福利厚生制度
ニューノーマル時代におけるオフィスの役割と必要な要素とは
新型コロナウイルス感染症の流行で、私たちの生活はマスクの着用や手指消毒、黙食など「ニューノーマル」を意識した行動が求められるようになりました。実は、ビジネスの場面でもさまざまなニューノーマルを迎え入れています。
ニューノーマルが日常となった今、オフィス環境にも新たな変化が求められつつあるのです。
本記事ではニューノーマル時代におけるオフィスの役割と、必要なポイントについてまとめました。ニューノーマルに対応したオフィス再考のヒントを提供します。
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目次
ニューノーマル時代とは
ニューノーマルとは「New(新しい)」と「Normal(常態)」を組み合わせた言葉で「新常態」とも呼ばれています。
この言葉には、ただ新常態が生まれたというだけではなく、変化が生じる前の日常には戻らない、時代の変化に対応できなければ取り残されるというニュアンスが含まれていることがポイントです。
実はコロナ禍で始まったことではなく、リーマンショック(2008年)や東日本大震災(2011年)などの大きな出来事でもニューノーマルを迎えてきました。
実際に、上記の出来事が起こってから時間はたっていますが、「起こる前の日常には戻っていない」「ニューノーマルが生まれた」と感じる方は多いでしょう。
ニューノーマルは日常生活だけでなく、ビジネスの場でも求められるようになりました。
ニューノーマルで何が変わったか
ビジネスの場でのニューノーマルとは、企業で感染防止対策として広がったテレワークや在宅勤務、さらにはオンライン会議などの新たな業務遂行方法です。
これまで、当然のようにオフィスに出勤していた方も、自宅やカフェ、コワーキングスペースが仕事場となりました。
オフィス内の感染対策だけでなく、企業や従業員がアイデアを出し、通勤時の感染対策にもさまざまな対応を行ってきたことは記憶に新しいはずです。
混雑時を避けて通勤する時差通勤以外にも、公共交通機関の利用を避けてマイカーや自転車などで通勤するなどの工夫をした方もいたことでしょう。
オフィスで仕事をしなくてもいい、ソーシャルディスタンスを保てるといいという視点から、人混みを避け、仕事と観光を同時に楽しむワーケーションのような新たな働き方が展開されてきたことも、ニューノーマルの一端です。
ニューノーマル時代におけるオフィスの「存在意義」
感染症の流行がいったん落ち着いた場合にも、従来通りにオフィスに毎日通勤する生活に戻そうという動きになるかといえば、現状はそうではありません。
在宅勤務などのニューノーマルな働き方により、従来の業務をこなしつつもワークライフバランスが保てるというメリットに従業員はもちろん、企業経営者も気付いたからです。
週に数日、在宅勤務を取り入れる企業もあれば、子育てや介護のために在宅で勤務することを選択できるようになった企業もあります。
国土交通省が2022年3月に発表した「令和3年度テレワーク人口実態調査-調査結果(概要)-」によると、「テレワークの継続意向等(テレワーカー)」の約89%は、テレワークの継続意向があるという結果が示されました。
その理由は「新型コロナウイルス感染症対策として」が、約49%で最大であるものの、新型コロナウイルス感染収束後にもテレワークを継続する意向は約84%と高い値を保っています。
その理由は「通勤時間の有効活用」が約43%、「通勤の負担軽減」が約30%という結果でした。
オフィスに通勤する時間をほかで使う時間に割り当てられるということが魅力のようです。
このままニューノーマルがビジネスの場でさらに進んでいけば、多様な働き方への対応のためにデジタルトランスフォーメーション(DX)への移行はさらに進んでいくことでしょう。
今、従業員がオフィスでしかできない業務と、オフィスでやりたい業務に対応した新しいオフィスへの転換が求められています。
参考:令和3年度 テレワーク人口実態調査 -調査結果(概要)-
チームワーク・人間関係・アイデアが生まれる場所
ニューノーマル時代にはテレワークでは得づらい、リアルなコミュニケーションを図る場としてのオフィスづくりが求められています。
コミュニケーションを通してチームワークや人間関係、アイデアが生まれることを実感している方も多いことでしょう。
コミュニケーションを図るにあたって大前提となるのは、お互いの信頼関係です。
これまでオフィスで構築してきた信頼関係があり、テレワークでもコミュニケーションを円滑に進めることができたという方も多いのではないでしょうか。
しかし、これからのビジネスの場面には、テレワークが当たり前という環境で育成されてきた従業員が増えていきます。
オフィスがコミュニケーションを図る場としての役割を担えることがより重要となるでしょう。
オフィスでしかできない仕事をする場所
オフィスでしかできない業務とは、ハイスペックなPCや特殊なソフトでないと扱えない大きな容量のデータなどを扱う業務や専門性の高い業務が挙げられます。
また、実際にものづくりをしたり、試作品を確認したりするような業務は、オフィスでしかできない業務です。
リモートワークで同じ環境を構築しようとしても、そのためのコストや時間の投資を考えると現実的ではありません。
このようなオフィスでしかできない業務をやりやすくするような環境が求められます。
働き方の選択肢のひとつ
在宅勤務制度を整えても、同居する家族の状況や周囲の環境などにより、勤務に向いていない場所もあります。
多くの人がテレワークを迎合したとしても、全ての方に環境が整っているわけではなく、また、全員がオフィスに出社したいという意向を持っているわけではありません。
オフィスに出社することで、仕事のオン・オフの区切りを付けたいという人もいるのです。
新たな働き方に目が行きがちになってしまいますが、ニューノーマル時代の自由な働き方の選択肢の1つとして、出勤できるオフィスがあることは大切なのです。
働く実感が生まれる場所
ニューノーマルな働き方への転換によって、メリットばかりが強調される風潮にはありますが、その陰でデメリットも生じてきています。
例えば、社員同士での雑談ができなくなった、1人で律しながら業務に取り組むのに疲れた、デスク前から動かずに運動不足になったなどです。
今、オフィスに求められているのは、生き生きと働く実感を継続させる場といえます。
具体的には他者と意見を交わす機会を設けたり、業務中に飲食物を片手に気分転換を図れるようなスペースの設置をしたりすることです。
また、スタンディングデスクやイス代わりにバランスボールを用いるなど、身体機能を使うことを促すようなオフィスづくりが求められています。
ニューノーマル時代のオフィスに必要なこと
ニューノーマル時代のオフィスには、ウイルスの感染予防に加え、多様な働き方に対応した快適な環境をつくることが必要です。
感染予防
新型コロナウイルス感染症の防止対策などがニューノーマルとなり、感染予防の視点を多くの方が持つようになりました。
オフィスで業務に取り組んでいる間も密になるのを防ぎ、ソーシャルディスタンスを確保するためには、デスク配置などにも気を遣わないといけません。
デスクが一方向を向くような学校の教室形式に配置したり、壁に沿って机を配置したりするなどの配置も一案です。
感染予防のためには、オフィスの空気を循環させる工夫も必要です。
設備を整えるだけでなく、定期的に換気が行えるような仕組みづくりも合わせて行いましょう。
感染症が落ち着いたとしても、オフィス内でオンライン会議や商談が行われることも加味して、周囲の声を拾わずに済むような環境を整えておくことも重要です。
働きやすい環境
感染症対策にまつわるニューノーマルへの対応にはメリットだけでなく、デメリットも生じていました。
特に、オフィスに出社していたときには感じることがなかったコミュニケーション面や健康面の課題が浮き彫りになりました。
オフィス内では、アフターコロナに向けて感染予防をしつつも、働きやすい快適なオフィスづくりが求められるでしょう。
コミュニケーションをより図りやすくするにはオフィス内の動線を意識して、往来ではなく回遊できるような配置を意識し、机や棚、複合機などをレイアウトする工夫が有効です。
デスクを固定化しないフリーアドレス制を導入すれば、日々、異なったスタッフとオフィス内で交流できるようになるでしょう。
健康面の課題は、ストレッチや軽い運動ができるようなリフレッシュスペースや仮眠室を設けるのも1つのアイデアです。
飲食物を提供できる自販機などを置いて一息つけるカフェのような一角を設けてもいいでしょう。
オフィス内で簡単に気持ちのオン・オフを付けられる場所があれば、ストレスの軽減につながります。
人との出会いが生まれる場所
ニューノーマルな働き方としてテレワークを行った後、オフィスへの出社に戻った方は、リアルに人と会って話すことの楽しさを感じたのではないでしょうか。
テレワークでは、1人で自分を律し、自分で考え、自分で業務をこなしがちだったはずです。
1人で業務を行うことで、業務自体は進んでも、業務の改革に煮詰まったり、アイデアがひらめかなかったりといった経験をした方も多いことでしょう。
新たなアイデアを生むためには、セレンディピティ(偶発的な出会い)が必要なのです。
オフィス内にいるさまざまな方と多様なコミュニケーションを創出するためにできることがあります。
例えば、パーティションなどでオフィス内を細かく区切らないといった、今すぐ改善できることもあれば、オフィス内のレイアウトを大規模に変化させ、どの部署に所属していても集まれるような場を設けることなどです。
各種設備を「オンライン化」
ニューノーマルなオフィスで重要なのは、オフィスのスペースだけでなく、各種設備をオンライン化しておくことです。
オフィス内外のどこにいてもデータにアクセスでき、社員同士がやりとりをできるようにしておくのです。
具体的には、スマートフォンアプリを入れることなどで企業の番号から内外線がかけられる電話ツールやクラウドサーバー、オンライン会議システムなどです。
各種設備がオンライン化されていれば、オフィスでもテレワークでも、業務に就くことができます。
感染症でニューノーマル対応が求められたかもしれませんが、どのようなものを継続していくか、さらには投資していくか、考える段階にあるでしょう。
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ウイルスへの感染防止対策をしながら臨んだニューノーマルな生活では、多くの方が免疫力アップなど、自分の体調維持に努めたはずです。
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冷蔵庫や電子レンジなどの設備は貸与されるため、オフィス内に小さなスペースを設ければ、すぐにオフィスにカフェ設置を実現できます。
健康的なメニューで栄養補給しながら、軽食を取りながらのリラックスタイムを過ごすことができるでしょう。
電子決済にも対応しており、専門のスタッフを置いておく必要もありません。
福利厚生制度として導入する場合、月の企業負担額は68,000円~(税別)、従業員の購入価格は1個100円(税込)から始められます。
まとめ
感染症の拡大により、誰もがニューノーマルに対応せざるを得ない状況になりました。
今、アフターコロナに対応したニューノーマル時代に合わせたオフィスを再考する機会が訪れています。
学生時代をニューノーマル時代で過ごした社員も増えてきて、今後はさらにニューノーマルが深化していくはずです。
これからのオフィスのあり方をぜひ前向きに検討しながら、オフィスの魅力アップを図り、生き生きと働ける環境づくりをしていきましょう。
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