企業の健康経営

-2022.08.20.Sat

【解説】勤務間インターバル制度とは?従業員の健康を支える制度の導入方法を解説

みなさんは、「勤務間インターバル制度」をご存知でしょうか。

働き方改革が進められる中、ワークライフバランス実現や健康促進に効果があると期待されている制度で、2019年4月から努力義務となり昨今注目を浴びています。

今回は勤務間インターバル制度のメリットや、導入するポイントを解説いたします。

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勤務間インターバル制度とは

勤務間インターバル制度とは、退勤から次の出勤までの間に、一定時間空けなければならないインターバル(休息時間)を設けるという制度です。

残業などのために、定められたインターバルが取れない時は、翌日の出勤を後ろ倒しにして調節します。

例えば、出勤時間は8時、勤務間インターバル制度の休息時間を11時間に設定している会社を考えてみましょう。

残業しても21時までに退勤すれば、翌朝出勤する8時までのインターバルは11時間以上とれるため、翌朝は通常通り8時に出勤できます。

しかし、もし23時まで働いた場合、8時の出勤では、インターバルが9時間しか取れません。

そのため、翌朝は通常より2時間遅らせた10時に出勤して、勤務間インターバル制度に従った休息時間を取るようにしましょうという仕組みなのです。

出勤をずらす以外にも、インターバルに働いた時間を翌朝働いたものとみなして調整する方法もあります。

また、労働を禁止する時刻を定めてインターバルと重ならないようにしている会社もあるようです。

必要な休息時間は?

厚生労働省は、「9時間以上11時間未満」又は「11時間以上」の休息時間が取れる勤務間インターバル制度の導入を、後述する助成金制度の成果目標として掲げてます。

導入を検討している企業は、参考にして社内の規則を制定するとよいでしょう。

ただし、働き方や業務は企業によって異なりますので、それぞれの実態に合わせ手休息時間を設定することが重要です。

業務に支障が出ないという点にも配慮しながら、自社に合った勤務間インターバル制度を模索していく必要があるでしょう。

2019年4月から努力義務となる

働き方改革関連法に基づいて労働時間等設定改善法が改正され、2019年4月の施行からは、勤務間インターバル制度が事業主の努力義務になっています。

法改正以前は国内で勤務間インターバル制度を導入している企業はわずかで、制度を知らないという事業主も少なくありませんでした。

しかし、法改正後は徐々に認知度が高まり、導入を検討している企業も増えているようです。

勤務間インターバル制度が広く知れ渡ることで、労働環境がより一層改善されていくと期待されています。

なぜ勤務間インターバル制度が注目されているか

勤務間インターバル制度は、従業員の睡眠やプライベートを確保できるという点が評価されています。

背景には、なかなか無くならない長時間労働による過労などの社会問題があります。

働き方改革関連法でも、月や年単位の期間において残業の上限に関する規則は定められていますが、特定の日や短期間のケースまではカバーできていません。

たとえ特定の短い期間に行うものでも、「夜遅くまで仕事をして翌朝には早朝から出勤する」という過酷な労働環境は過労につながります。

無理のある労働を無くしていくためには、日々の休息を守る勤務間インターバル制度が有効であると考えられているのです。

勤務間インターバル制度を導入するメリット

勤務間インターバル制度には、従業員の健康やワークライフバランスが改善され、企業全体の生産性も高まるという効果が期待できます。

また採用時には、労働環境に配慮している企業として、アピールにもなるでしょう。

勤務間インターバル制度のメリットをご紹介します。

従業員の健康を保つ

勤務間インターバル制度の最も大きなメリットは、従業員の健康維持につながるということです。

十分な休息を得られないまま仕事を続けると、心身共に疲弊していき、体調を崩しやすくなるでしょう。

長時間労働によって健康を損ねると、最悪の場合、社会問題にもなっている過労死につながってしまいます。

体調不良を防ぐためには、睡眠やリフレッシュをしっかり取れるように配慮することが重要です。

また睡眠不足は、判断力などのパフォーマンスを低下させるというデータもあります。

従業員が最大限に能力を発揮できる状態を保つためにも、一定の休息を取る必要があるでしょう。

勤務間インターバル制度は、従業員の健康を促し、企業の生産性を高めるために、重要な役割を果たす制度として期待できます。

ワークライフバランスの実現

仕事と私生活の両立を図る、ワークライフバランスの実現にも、勤務間インターバル制度は効果的です。

連続した一定時間のインターバルがあることで、従業員はプライベートを充実させることができます。

ストレスを発散できる私生活が守られることで、気持ちの切り替えがスムーズになり、仕事中は業務に専念できるようになるでしょう。

勤務間インターバル制度によってワークライフバランスの実現を図ることは、仕事に対するモチベーションの向上につながるのです。

採用や人材定着に好影響

勤務間インターバル制度の取り組みを行うことは、従業員の労働環境に配慮している企業であるという評価につながるため、採用面でも好影響があるでしょう。

近年、日本では少子高齢化などの影響で労働力が不足しがちです。

人材確保は企業の大きな経営課題であり、いかに魅力のある職場作りをしていけるかがポイントとされています。

勤務間インターバル制度の導入で、健康促進やワークライフバランスの実現に取り組んでいるとアピールできれば、採用時のメリットとなるでしょう。

働きやすい労働環境を構築できれば、長く勤めていたいと考える人も増え、優秀な人材の定着につながりそうです。

採用や人材定着の面で考えても、勤務間インターバル制度は採り入れる効果が大きいと言えるでしょう。

勤務間インターバル制度の導入にデメリットはあるか

勤務間インターバル制度では、設定する休息時間などの面で、企業の実態に合わせた制定が重要です。

企業に合った形で導入できなかった場合、メリットよりもデメリットが目立ってしまう可能性があります。

隠れて残業を行う人が出てきてしまうケースや、環境整備が追いつかず従業員の負荷になるという事態が起こり得るためです。

隠れて残業するケースが出る可能性

制度の厳守を徹底すると、時間内に仕事が終わらない事態が発生した時に、隠れて残業をする従業員が出てきてしまうことも考えられます。

いわゆるサービス残業や、仕事を持ち帰って行うといったケースです。

勤怠管理などの見かけ上では制度が守られていたとしても、一定時間の休息を確保するという目的は果たしておらず、勤務間インターバル制度が実現できているとは言えないでしょう。

対応策としては、パソコンの持ち帰りを禁じるなどの方法が考えられますが、基本的な業務量の見直しや作業の効率化といった工夫も必要となるかもしれません。

環境の整備や制度の定着に負荷がかかる

各従業員のインターバル時間を正しく把握するには、勤怠管理が複雑になり、担当者の負荷になることも考えられます。

費用がかかるかもしれませんが、自動計算できる勤怠管理のシステムを採り入れるなど、新しく環境整備することが必要なケースもあるでしょう。

また、実態に合っていないと業務が滞るケースも考えられます。

制度の定着が進まない時や、反対の声が上がる際には、制度内容を見直す必要があるかもしれません。

無理のない範囲の制定であっても、新しい制度の導入には誰しも戸惑いを感じるものです。

経営層や部門のリーダーはメンバーに向けて丁寧にインターバルの重要性を発信し、理解を得ていくことが制度定着につながるでしょう。

勤務間インターバル制度の支援や罰則について

働き方改革の一環である勤務間インターバル制度は、厚生労働省が普及に向けて様々な取り組みを行っています。

導入企業への助成金や罰則の有無について詳しくご説明いたしますので、ぜひ参考にしてみてください。

厚生労働省による助成金

厚生労働省によって、勤務間インターバル制度の導入企業を支援する助成金が制定されています。

制度導入のために行った環境整備や研修などの費用について、一部が支給されるものです。

次の3パターンのいずれかに当てはまれば、勤務間インターバル制度の助成金が受け取れるので、申請を忘れず行うと良いでしょう。

・新規導入
新しく9時間以上の勤務間インターバル制度を設ける場合

・適用範囲の拡大
すでに9時間以上のインターバルを設けている企業が、対象者を拡大する場合

・時間延長
すでに9時間以上のインターバルを設けている企業が、休息時間を2時間以上延長する場合

助成金を受け取るためには、一定の成果や改善が必要であるため注意しましょう。

成果目標としては、事業主が事業実施計画で指定した事業場すべてで、勤務間インターバル制度を導入して定着を図るということが定められています。

助成金の支給額は導入費用の4分の3と定められていますが、受け取れる最大金額は休息時間数によって異なります。

新規導入で受け取れる給付金は、休息時間が9時間以上11時間未満なら最大80万円、11時間以上の休息時間を確保できれば最大で50万円です。

既に導入している企業が適用範囲の拡大や休息時間を延長する場合には、9時間以上11時間未満で最大40万円、11時間以上で最大で50万円の助成金が受け取れます。

助成金の申請に必要な書類は、厚生労働省のHPからダウンロードできるので、記入したら所在地管轄の都道府県労働局雇用環境・均等部に提出しましょう。

努力義務のため罰則はない

法律で定められていると聞くと、守らなければ罰せられるのかと不安になる方も多いかもしれませんが、勤務間インターバル制度は努力義務であるため、罰則はありません

しかし、従業員の健康を促進することは、企業の生産性を向上するために必要不可欠なものだという認識は着実に広がってきています。

EU加盟国では既に法令で義務付けられているので、日本でも勤務間インターバル制度が義務化される可能性を考慮して、備えておくことは必要かもしれません。

勤務間インターバル制度導入におけるポイント

企業によって働き方は様々なため、インターバル時間数などは自社に合ったものを設定していく必要があります。

実態に合った形で導入できないと、制度が定着しない恐れもあるでしょう。

勤務間インターバル制度の導入をスムーズに行えるように、ポイントをご紹介いたします。

現状の把握が必要

まず導入前に、労働時間の現状を正確に把握することが必要です。

実態からかけ離れたインターバルを設けてしまうと制度が十分に機能しない恐れがあります。

サービス残業などがある場合は、タイムカードの数字だけでなく実際の労働時間を調査する必要があるでしょう。

自社に合った形で制度を導入する

現状を把握できたら、自社に合ったインターバル時間を検討しましょう。

インターバルには睡眠時間だけでなく、通勤や生活の時間も含まれることも考慮しなければなりません。

インターバル時間数を決定して制度を設計したら、シュミュレートする必要もあるでしょう。

現場で働く従業員の意見も確認しつつ、運用方法を定めていくとよいでしょう。

就業規則を見直す

新しい制度を始める際は、守るべき社内のルールとしてしっかり規定しておかないと、制度が形骸化してしまう事態が少なくありません。

勤務間インターバル制度の運用方法が決定したら、就業規則を見直し、落とし込むとよいでしょう。

就業規則には、インターバルの時間数や、制度適用時の翌日の労働時間の取り扱いなどを明文化しておきましょう。

勤務間インターバル制度の運用方法には、現在のところ法令による決まりはありません。

自社に合った形で導入し、きちんと機能する制度として、従業員の健康促進に活用していけるのが望ましいですね。

健康を考えた取り組みを行う際は、食生活の面でもサポートを行うと大きな成果が得られるのではないでしょうか。

勤務間インターバル制度でも活用しやすい健康社食サービス「OFFICE DE YASAI(オフィスで野菜)」をご紹介します。

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勤務間インターバル制度では、出勤時間が後ろ倒しになることで、休憩時間もずらしたいと思うケースが発生するかもしれません。

一般的な社食であれば営業時間が気になるところですが、「OFFICE DE YASAI」なら24時間いつでも利用できるので、制度導入後も使いやすいのではないでしょうか。

休憩時間がずれてしまった時はもちろん、仕事終わりなどインターバル時間にも、健康的な食べ物を食べてリフレッシュすることができるでしょう。

「OFFICE DE YASAI」は冷蔵庫を設置できるスペースが有れば導入でき、会計は各自で支払いまで済ませられるため、新たな人員を用意する必要もありません。

導入したことで「健康的な食事を摂るようになった」という意見も多いので、従業員の健康促進をお考えの際は、ぜひ「OFFICE DE YASAI(オフィスで野菜)」を検討してみてくださいね。

まとめ

勤務間インターバル制度は、従業員の休息時間を確保できるため、健康促進に大きく貢献する制度と言えるでしょう。

努力義務として規定されていますが、休息時間数や運用方法に決まりは無いので、各企業に合わせた制度設計が重要です。

ぜひ企業に合った勤務間インターバル制度を検討しながら、「OFFICE DE YASAI(オフィスで野菜)」などの便利なサービスも、健康促進に役立ててみてくださいね。

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