福利厚生制度
テレワークに特化した福利厚生とは?環境整備や食事補助の進め方
2021年は、新型コロナウイルスの感染拡大により、関東圏を中心とする緊急事態宣言が再び発動されたことから始まりました。
昨年12月頃より東京都の1日の感染者数は2,000人を超え、2021年1月には変異ウイルスが複数存在することも判明し、一向に収束する気配がありません。
今回の緊急事態宣言では、企業に対し、従業員の7割を在宅勤務とすることが奨励されており、今後ますます日本社会においてテレワークが普及していくことが予測されます。
テレワークを浸透させるためには、企業が単に自社の従業員がテレワークで働くことを許可するだけでは十分ではありません。コロナ禍の影響で、テレワークの導入に踏み切った企業の中には、テレワーク勤務に関する就業規則や福利厚生を整備しないままテレワークを導入している企業もあるのではないでしょうか。
特に、福利厚生は、従業員にとって通常の給与や賃金のほかに企業から受け取ることのできる非金銭的な報酬であり、「働くモチベーション」となる大切なものです。
しかし、今後、テレワークを中心とする働き方に移行することになれば、従業員が毎日オフィスに出勤していた時と同じ福利厚生サービスを利用することは難しいでしょう。
そこで、今回は、「テレワークに特化した福利厚生とは?環境整備や食事補助の進め方」について紹介します。
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目次
テレワークや在宅勤務が急速に拡大
現在、テレワークや在宅勤務は、日本企業において急速に拡大しつつあります。
2019年に「働き方改革」が施行された後、コロナ禍の影響により、これまでテレワークや在宅勤務を認めていなかった企業も、一気にテレワークに移行する流れとなりました。
実際、2020年6月に東京商工会議所中小企業部が発表した「テレワークの実施状況に関する緊急アンケート(※)」によると、テレワークや在宅勤務を実施した企業の割合は、2020年3月よりも41.3ポイント増えて67.3%であるとの結果が出ています。
これに加えて、同調査で、テレワークを導入している企業のおよそ半分が、2020年4月に発動されたコロナ禍による緊急事態宣言以降にテレワークや在宅勤務を実施したことがわかっています。
2021年1月に再び発動された緊急事態宣言では、さらに企業の7割程度の従業員がテレワークで働ける体制を整えるよう推奨されているわけですから、今後、テレワークを導入する必要性はますます増えていくことでしょう。
(※)「テレワークの実施状況に関する緊急アンケート」調査結果を取りまとめました~緊急事態宣言発令以降テレワーク実施率は67.3%と急増~
福利厚生の見直しが必要に?
企業がテレワークを導入する際に、見直さなければならないことが大きく分けて2つあります。
1つ目は、就業規則に関する見直しです。
労働基準法では、労働する期間や場所、始業・終業の規則や時間外労働、休憩時間や休日・休暇など、従業員に対し労働条件を明らかにすることが義務づけられています。
従って、企業は、テレワークの導入以降に入社した社員に対して労働条件を示すだけでなく、既に自社で働いていている従業員に対してもテレワークの導入が盛り込まれた就業規則を新たに作成する必要があります。
そして、2つ目は、福利厚生に関する見直しです。
この福利厚生には、法定福利厚生と法定外福利厚生とがあります。
このうち、法定外福利厚生は、企業が独自に定めることができるものであり、従業員の中には、この法定外福利厚生に魅力を感じて入社を決めたという人も少なくないでしょう。
実際、2019年にマイナビが実施した大学の卒業生を対象とした「マイナビ大学生広報活動開始前の活動調査(※)」によれば、就職活動を開始した学生が企業を選び際に最も注目するポイントの第1位が「福利厚生の充実」あるとの結果も出ています。
また、2015年にマンパワーグループが実際に働いている社員を対象に実施した調査では、実際にあった福利厚生サービスでよかったと思うものの第1位が「食堂・昼食補助」、第2位が「住宅手当・家賃補助」となっています。
企業にとっては、企業が独自に定めることのできる法定外福利厚生のうち、特に需要の高い食事補助や住宅手当などの福利厚生サービスを充実させることによって、コーポレイト・アイデンティティとしてアピールできるというメリットがあります。
しかし、福利厚生サービスに、テレワークに関するものが含まれているという企業は決して多くはないでしょう。
テレワークが浸透した今こそ、これまで従業員がオフィスに出勤することを前提に定められていた福利厚生サービスについて、見直しが必要です。
テレワーク向けの福利厚生を提供するメリット
福利厚生サービスをテレワーク向けに提供するメリットとはなんでしょうか。
現在のコロナ禍では、社員旅行、歓送迎会、新年会・忘年会など、従業員の働くモチベーションを高めるようなレクリエーションを開催することが難しくなっています。
また、テレワーク中、従業員はこれまで利用していた社食などの福利厚生サービスも利用できなくなるでしょう。さらに、従業員は、自宅で働く環境を整えるために、必要な情報通信機器などを新たに買い揃える必要があるというケースも考えられるのです。
そこで企業が、テレワークならではの福利厚生を用意すれば、従業員の仕事に対するモチベーションを維持できるというメリットがあります。テレワーク向けの福利厚生が新たに用意されれば、従業員は企業から大事にされていることを改めて認識することになります。
その結果、従業員の職場に対する満足度が上がり、企業全体の労働生産性が高まることも期待できるでしょう。
今までの福利厚生を見直す必要も
新たにテレワーク向けの福利厚生を導入するだけでなく、既存の福利厚生の見直しも忘れてはなりません。
現在はコロナ禍という事もあり、なかなか利用出来ない福利厚生も出てくる事でしょう。
例えばレジャー施設の利用や、スポーツクラブ、宿泊・旅行、歓送迎会など、多くの人数で集まるイベントや、移動を伴うものは利用しずらくなっています。
利用が難しい福利厚生から、テレワーク向け(必要な機器を揃える、環境を整える等)の福利厚生にシフトチェンジする方が、従業員の満足が向上し、無駄なコストもかからなくなります。
また一部の企業では、テレワークの導入に伴い、オフィスへの出社が少なくなる為、通勤手当を廃止し、代わりに在宅勤務手当を支給するという新しい取り組みをしています。
テレワーク導入と同時に、自社の福利厚生の見直しをしてみてはいかがでしょうか。
テレワーク支援に特化した福利厚生とは
企業が独自に導入できるテレワーク支援に特化した福利厚生サービスは、主に下記の4つの分野に分けられます。
1)家具やWi-Fiなどの業務環境に関する構築支援
2)テレワーク特有の健康問題への対応
3)コミュニケーション支援
4)食事補助関連
それぞれの詳細は、次のセクションでご説明します。
業務環境の構築支援
テレワーク支援に特化した福利厚生サービスとして、業務環境の構築支援があります。
これは、従業員が自宅での作業環境を整える際に、必要な物品の購入にかかる費用を支給する福利厚生サービスです。たとえば、長時間座って作業できる椅子や机など家具の購入費や、Wi-Fiを設定する費用などが、これに当たります。
従業員それぞれの嗜好に合わせると支給額が大きく左右することもあるため、支給する際は、どの程度の額を負担するかなどのレギュレーションを検討するとよいでしょう。
テレワーク特有の健康問題への対処
テレワーク支援に特化した福利厚生サービスとして、テレワーク特有の健康問題への対処をすることも効果的です。
従業員が自宅で作業すると通勤する必要がなくなり、オフィスに出勤していた時のように歩き回ることも少なくなります。自宅などで長時間座りっぱなしで作業することで、運動不足になる可能性があるでしょう。
そんな中、これまでと同じような食事をしていれば肥満になり、健康を害することになりかねません。また、運動不足が続けば、脳は疲れていても体は疲れていないため、不眠症などの体調不良になることも考えられ、そこから心の病につながるリスクもあります。
このほか、一日中モニターを凝視する日々が続くとドライアイや眼精疲労になったり、同じ姿勢で作業をすることで肩こりや頭痛などの症状に見舞われたりすることもあるでしょう。
コミュニケーション支援
テレワーク支援に特化した福利厚生サービスとして、コミュニケーション支援も有効です。
オフィスに出勤していれば、仕事以外にもちょっとした「すきま時間」に二言三言、他の従業員と言葉を交わす機会もあるでしょうし、昼休みに話をすることもあるでしょう。
しかし、テレワークの場合には、Web会議などはあっても、オフィスに出勤していた時のように他の従業員と気軽にコミュニケーションを図ることが難しくなります。
もし、このような状況が続けば、従業員のなかには、仕事へのモチベーションが低下してしまう人もいるかもしれません。
食事補助関連
最後に、テレワーク支援に特化した福利厚生サービスとして、食事補助関連の支給を検討することも重要です。
これまでオフィスに出勤していた従業員にとって、テレワークによって大きく変わることのなかに「昼食」があります。
中には、お弁当を持参する従業員もいたかもしれませんが、その多くはオフィス近辺でお弁当やお惣菜を購入したり、オフィス街の飲食店や社食サービスを利用していたことでしょう。
ところが、テレワークでは自宅で食事をとることになり、これまでオフィスで社食サービスを利用していた従業員のなかには、毎日のメニューを考えることを手間と感じる人もいるかもしれません。
テレワークでおすすめの福利厚生サービスは?
ここでは、テレワーク環境下でおすすめの福利厚生サービスをご紹介します。
働きやすい環境作りをサポート!「Kagg+」
テレワークをする上での環境はとても重要です。
今まではオフィスに出社していたので、自宅では仕事をする環境が整っていない方も多いでしょう。例えば、テレワークで長時間座っていても、疲れにくい椅子や仕事をする机なども自宅には用意がないかもしれません。
Kagg.jpでは、このようなテレワークで働く従業員の労働環境向上を支援してくれるワークチェア・オフィス家具の法人向け福利厚生サービス「Kagg+(カグプラス)」を提供しています。
従業員が自宅用に机や椅子を購入する際に、企業が補助できるサービスです。
対象の商品は、Kagg+のサイトに記載されている全ての商品で、企業負担額は、20%・50%・100%の3つのプランから選択が可能です。
日本全国で利用でき、全商品送料無料、組立設置費込みの値段設定になっています。
働きやすい机や椅子を導入することで、労働中の身体への負担を軽減でき、従業員の健康も保たれ、テレワークでの作業効率アップにも繋がります。
お家時間の充実を!「バヅクリ」
テレワーク中は、仕事パフォーマンスの低下、運動不足による健康不安、人と会わない為のコミュニケーション不足など様々な問題を抱えます。
「バヅクリ」の福利厚生サービスは、そのようなテレワーク中の従業員の心と体を支えるオンライン体験型のイベントサービスとなっています。
従業員がオンラインで一緒に体験できる「アソビ・学び・つながるプログラム」を提供しています。
図工のプロが教えるお絵描き、メイクアーティストが教えるメイク講座、ビジネススキル、トレーナーが教えるストレスケア、エクササイズ、心と体を整える・お坊さんが教えるマインドフルネスワークショップなど、プロが教える100種類以上の体験型プログラムが用意されています。
時間も短時間のプログラムから、本格的なプログラムまであり、自分のライフスタイルにあった物を選ぶことができます。
従業員の運動不足を解消!「BeatFit For Business」
「BeatFit(ビートフィット」は現役のプロコーチが、音声だけで筋トレや運動をガイドしてくれるフィットネスアプリです。
その法人向けの福利厚生サービスが「BeatFit For Business」です。
テレワーク中の従業員の運動不足やストレスが心配、従業員の運動習慣を支援したい、どんな運動をしているのか把握したいという企業におすすめな福利厚生サービスです。
専門家が開発した継続型プログラムで運動の習慣化とストレスケアを支援してくれます。
アプリ1つで、600以上のレッスンをいつでもどこでも受け放題です。
運動した結果は管理者が分析ダッシュボードで確認することができ、年代・性別・期間・時間帯をカテゴリー集計することも可能です。
また、従業員用のチャレンジ企画や、チームボードがあり、社内でチーム別の対抗戦などが出来ます。
プランは、ライトプラン・ミドルプラン・プレミアムプランの3つに分かれており、ライトプランは、アプリを中心としたお手軽パッケージで、従業員数50人で月額20,000円~(従業員数によって金額は異なる)になります。
まとめ
社会にテレワークが浸透し、企業にとっては、これまでの就業規則や福利厚生サービスについて見直す時期に来ているのかもしれません。
これからのテレワーク時代に、企業が独自に支給する福利厚生サービスを自社のアピール・ポイントとして打ち出すのであれば、企業にとって導入しやすく、従業員からのニーズが高い食事補助に関する福利厚生サービスを充実させることが効果的です。
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