスタートすることができます。

また、新鮮な野菜やフルーツは、週に1回、専門のスタッフが届けてくれるので、管理の手間もかかりません。

支払方法は電子決済も可能なので、現金管理もなく安全面でも導入しやすいサービスとなっています。

社員のニーズに応じて、野菜やフルーツ中心の「オフィスでやさい」プランとお惣菜中心の「オフィスでごはん」プランの2種類から選択できます。

それぞれの特徴は次の通りです。

オフィスでやさい
・ハンディサイズのざく切り野菜やフルーツが豊富
・安全でおいしい国産
・スムージーやゼリーも楽しめる

オフィスでごはん
・無添加や国産にこだわったお惣菜
・和洋中の豊富なメニュー
・主菜、副菜、ごはんを自由に組み合わせることができる

どちらもオフィスの中でいつでも購入できるため、ランチの利用はもちろんのこと、朝食代わりにフルーツを食べたり、小腹が空いた時にサラダを食べたりと、健康的な食生活を自然にサポートでき、健康意識を根付かせることも期待できます

また、冷蔵庫が設置されている場所には、休憩時間に自然と社員が集まってくるため、コミュニケーションの活性化が期待できるのも、このサービスの特徴です。

「OFFICE DE YASAI(オフィスで野菜)」は累計10,000拠点以上(2024年2月時点)の導入実績を持つほど人気のサービスですので、健康経営の手法としても導入効果が期待できるサービスとなっています。

まとめ

現代の日本で必要性が高まっている「健康経営」について解説してきました。

健康経営を導入する場合には、社内の課題をしっかりと捉え、具体的な目標を設定し、それに向けた施策を実行していく必要があるため、ハードルの高さを感じる企業も少なくないでしょう。

ただ、何かを始めなければ健康経営は実現できません。

どこから着手して良いかわからない、コストを掛けられないから手軽なものから導入したい、という場合には、まずは「OFFICE DE YASAI(オフィスで野菜)」の導入を検討してみてはいかがでしょうか?

社員の健康意識へのきっかけとして、食生活改善の第一歩として、健康経営の導入を考える企業に「OFFICE DE YASAI(オフィスで野菜)」はおすすめです。

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