企業の健康経営

-2023.12.25.Mon

健康投資管理会計とは?意味や重要性、ガイドラインについても詳しく解説

近年、働き方改革による労働環境の変化や労働者の高齢化に対して、従業員の健康管理を経営的な視点で捉え、戦略的に実践していく「健康経営」という考え方が定着しつつあります。

これに関連して、皆さんは、「健康投資管理会計」という言葉を聞いたことがありますか。

健康経営に対する意識の高まりを受け、経済産業省は企業が健康経営に取り組んでいく上での基準となる「健康投資管理会計ガイドライン」を公開しました。

健康投資管理会計ガイドラインの内容は複雑で、なかなか理解できないという方や健康投資管理会計の作成でお悩みの方も多いかもしれません。

この記事では、健康投資管理会計の概要や健康投資管理会計ガイドラインの役割、健康投資管理会計の作り方について説明いたします。

健康投資管理会計とは?

まずは健康経営を進めるうえで欠かすことのできない、健康投資管理会計について簡単にご説明しましょう。

健康投資管理会計とは、従業員の健康のための取り組みを見える化する仕組みです。具体的には、活動の費用対効果を認識し、客観的に測定することが該当します。

健康投資管理会計の目的は、企業の健康投資を効果的かつ効率的に行うことです。経産省が定めた健康投資管理会計ガイドラインに基づき、実施されます。

健康投資管理会計ガイドラインとは

健康投資管理会計ガイドラインとは、企業における健康経営の活動をさらに促進するために、経済産業省が取り決めた基本方針です。

経産省では「健康投資の見える化」を目的に、健康経営に取り組む企業に向けて2020年6月に健康投資管理会計ガイドラインが策定されました。

健康経営の成果は目に見えにくく、なかなか把握し辛いものです。しかし、それを具体的な数値によって見える化することによって、健康経営の目的や従業員が健康経営に参加するモチベーションになるメリットもあります。

また、健康投資管理会計ガイドラインを活用することで、健康経営に積極的な企業が健康経営に関する活動を客観的に評価しやすくなり、経営判断においても適切な判断を行えるようになります。

健康投資管理会計の「5つの要素」

健康投資管理会計には「健康投資」のほか、「健康投資効果」、「健康資源」、「社会的価値」といった5つの要素があります。

それぞれ詳しく見ていきましょう。

健康投資

健康投資は、健康経営を進める上で従業員の健康維持・健康増進のために使われる費用を指します。

具体的には、健康器具の購入や社内トレーニングジムの設置、メンタルヘルス講習会の開催費用、マネジメント層が健康について学ぶ際の費用などが含まれます。

その他、法定内外の各種検診費用や食生活改善を目的とした社員食堂やカフェテリアの運営費用、保健指導費用、有給休暇取得奨励に関する費用なども含まれると覚えておきましょう。

健康投資効果

健康投資効果とは、健康投資によって得られた成果のうち短期的なものを指します。

健康投資の取り組みの実施によって、どれだけ従業員の健康に対する意識や行動が変化したか、従業員の健康を維持または増進できたかを測定・評価するものです。

健康投資管理会計ガイドラインでは、健康投資施策の効果に関する指標として「自己報告による健康・行動指標」、「医学的健康指標」、「医療費・薬剤費」、「雇用指標」の4つの基準が用いられます。

また、これらに加えて「健康投資施策の取り組み状況に関する指標」、「従業員などの意識変容・行動変容に関する指標」、「健康関連の最終的な目標指標」の3つの指標もあげられます。

健康投資施策の取り組み状況に関する指標としては、例えば健康増進イベントの参加者数や参加率、従業員の満足度、認知率などをもとに評価が可能です。

従業員などの意識変容・行動変容に関する指標では、従業員の取り組みに関する理解度や運動の継続率、健康診断受診率、有給の取得日数などから判断を行います。

従業員の肥満度や血圧、血糖値といった健康診断データや、生活満足度、ストレス反応などの心理的データが最終的な健康関連の目標指標です。

加えて離職率や昇進率、アブセンティーズム、プレゼンティーズムなどの就業者関係指標も重要となるでしょう。

これらの内容をよく理解し、取り組みごとに適切な指標を取り入れましょう。

健康資源

健康資源とは、企業が従業員の健康維持・健康増進のために保有しているリソースのことを言い、健康投資によって得られる効果のうち中長期的に得られる資源です。

健康資源には「環境健康資源」と「人的健康資源」の2つがあります。

環境健康資源は、仮眠室や社員食堂・カフェテリアの設置、経営理念の決定、産業医との提携などのことです。

人的健康資源には、健康情報やプログラムに対する積極性、ヘルスリテラシーの向上、血圧やストレスなどの健康状態などが該当します。

健康投資に関する取り組みをより効果的に行うために活用し、資源が増えることで健康投資の効果はさらに高まるでしょう。

健康資源をより効果的に投資に利用するためには、自社の資源を正しく理解することが大切です。

企業価値

企業価値とは、健康投資効果や健康資源の蓄積によって表出する各種財務指標や経営指標における変化を意味し、外部から受ける評価もこれに含まれます。

判断基準は、「利益を稼ぐ力」と「各市場からの評価」の2つです。売上高や利益率、株価、就職ランキング、メディアへの露出度など、さまざまな点で市場から評価されます。

ガイドラインに記載されていない指標を使っても問題はないため、変化がよりわかりやすく見える化できる物差しを用いると良いでしょう。

社会的価値

社会的価値とは、企業が健康経営に取り組むことで地域社会や地域に住む人々に影響を与え、それによって社会が得られる効果や社会問題の解決につながることを意味します。

企業の健康経営の取り組みと地域社会は何ら関わりがないように感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、意外にさまざまな影響があるものです。

例えば企業が従業員の運動不足解消を目的として地域の清掃活動を行うと、地域の生活の質向上につながります。

また、企業内のジムなどの運動施設を一般住民に開放することで、地域全体の健康意識が高まり、健康寿命を延ばしたり社会保障費の適正化につながったりとさらなるメリットが生まれるかもしれません。

企業のリソースを地域全体で活用することにより、社会に対しても良い効果を与えることができるでしょう。

健康投資管理会計ガイドラインの持つ役割

健康投資管理会計は大きく分けて「内部機能」、「外部機能」という2つの役割があります。

企業がガイドラインをもとに健康投資管理会計を作って実施することで、企業の内外でメリットを享受できるようになりました。

それぞれの機能におけるメリットについて具体的に見ていきましょう。

内部機能

企業が健康投資管理会計を実施すると、本来の目的である健康経営に加えてさまざまな経営判断の効率化も期待できます。

各指標は企業経営における意思決定にも使われますが、経産省が健康投資管理会計ガイドラインを設定したことで指標がよりわかりやすくなり、取り組み後の分析や評価がしやすくなりました。

つまり、健康投資管理会計を実施すると健康経営をより継続的かつ効率的・効果的に実施することができるのです。

また、健康投資管理会計ガイドラインでは社内広報が重要視されています。社内広報に力を入れ、健康経営の取り組みにより多くの従業員が参加することで、効果が表れやすくなるメリットも生まれるでしょう。

外部機能

健康投資管理会計ガイドラインを利用すると、健康経営の活動の成果が数字として見えるようになるため、データとして社内外に伝えやすくなります。

つまり、健康投資管理会ガイドラインによって、自社が行っている活動やその効果が従業員、外部企業、投資家、地域社会など外部にもよりわかりやすく共有できるようになりました。

健康投資管理会計に関する活動状況などの情報を公開し、外部にも理解してもらうことは、企業が社会的責任を果たす上でとても重要で、企業のイメージアップにつなげることもできます。

また、健康投資管理会計は資本市場における投資家との対話にも利用できるため、積極的に取り組みましょう。

健康投資管理会計を作る手順

健康投資管理会計の内容やメリットを理解したところで、最後に健康投資管理会計の作り方について説明します。

健康投資管理会計を作るためには、基本的な流れに沿って戦略マップ、健康投資シート、健康投資効果シート、健康資源シートの4つのファイルを作る必要があります。

経産省のウェブサイトでは健康投資管理会計ガイドラインと共に「健康投資管理会計作成準備フォーマット」が公開されているので、ぜひ活用してみてください。

健康投資管理会計ガイドラインを活用する場合、まずは戦略マップの作成に取り掛かりましょう。

戦略マップとは、企業が取り組むべき課題や目標、その他関係性のあるものを線で結んで図にしたもののことを言います。戦略マップは「計画」、「効果」、「課題」の3つの構成に分けられ、課題から計画の順に逆算して作るのがポイントです。

戦略マップを作る手順は下記の通りです。

1.健康経営によって解決したい経営課題を設定する
2.健康投資施策とそれによって期待される健康投資効果を設定する
3.健康資源を設定する
4.健康経営によって期待されるその他の効果を設定する

戦略マップを用いることで、それぞれの課題や目標間の関係性が可視化され、健康投資の目的や自社が今持っている経営課題・健康課題、目標に対する取り組みをわかりやすく示すことができます。

戦略マップは自社の課題をどうやって解決していくかをわかりやすく図解しているため、外部に対する説明ツールとしても活用できるでしょう。

戦略マップができたら、次に健康投資シートを作成します。

健康投資シートとは、施策ごとに投資した費用をまとめる資料です。これを見るとどの施策にどれだけの投資額がかかっているかがわかります。戦略マップで整理した健康投資の各施策にかかる費用を、外注費、減価償却費、人件費、その他経費の4つに分けて入力しましょう。

3つ目のシートは健康投資効果シートです。

健康投資効果シートは、戦略マップで定めた健康投資効果に関する指標について、それぞれの効果を見える化します。

戦略マップに記載されている各指標がどのくらい向上したか確認し、目標値や過去会計年度のデータ、今年度のデータを入力しましょう。健康投資シートからは各指標ごとの投資額やデータの動きがわかるため、健康投資の改善点がよりわかりやすくなります。

最後に健康資源シートを作成しましょう。

健康資源シートは健康投資により企業内に蓄積している健康資源にどんなものがどれだけあるか把握し、検証するための一覧です。現在どのような資源が企業内にあるのかわかりやすくなるため、今ある資源を効果的に施策に役立てることができます。

健康資源を入力する際は、環境健康資源と人的健康資源の2つに分けて入力を行います。

戦略マップと4つのシートが完成したら、自社の課題とそれに対する取り組み状況や結果を分析し、今行っている施策が果たして効果的なのか、施策の見直しを行いましょう。また、健康経営に関してまとめた情報は、整理して適切な方法で外部に公表すると良いでしょう。

初めて健康経営に取り組む場合は、すべてのシートを作成する必要はありません。

施策によって解決したい課題や従業員の健康課題を把握し、これから取り組んでいきたい取り組み内容を整理してから健康投資管理会計の作成に取り掛かりましょう。

まとめ

健康投資管理会計ガイドラインを利用することで、健康経営の活動の成果を定量的に示せるため、従来より健康投資の効果分析や評価がしやすくなるほか、社内外によりアピールしやすくなります。

健康経営は、従業員の健康状態が改善するだけでなく、企業にとってもさまざまなメリットがあります。

健康投資管理会計ガイドラインを利用し、健康経営をより効果的に進めていきましょう。

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