福利厚生制度

-2024.05.22.Wed

ジムを福利厚生として取り入れるには?メリットや経費で扱うポイントも解説

近年、優秀な人材確保や離職率の低下のために、福利厚生を充実させる企業が増えてきました。

なかでも近頃の健康志向の高まりを受けて、社員の健康維持や推進のためにジムを取り入れる企業が多くなっているようです。

福利厚生を活用してジムを利用する機会が増えると、社員の健康推進だけではなく、従業員満足度の向上やパフォーマンスの向上などが期待でき、最終的に業績アップにつながる可能性があります。

この記事では、福利厚生としてジムを採用する際の具体的な方法や、押さえておくべきポイント、導入するメリットなどを解説します。

どの方法が自社に合っているのかなど、ぜひこの記事を参考に検討してみてください。

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福利厚生とは

まず、福利厚生について確認しておきましょう。

福利厚生とは、賃金や賞与など以外に、企業が社員とその家族の生活や健康を向上させるために提供するサービスのことです。

近年では、少子高齢化の影響から労働人口の低下が問題視されており、企業にとっては「優秀な人材の確保」や「社員の定着率の向上」が大きな課題となっている状況です。

こうした変化や課題に対応するために、多くの企業が福利厚生制度の強化や充実に力を入れています。

また、福利厚生には「法定福利厚生」と「法定外福利厚生」の2種類があります。法定福利厚生とは、その名の通り「法律で定められた福利厚生」です。

社会保険や労働保険がこれに当たり、法律によって義務付けられているため、企業は必ず設置しなければなりません。

一方、法定外福利厚生とは、法律で義務付けられていない福利厚生のことで、企業が任意で導入するものを指します。

「住宅・通勤関連」「健康・医療関連」「育児・介護関連」「レクリエーション関連」など、その種類は幅広く多種多様で、独自の様々なサービスを導入することが可能です。

ジムの利用は、この法定外福利厚生にあたります。

福利厚生に「ジム」を取り入れるメリットとは

 ここではジムを取り入れるメリットについて、社員側から見たメリットと企業側から見たメリットをそれぞれ解説します。

従業員側のメリット

従業員側のメリットについて、まず考えられることは「健康促進」です。

ジムを活用することで運動習慣がつきやすくなり、社員の運動不足解消が期待できます。

近年は業務のデジタル化が進んでいることもあり、パソコンで作業をする機会が増え、デスクワークの割合が多くなっています。

また、コロナ禍を経てリモートワークの機会が増えたことで、通勤時の運動すら減ってしまっている可能性もあります。

福利厚生でジムを活用することができれば、定期的に運動する機会を得ることができます。

運動の機会を増やすことで、健康促進だけでなく、ストレス解消の手段として心の健康促進にもつながるでしょう。

次に挙げられるのは「パフォーマンスの向上」です。

運動をすることで、適度な筋肉がつき免疫力もアップします。そのため病気をしにくくなったり、腰痛や背中の痛みなどを軽減できたりする可能性が高まります。

また、運動をするとセロトニンが分泌され、それによって気持ちの切り替えがしやすくなることも考えられます。

その結果、心身ともにリフレッシュされて健康な良い状態で業務にあたることができ、パフォーマンスの向上にもつながるでしょう。

最後に「社員同士の交流の活発化」があげられます。

ジムを通して、通常の業務ではあまり関わらない人との接点が生まれることが考えられます。

また、上司と職場以外の場所でコミュニケーションを取ることができ、よりリラックスした雰囲気で、業務の相談などもしやすくなるかもしれません。

新たに交流を深めていくことで、より円滑な業務遂行や生産性の向上につながることもあるでしょう。

企業側のメリット

企業側のメリットとして、まずは「企業のイメージアップ」があげられます。

福利厚生の1つとしてジムを導入することで、社員の健康面も大切にする企業だということを社内外にアピールでき、企業のイメージアップを図ることができます。

これは採用活動に有利なだけではなく、採用後の定着率アップにも有効なため、優秀な人材の確保に大いに貢献するでしょう。

次に考えられることは「従業員満足度の向上による業績アップ」です。

社員がジムを利用して心身を健康に保つことができれば、ワークライフバランスも整いやすくなるため、従業員満足度の向上が期待できます。

従業員満足度の向上は、仕事の質の向上や業務効率の改善につながり、その結果として業績アップにつながっていくでしょう。

最後にあげられるのは「休職率や離職率の低下」です。

病気やケガなどの理由で社員が長期離脱することになると、企業にとっては様々な面で大きな痛手となるでしょう。

スムーズな業務遂行にも影響が出て、業績悪化につながりかねません。

企業全体で社員の健康促進を進めることで、こうしたリスクを低減することができるでしょう。

ジムの利用は福利厚生の経費にできる?

 ジムの利用費を経費にする場合、福利厚生として計上できる場合とできない場合があるため、注意が必要です。

「個人事業主」「家族経営」「実際の利用者が少ない」といった場合は、基本的に福利厚生の経費とはなりません。

福利厚生とはあくまで、企業が社員とその家族の生活を充実させるために設ける制度や施設のことであるという大前提があります。

個人事業主やフリーランスの場合、本人がサービスを提供する側となるため、自分にかかった費用を経費として計上することはできません。

社員がいる場合には、屋号名義でジムの会員となれば社員が利用した分の費用のみ、経費とすることができます。

スポーツに関わる事業を行っている場合やスポーツインストラクター、ジムトレーナーなどの個人事業主の場合は、福利厚生費ではなく通常の経費として計上可能です。

家族経営の場合も個人事業主と同じ理由から、ジムの費用を経費として計上することができません。

また、社長以外の家族社員に関しても経営者側と判断されるため、基本的に福利厚生の対象外です。

実際の利用者が少ない場合にも、税務調査などの際、福利厚生として認めてもらえなくなる場合があります。

そのため、ジムを利用できるというだけではなく、多くの社員による利用実績を作ることが重要です。

上記以外の場合であれば、ジムの利用費を経費として計上できる可能性があります。

しかし、業種や業務内容などによって異なる場合もあるため、必ず全てが認められるというわけではありません。

詳しい内容については、必ず税理士などに確認するようにしましょう。

福利厚生にジムを取り入れる方法

ここでは、福利厚生としてジムを利用する方法を3つ紹介します。それぞれの特徴をまとめていますので、ぜひ参考にしてみてください。

  • 外部のジムに法人登録する
  • 社内にジムを作る
  • ジム利用が含まれる福利厚生サービスを取り入れる

外部のジムに法人登録する

企業がジムの利用を福利厚生としたい場合、外部のジムに法人登録をする方法が一般的です。

目的にあったフィットネスクラブやスポーツジムなどに法人登録をすることで、社員は通常よりお得な法人会員価格で利用できるようになります。

または、企業側で全額負担とすることで、社員が無料で利用できるようになるケースもあります。

しかし、近年ではジムの数も多くなっているため、導入時にそれぞれの内容や金額などを確認するには時間がかかるかもしれません。

急ぐあまり十分な比較検討ができないと、費用がかさんでしまったり、目的に合わない施設を選んでしまったりする可能性があるため、時間に余裕を持って行うようにしましょう。

社内にジムを作る

次の方法は、社内にジムを作る方法です。

社内にジムがあると、お昼休みに利用したり、終業後などにすぐに運動できたりと、社員は手軽に利用することが可能です。

しかし、社内にジムを作るとなると、スペースの確保や機器の導入と設置が必要で、導入までにはかなりの時間と労力を必要とします。

初期費用や維持費などの経費も、ある程度まとまった額が必要となるでしょう。

そのためこの方法は、資金力に余裕のある大手企業にはいいかもしれませんが、中小企業には不向きな方法と言えるかもしれません。

ジム利用が含まれる福利厚生サービスを取り入れる

最後に、ジム利用が含まれる福利厚生サービスを取り入れる方法があります。

福利厚生サービスは、従来、人事部や総務部が担当していた福利厚生業務を代行してくれるサービスです。

「健康増進・ヘルスケアサポート」「育児・介護支援」「旅行・レジャー」「生活支援」など、様々なジャンルをまとめて扱っているので、福利厚生を手軽に取り入れられます。

近年ではライフワークバランスを重視する傾向にあり、優秀な人材の確保には、充実したサービスがある働きやすい環境が欠かせなくなってきています。

そのため、福利厚生の充実に取り組む企業が多くなっていますが、ジムの利用に限らずこうしたサービスの整備には、知識やノウハウのほか、コストやマンパワーが必要です。

まとめて代行・運用してくれて、コストダウンも期待できる福利厚生サービスは、近年注目を集め、利用する企業も多くなっているサービスです。

福利厚生サービスにはジムの取り扱いがない場合もあり、また、取り扱う場合でも形態が様々あります。

利用を検討する場合は、ジムの取り扱いがあるか、その内容はどんなものかをよく確認するようにしましょう。

ジムに法人登録して福利厚生として扱う場合のポイント

法人登録をしてジムの利用費を福利厚生で計上する際は、押さえておくべきポイントがいくつかあります。

そもそも、ジムの利用費を会社の経費とするためには、税務署に福利厚生費として認められなければなりません。認められやすくするための4つのポイントを、かんたんに解説します。

・契約は法人名義でおこなう
法人名義で契約することで、企業がジムの費用を支払ったことを証明できるため、社員の利用を福利厚生として認めてもらいやすくなります。

・利用規約を作成し、社員に周知する
ジムを利用する際の利用規約を作成し、社員に周知しておきましょう。社員向けの利用規約を作ることで、福利厚生を目的とした導入であることがわかり、経費として認められる可能性が高まります。

・全社員が平等に利用できる
福利厚生は、全社員が平等に利用できることが前提です。役員など一部の人しか利用できない状況では、福利厚生とは認められず、給与扱いとなる場合があるため注意が必要です。

・利用記録を保管する
ジムの利用実績は、社内で記録して保管しておきましょう。どのくらいの社員がジムを利用できているかを示すのに役立ち、経費として認められやすくなります。

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人気の福利厚生のひとつに、社食や食事補助などの食に関する福利厚生があります。

食事は健康推進にも大きく影響するもので、健康関連の福利厚生とも言えるでしょう。

福利厚生の充実を目指す企業が増える中、手軽に導入できる食の福利厚生として「OFFICE DE YASAI(オフィスで野菜)」が注目を集めています。

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専用の小型の冷蔵庫や冷凍庫を設置すればすぐに導入でき、社員は24時間いつでも利用することができます。

健康促進のためには、ジムなどでの運動も大切ですが、同時に食事にも注目するべきでしょう。

社員の健康面をサポートするサービスとして、ジムの導入を検討するとともに「OFFICE DE YASAI(オフィスで野菜)」の導入も検討してみてはいかがでしょうか。

まとめ

ジムを福利厚生として取り入れる方法やその際のポイント、取り入れることで得られるメリットなどについて解説してきました。

ジムや食事補助は福利厚生の中でも社員からの人気が高いため、導入することでより多くの効果が期待できるでしょう。

他社との差別化を考える上でも、有効な手段と言えるのではないでしょうか。

自社に合ったサービスをうまく取り入れ、社員のワークライフバランスの向上や企業の業績アップにつなげていきましょう。

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