福利厚生制度
福利厚生費と交際費や会議費の違いとは?明確に区別する方法も
企業の経理担当者はともかく、他部門に所属する方で、福利厚生費と交際費、接待交際費、会議費などの違いを把握している方はどのくらいいるでしょうか。
従来の福利厚生制度の見直しや、新たな制度を設けようとしている方は、経費の違いを確認しておけば、検討もスムーズに進みやすいでしょう。
本記事では福利厚生費と交際費・接待交際費、会議費、消耗品費まで、各経費の紹介と、それぞれの経費と福利厚生費との違いを解説します。
ぜひ、一読してあいまいな経費の知識をはっきりと明らかにしてみましょう。
あらゆる部署で働く方の経費精算の際も役立つはずです。
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目次
福利厚生費とは
企業が従業員に対して、給与以外に提供するサービスにかかる費用が福利厚生費です。
福利厚生費は、大きく分けると2種類に分類できます。
医療保険や雇用保険などの法律で定められたサービスである法定福利厚生と、社員食堂での食事提供や社員旅行費用など、自社が独自で設けるサービスが法定外福利厚生です。
企業から法定と法定外の両方のサービスが従業員に提供されることで、労働環境の向上や働きやすい職場を築いています。
近年、福利厚生は、求職者が応募する企業を選ぶときに重要視しているため、企業では制度の見直しが行われているのです。
2024年卒業予定の全国の大学生と大学院生を対象に調査した「マイナビ 2024年卒大学生活動実態調査 (4月)」(株式会社マイナビ)の結果によると、企業の福利厚生について「勤務地・仕事内容・給料と同程度関心がある」と答える学生が63.4%と最も多い結果となりました。
企業の待遇と同じくらい、福利厚生を重視していることがわかります。
福利厚生費は、事業を営むのに必要な経費であり、損金に算入することが可能です。
損金算入が可能なため、福利厚生に予算を割いて魅力をアップし、業績向上を目指したいという企業が増えているのも当然のことでしょう。
福利厚生費と交際費・接待交際費の違い
福利厚生費と似た経費に交際費や接待交際費があります。
福利厚生には社員食堂での食事の提供が含まれ、交際費や接待交際費といえば、会食の費用が当てはまるというイメージがあり、どちらも飲食費用であるからです。
福利厚生費と交際費・接待交際費、3つの費用の違いについて確認してみましょう。
交際費・接待交際費とは
交際費と接待交際費、どちらの名称も聞いたことがあり、特に言葉の違いを意識していない方も多いのではないでしょうか。
実は、企業の経理上では両者とも同じ内容を意味する言葉で、企業は交際費や接待交際費、どちらでも勘定科目を設けることができます。
ただし、税法上でいう交際費と、企業が勘定科目として設ける交際費や接待交際費とは、同一のものではないことに注意しましょう。
税法上の交際費とは、企業が取引先などの利害関係者に接待や贈答をするときにかかる費用のことを指します。
交際費を使ったからといって企業の業績アップに直結するとは限らないため、損金には算入できません。
たとえば、業務に関わる取引先と良好な取引関係を保つための食事会は、交際費として計上され、損金算入できないのです。
それぞれの違い
福利厚生費と交際費・接待交際費の違いは、福利厚生費が自社の従業員に向けてのサービス提供にかかる費用であるのに対し、交際費や接待交際費は、取引先など社外の方に向けてのサービス提供にかかる費用です。
企業が従業員に向けて福利厚生サービスを提供した費用は、事業に必要な経費として損金算入できますが、交際費や接待交際費は、損金算入できないことが大きな違いといえるでしょう。
福利厚生費と会議費の違い
福利厚生費との区別がつきにくい経費としては、交際費のほかにも会議費が挙げられるでしょう。ランチミーティングなど、会議において飲食物が提供されることもあるからです。
会議費に含まれる費用について確認し、福利厚生費との違いをチェックしてみましょう。
会議費とは
文字通り、会議費とは企業の営業活動に必要なミーティングなどを行う際にかかる費用のことをいいます。
具体的には、会議ルームの利用料や会議の案内書類の作成にかかる費用、会議で出す弁当や飲料、菓子代金などの費用などのことです。
ミーティングをカフェやレストランなど、社外の施設で行った場合の飲食費も会議費に含まれます。
会議費は、業務で行われる会議に該当し、企業の業績にも深く関わる費用となるため、税法上では損金算入が可能です。
ミーティングの参加者は社内・社外を問わず、業務に関わる集会であれば、会議費を使うことができます。
社外の方も対象となるため、交際費と混同されがちですが、業務上に必要な会議にかかる費用は会議費という分類となるのです。
交際費は損金に算入できませんが、会議費は損金に算入できるという大きな違いがありますので、覚えておきましょう。
それぞれの違い
福利厚生費と会議費の大きな違いは、対象者が異なるという点です。
福利厚生費が自社の従業員のために使う費用であるのに対し、会議費は社内外のメンバーを問わず、業務に関わるミーティングにかかる費用が当てはまります。
福利厚生費と消耗品費の違い
よく耳にする経費に消耗品費があります。
消耗品費は従業員が使うもののため、従業員が対象である福利厚生とは似た印象を持つ方もいるのではないでしょうか。
福利厚生費と消耗品費の違いについても確認してみましょう。
消耗品費とは
消耗品費といえば、事務職の方なら、ノートやペンなどの文具類をイメージするのではないでしょうか。
事務用の文具類だけでなく、大きなものでは、オフィス用デスクやイスも含まれます。
さらには、工場での作業に使う手袋や工具類、梱包資材やチラシなどの広告宣伝用の印刷物なども含んでおり、業務に必要な道具類の費用と言い換えてもいいでしょう。
多くの場合、使用する期間が1年未満もしくは購入価格が10万円未満と少額の物品購入の費用を消耗品と刺しています。
消耗品の中には、会議用デスクや応接室の調度品など、10万円を超える物品もあるはずです。
取得価格が30万円未満の消耗品は、減価償却費として数年に分けて費用を計上する方法もあります。
ただし、2026年までであれば「中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例」を使い、対象法人の要件を満たしていれば、消耗品の取得価格全額を費用として計上が可能です。
それぞれの違い
福利厚生費と消耗品費の違いは、どちらも従業員が利用するものではありますが、その違いは、業務に直接関連しているかどうかが違いといえます。
たとえば、勤務中に従業員が利用するものは消耗品の扱いですが、休憩室に備えられているお茶やコーヒー類は福利厚生に含まれるのです。
洗剤やトイレットペーパーなどの日用品は、消耗品費と福利厚生費のどちらでも仕分けができる物品です。
福利厚生費・交際費・会議費を見分けるポイント
福利厚生費と交際費、会議費について述べましたが、たとえば、従業員が飲食したものを会社が経費として支払う場合、どの経費に当てはまるか明確に答えられるでしょうか。
福利厚生費と交際費、会議費を見分けるためのポイントは3つあります。
ポイントをつかんでしまえば、どの経費に該当するかの判断が容易となるはずですので、確認してみましょう。
まず、最初に紹介する見分けポイントは、飲食代金が1人当たり10,000円以下になるかどうかです。
2024年度の税制改正により、従来の5,000円以下から、10,000円以下へと金額が引き上げられました。
コロナ禍を経て、企業の経済活動を活性化させるもくろみがあるようです。
10,000円以下の飲食代金は、国税庁のホームページ「交際費等の範囲と損金不算入額の計算」の記載を参考にすれば、会議費として計上できます。
取引先で飲食をした場合も、1人当たり10,000円以下の金額であれば、会議費として請求が可能です。
しかし、アルコール提供が必然だと思われる飲食店の場合は、会議費としてみなされない可能性もありますので、注意しましょう。
次に見分けるポイントとしては、従業員が参加した飲食会への社外の方の参加の有無です。
飲食会に取引先の方が参加していたなら、飲食代金は交際費として扱われます。
自社との取引関係がなく、接待にはあたらない従業員の家族や友人との飲食代金は、当然、交際費には含みません。
経費精算をする際は、交際費であることがわかるように、参加した社外の方の社名なども忘れずに記載するようにしましょう。
最後のポイントは、飲食会への参加が自社の従業員のみであるかどうかです。
前述の国税庁のホームページの記載によれば、1人当たり10,000円以下の飲食費は会議費ですが、超えた場合には福利厚生費として扱われます。
従業員の打ち上げ費用などは、福利厚生費に当てはまるでしょう。
福利厚生費として認められる条件
福利厚生費とその他の経費について、違いを確認してきました。
似た印象のある経費がどの費用に当てはまるか、見当が付くようになったのではないでしょうか。
しかし、福利厚生費として扱えそうな費用があっても、場合によっては認められないこともあり得ます。
意図した費用から外れてしまうことがないよう、福利厚生費として認められる条件を確認してみましょう。
先に述べた通り、福利厚生には法定福利厚生と法定外福利厚生があります。
法定福利厚生は、社会保険料や労働保険料などの会社が負担する金額などを含み、保険の加入対象者がしっかりと明示されているため、福利厚生費として認められないという状況には陥りづらいといえるでしょう。
法定外福利厚生は、企業が独自で設ける制度で、法律で定められたものではありません。
どのような法定外福利厚生でも福利厚生費として認められるわけではなく、3つの条件を満たすことが条件となります。
・現金支給ではない
・全従業員が対象
・社会通念上により、妥当な金額
上記を満たしていれば、福利厚生費として認められる可能性が高くなりますので、新たな制度を設ける際はチェックしておきましょう。
認められない例は?
法定外福利厚生に費やした金額を福利厚生費として経費計上するには、前述した条件を満たしていれば大丈夫でしょう。
認められない例を挙げると、条件を満たしていそうに見えて、実情は異なっていたという場合です。
たとえば、忘年会や新年会など、従業員が対象の飲食会の費用は、福利厚生費として対象となると誰もが思うことでしょう。しかし、対象者が従業員全員ではなかったり、高額な金額だったりした場合には、福利厚生費としては認められない可能性が出てきます。また、2次会や3次会などの飲食費用も福利厚生費には含まれませんので注意しましょう。
ほかにも、住居手当が一部の人しか支給されなかったり、慶弔見舞金の対象が限定されていたりしても認められません。残業中の食事代などの法定外福利厚生も、対象者や金額などに偏りがあった場合は、福利厚生費として経費計上できません。
斬新な福利厚生制度だけでなく、定番の制度でも、条件から外れれば福利厚生費に含まれないため、制度設計の際は十分に注意しておくことが必要です。
福利厚生費の上限は?
福利厚生費として認められる条件の中に「社会通念上により、妥当な金額」があります。
実は、社会通念上、妥当な金額という条件には明確な金額は示されていません。法定外福利厚生にかかる費用は、サービスの内容によって金額が大きく異なります。それぞれの法定外福利厚生に対し、常識の範囲内に収まる費用であることが求められ、著しく高額な場合は、認められない場合があるため、注意しましょう。
まとめ
福利厚生費と交際費、会議費、消耗品費など、似通った特徴を持つ経費について確認してきました。
同じメンバーの飲食費であっても、会の目的や場面によって、福利厚生費や交際費、会議費と仕分けが変わる可能性があります。
福利厚生は、求職者からチェックされる項目であるだけでなく、すでに働いている従業員の愛社精神を高め、離職率を下げることも可能です。
経費の特徴、条件をしっかり把握して、従業員にとって魅力的に映る福利厚生制度を設けていきましょう。
なお、健康経営の一環としても定評のある設置型社食サービス「OFFICE DE YASAI(オフィスで野菜)」は、従業員はもちろん従業員の健康を支えたいと考えている企業にもおすすめの福利厚生です。ぜひ詳しい情報を以下のバナーからチェックしてみてください。
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