福利厚生制度

-2023.11.30.Thu

インフレ手当とは?メリット・デメリットや手当以外のサポート方法

物価が急激に上昇する「インフレーション」が続き、家計の負担に感じている人も多いでしょう。

インフレーションによって従業員の暮らしが脅かされることを防ぐために、「インフレ手当」を導入している企業もあるようです。

「インフレ手当」について具体的な支給方法やメリットを解説し、デメリットがある場合や手当以外のサポートについても紹介します。

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インフレ手当とは?

インフレ手当は、急激なインフレーション(物価高騰)が進む状況下で、企業が従業員の生活を支援するために支給する特別手当です。

「物価上昇応援手当」などの名称を付けている企業もあります。

設定について細かい決まりは無いため、正社員のみを支給の対象者としている企業もあれば、アルバイトやパートなども含めた範囲の従業員に支給する企業もあります。

支給方法や金額も独自に設定できるので、企業によってさまざまです。

インフレ手当が支給されている背景

インフレ手当が支給されている背景には、ここ数年の急激なインフレーションの影響があります。

コロナ禍から経済活動が再開され始めた2021年頃より、需要の拡大で原材料価格は上昇傾向にありました。

2022年にはロシアによるウクライナ侵攻を受けて、原油や小麦などの価格上昇がさらに進んでしまいます。

食べ物をはじめとする様々なものについて生産や輸送のコストが大きくなり、世界的な価格高騰が起きてしまっているのです。

加えて日本では、円安によって輸入品も値上がりしています。

複数の要因が重なり、食料品や光熱費などが2022年~2023年にかけて相次いで高騰し、インフレーションが起こっているのです。

このインフレーションから従業員を守るために支給されているのが「インフレ手当」です。

また、インフレーションが起こり日々の暮らしが脅かされると、現在の稼ぎで暮らしていけるかと不安を抱える人も少なくありません。

インフレ手当は企業に対するエンゲージメントを高める効果があることや、離職防止を図る役割も果たすという面でも注目されています。

インフレ手当の支給方法

支給方法に決まりは無く企業ごとに独自で設定されていますが、大きく分けると「一時金」とする方法と、「月額手当」とする方法の2種類があります。

インフレ手当を「一時金」として支給する方法

「一時金」として支給する方法は、インフレ手当を臨時支給するもので、賞与支給のタイミングで上乗せする企業が多いようです。

ただし賞与は所得税の課税対象であり、雇用保険料や社会保険料も発生するので注意しておきましょう。

しかし、手続きとしては既存の賞与と同様の事務処理で済むことや、就業規則の改定などを行う必要はないので、作業の負担が少なくできる点でメリットがあります。

インフレ手当を「月額手当」として支給する方法

もうひとつは「月額手当」として支給する方法です。

月ごとの給与にインフレ手当を上乗せする形になります。

継続して支給されるので生活の安定につなげやすい方法ですが、就業規則を改定しなければならないという手間はあるでしょう。

支給事由や支給期間を明確に定めて、改定した就業規則に関する書類を労働基準監督署に提出する必要があります。

給与改定として扱われるため、雇用保険料や所得税、残業代の計算などに影響する点は留意しておく必要があるでしょう。

追加や再設定が必要になる場合も

いずれの方法でも物価や企業業績の変動によっては、追加や再設定が必要になる場合があります。

「一時金」の形をとった場合は、インフレーションによる影響が深刻な場合に追加で支給を行うかなどの判断が必要です。

「月額手当」の場合は金額の見直しや廃止のタイミングなどが課題となるといったことを念頭に置いて、自社に合った方法を選択しましょう。

インフレ手当の金額

金額についても特定の決まりは無いので、企業で自由に設定できます。

特定の条件に連動させるなどといった条件も企業ごとに定められるので、基本給や扶養家族の人数などと連動させている企業もあります。

支給額の決定にあたっては、他社のインフレ手当の金額を参考にするとよいかもしれません。

帝国データバンクが2022年11月に実施した「インフレ手当に関する企業の実態アンケート」には、インフレ手当を支給した企業(予定・検討している企業を含む)に、支給額ついて尋ねた項目があります。

「一時金」としての支給で最も多かった金額は1万円から3万円未満(27.9%)でした。

次に3万円から5万円未満(21.9%)・5万円から10万円未満(21.9%)が続き、1万円未満(11.9%)、15万円以上(7.3%)の順に並んでいます。

平均の支給額としては約5万3,700円だったということです。

「月額手当」では最も多かった金額には3千円から5千円未満(30.3%)と5千円から1万円未満(30.3%)が並びました。以降は3千円未満(26.9%)、1万円から3万円未満(11.8%)、3万円未満(0.8%)と続いています。

平均の支給額としては約6,500円でした。

インフレ手当のメリット

インフレ手当の支給は、従業員だけでなく企業にもメリットがあるものです。

代表的なメリットを4つ紹介します。

従業員の不安を取り除く

インフレーションによって食料や日用品が高騰し、日々の暮らしに不安を感じている人が多いでしょう。

心配事があると仕事へのモチベーションや集中力は低下するものです。

また食費を節約しようと無理をしてしまい、体調を崩して労働時のコンディションが悪くなるかもしれません。

インフレ手当が支給されて暮らしの不安を和らげることができれば、従業員のモチベーションや健康状態を平常通りに保つことができます。

従業員が安心して暮らせるようになるというメリットに加え、集中してしっかり働けるという点は企業にとっても利益を保つための大きなメリットとなるでしょう。

エンゲージメントの向上につながる

企業がビジョンを実現させるには、エンゲージメントと呼ばれる従業員からの信頼が必要不可欠です。

従業員のエンゲージメントは労働環境などに満足できているかといったことに左右されるものですが、企業が自分たちのことを考えてくれていると感じた時にも高まります。

生活が苦しいと感じている状況下でインフレ手当があれば、企業が自分たちの不安を理解してくれていると感じ、信頼が高まるでしょう。

インフレ手当によってエンゲージメントを高めることができれば、モチベーション高く働いてくれる人が増えるので、企業のビジョン実現につながるメリットになるのです。

離職を防止する

インフレーションの影響で家計が苦しくなると、従業員の中には現状の給与で今後の生活を送っていけるかという点に不安を感じる人も多くなります。

より給与や待遇のよい仕事に就きたいと離職を考える人もいるでしょう。

給与に加えてインフレ手当を支給すれば、給与だけでは足りないかもしれないと考えている従業員の助けになり、生活を安定させることができます。

加えて、困難な状況下で手を差し伸べてくれる会社であるという信頼を得られれば、離職せずに働き続けようという気持ちになる人が増えるでしょう。

企業イメージを向上させる

企業イメージの向上という点でも、インフレ手当の支給はメリットです。

インフレ手当の支給実績を示せば、従業員のことを考えている企業だというイメージを高めることができます。

求職者へのアピールや顧客に向けたイメージ戦略でプラスとなるでしょう。

インフレ手当の注意点・デメリット

多くのメリットがあるインフレ手当ですが、支給する際に注意すべき点やデメリットがあるということも否めません。

インフレ手当の注意点やデメリットを紹介します。

税金や社会保険料がかかる

現金を支給するインフレ手当は、福利厚生ではなく所得として扱われるため、税金や社会保険料がかかる点は注意が必要です。

従業員側と企業側の双方にかかるため、どれほどの負担額になるか見積もっておいたほうがよいでしょう。

また、配偶者の扶養に入っている従業員には、収入が扶養控除を受けられる金額に収まるように労働時間を調整している人もいます。

インフレ手当の金額がプラスされることで扶養控除からはずれてしまうといった問題が起きないか配慮しておく必要があるでしょう。

就業規則を変更しなければならない場合がある

インフレ手当の支給を行うために就業規則を変更しなければならない場合があります。

月額手当として支給する場合に加え、一時金としての支給でも、賞与以外の形を取る場合は変更が必要です。

就業規則の変更は社内で条文を書き換えるだけでは成立せず、労働基準監督署に就業規則変更届を提出する必要があり、過半数の従業員の代表者による意見書も作成しなければなりません。

手間となる一連の事務作業に人手を割かなくてはならず、デメリットに感じる企業もあるでしょう。

不足や廃止が従業員の不満につながる可能性がある

インフレーションが長期にわたり続いた場合、インフレ手当が一時金として支給されてもその場しのぎでしかないと感じる従業員もいるでしょう。

また月額手当として支給する場合は、廃止するタイミングによっては反発を受ける場合もあります。

いつまでインフレーションが続くのかは誰にも分からない状況です。

支給方法や時期に配慮しなければ、かえって従業員の不満につながってしまう可能性があるので、よく検討したうえで支給しましょう。

どのような用途に使われるかはわからない

企業が食費や生活費の足しになるようにとインフレ手当を支給しても、従業員が別の用途につかってしまう場合もあります。

贅沢品を買ってしまったり、逆に使わずに貯金したりする人もいるでしょう。

「従業員の食事をサポートしたい」「健康維持に役立ててほしい」など、確実に使ってほしい用途があるのならば、インフレ手当として現金支給をするのではなく、他のアプローチを考えたほうがよいかもしれません。

現金支給ではないインフレ対策を「社食サービス」で実現

インフレ手当について、税金や社会保険料がかかる点や、従業員の使いみちをコントロールできないといった点にデメリットを感じる場合は、現金支給ではないインフレ対策の導入も検討してみましょう。

例えば「社食サービス」なら福利厚生として導入でき、従業員の食事を補助することが可能です。

現金支給以外のインフレ対策としておすすめの「社食サービス」について、導入するメリットを解説します。

 メリット1:税金・社会保険料対策

全員が利用できるもので、従業員の豊かさや幸福のために使う費用は「福利厚生費」として計上できます。

福利厚生費には所得税や社会保険料がかかりません。

従業員に向けた福利厚生制度として「社食サービス」を導入すれば、税金や社会保険料の負担を気にせずインフレ対策を行うことができるのです。

インフレーションで出費が増えると、食費を削ってしのごうとする従業員も少なくありません。

おろそかになりがちな食事面について企業からサポートがあれば、助かると感じる従業員は多いのではないでしょうか。

 メリット2:導入しやすく利用されやすい

食の福利厚生制度であれば、給与などに直接影響するわけではないため就業規則を変更する必要無く簡単に導入できます。

中でも「社食サービス」は従来の社員食堂よりもスペースやコスト、手間を抑えられるので導入しやすいというメリットがあります。

オフィスで野菜

たとえば設置型の健康社食サービス「OFFICE DE YASAI(オフィスで野菜)」なら、冷蔵庫を置くスペースがあれば設置でき、企業規模に合わせたプランで導入できます。

新鮮な野菜やフルーツ、お惣菜が冷蔵庫に届くサービスですが、商品の取り出しや会計は従業員がセルフサービスで行うため企業側の手間はほとんどありません。

また、食事面を補助する福利厚生は全員が利用できるもので、従業員からも歓迎されやすいという特徴があります。

「OFFICE DE YASAI(オフィスで野菜)」を導入した企業でも、食事が便利になったと喜ぶ従業員の声は多く、従業員満足度が上がる傾向が見られています。

加えて、使用用途までは指定できない現金支給のインフレ手当とは異なり、確実に食事の補助に使ってもらう費用にできるという点も大きなメリットでしょう。

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まとめ

インフレーションが続く中でインフレ手当を支給することは、不安の軽減やエンゲージメントの向上に役立ち、従業員と企業の双方にメリットがある方法です。

しかし、税金がかかる対象になることや導入の手間がかかることなど注意点やデメリットも少なくありません。

インフレ手当のデメリットが気になるようであれば、現金支給ではない「社食サービス」の活用で解決できる可能性があります。

おすすめの社食サービス「OFFICE DE YASAI(オフィスで野菜)」の導入をぜひ検討してみてください。

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