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健康経営アドバイザーとはどんな資格?取得のメリットや取得方法を解説
健康経営に関わる専門家「健康経営アドバイザー」という資格が注目されています。
健康経営アドバイザーとはどのような資格なのか、健康経営アドバイザー資格の取得方法について、本記事で解説します。
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目次
健康経営とは
健康経営アドバイザーについて学ぶ前に、まずは、企業の健康経営についておさらいしましょう。
健康経営とは、企業が従業員の健康に配慮した取り組みを行うことで、経営的な成果を出すというものです。
経営的視点から、従業員の健康に関する取り組みを戦略的に行っていきます。
健康経営は、企業内での取り組みにとどまりません。
経済産業省は「健康経営優良法人」認定制度を設けて健康経営に取り組む企業を支援しています。
この制度の支援内容としては、ホワイト企業であることの証しになるだけでなく、投資家や地域などの外部評価を高められることにあります。
健康経営に取り組むことで、周囲の評価が高い会社で従業員が生き生きと働く姿を見せられ場、名実ともにホワイト企業と認識されるでしょう。
健康経営アドバイザーとは
企業の健康経営に携わる健康経営アドバイザーは、健康経営の重要性を伝え、健康経営を実践するきっかけをつくる人です。
経済産業省が、健康経営人材の育成・活用の促進を目的として作った資格制度で、東京商工会議所が請け負い、2016年から始まりました。
健康経営アドバイザーの研修内容は、健康経営について企業に効果的に伝える技術や健康経営を推進するための知識などです
初年度に健康経営アドバイザーとなった方は約7,000人、2018年度は12,000人に急増し、これまでにのべ30,000人以上が健康経営アドバイザー講座を受講しています。
健康経営アドバイザーの役割
企業内の健康経営アドバイザーにはどのような役割があるのでしょうか。
健康経営アドバイザーは、経営者や従業員と調整を図りながら、健康経営の実現に向けて取り組みを進めていくため、健康経営における中心的な立場と言えるでしょう。
健康経営を推進するにあたり、健康経営アドバイザーは大きく分けて3つの役割を担います。
それぞれの役割について詳しくみていきましょう。
健康経営の推進役
健康経営アドバイザーの役割のひとつ目は健康経営の推進役です。従業員の健康に関する課題を洗い出し、健康経営を推進していきます。
健康経営とは「従業員の健康を推進すること」ですので、どの企業でも同様の内容だと思われがちです。しかし、従業員の健康課題は企業によって大きく異なる場合もあるのです。
例えば、製造業とサービス業のように異なる業種では、健康課題も異なってきます。また、同じ企業内であっても製造部門と企画部門とでは従業員の健康課題に違いが生じるでしょう。
健康経営を推進するために、健康経営アドバイザーはまず、従業員にヒアリング調査を行なったり、健康診断の結果を分析したりして、現状の課題を洗い出す作業を行う必要があります。
健康経営の運営役
次の役割として、健康経営の運営役があげられます。
健康経営の運営とは、健康経営のための具体的な計画を立案し、実行していくということです。
通常、企業内に健康経営を担う専門の部署が置かれていることは少ないでしょう。
そのため、洗い出した現状の課題をもとに、計画を立案し実行へと導いていくという流れを、運営役として健康経営アドバイザーが一手に担います。
健康課題に対する適切な解決方法の指南役
最後にあげる役割は、健康課題に対する適切な解決方法の指南役です。計画を実行へ移したのちに、さらに生じてきた課題を解決していきます。
健康経営に関する取り組みを実行したあとも、場合によってはさらにフォローが必要になることがあります。計画を実行して終わりではなく、健康経営アドバイザーとして、最終的な問題を適切に解決していくことも重要な役割です。
健康経営アドバイザーと産業医の違い
企業によっては「産業医」が設置されている場合があります。「産業医」は、従業員の健康増進に関する業務を担うという点で、健康経営アドバイザーの業務と似ている印象を受けるかもしれません。
しかし、健康経営アドバイザーと産業医とでは、大きく3つの違いがあげられます。
その3つの違いについて確認してみましょう。
まず、1つ目の違いとしては業務内容があげられます。
産業医はその名の通り、医師として医学的な知見を持って従業員の健康に関わり、健康経営を実現させていきます。
具体的には、健康診断やストレスチェックなどをもとに、医師として従業員一人ひとりにアドバイスをしたり、あるいは、企業の従業員の健康度合いなどを評価したりします。
一方、健康経営アドバイザーは、先述したような健康経営に関する施策の実施や、実施後のフォローまでの業務を、経営的な視点をもって行います。
2つ目の違いは、設置または選任の義務があるかどうかという点です。
産業医は、企業の規模や業種によって設置が義務付けられるものです。
専属産業医を設置するのか、委託産業医を選任するのか、また設置人数についても労働者数や業務内容によって細かく取り決められています。
それに対して、健康経営アドバイザーの設置は、企業にとって義務ではなく任意となっています。
3つ目は、資格取得の難易度の違いがあげられます。
産業医は、医師ですから国家資格の医師免許の取得が大前提としてあります。
医師免許を取得した上に、産業医の資格も得る必要があるため、資格取得のハードルはかなり高いといえるでしょう。
一方の健康経営アドバイザーに関しては、先述したように、東京商工会議所の研修プログラムを受講し、効果測定(試験)を通過すれば取得できる資格ですので、産業医ほどハードルは高くありません。
両者を比較すると、健康に関して興味・関心が高い人が産業医を目指すのは、非常にハードルが高いですが、健康経営アドバイザーであれば、自身の知識や経験を活かして目指すことができるでしょう。
健康経営アドバイザーの資格を取得するには
健康経営アドバイザーは企業の健康経営にとって非常に重要な役割を果たすことが分かりました。
これから健康経営アドバイザーを目指す方に資格取得方法について解説します。
受験資格
健康経営アドバイザーの受験資格に、細かい規定はありません。
申し込みから研修受講、受験までの全てをオンラインで完了することができるため、場所や時間を気にする必要がなく、誰にとってもチャレンジしやすい資格となっています。
ただし、資格の認定期間は2年間となっていて、その都度更新が必要となるので注意しましょう。
また更新の際には、最初の資格取得時と同様に研修を受けなければならず、その内容も2年ごとにリニューアルされています。
これまでも、SDGsの内容が追加されるなど、時代に合わせた変更が加えられていますので、受講することで新たな知識の取得にもつながるでしょう。
資格取得の流れ
健康経営アドバイザー資格を取得するための受験資格は特になく、誰でも挑戦することができます。
定期的に取得しようと思った時に挑戦できるのはありがたいですね。
また、健康経営アドバイザー資格はEラーニングで取得可能なので、どこでも受験可能なのもうれしいところです。
企業の健康経営に取り組もうと思い立ったらすぐに挑戦できる資格です。
Webサイトから申し込み
健康経営アドバイザー資格試験は、東京商工会議所が実施主体となっていますので、同所のホームページから受験の申し込みができます。
Eラーニングでの受講
研修は、インターネットを使い、動画によって受講ができますが、動画再生に推奨されている環境がありますので、あらかじめチェックしておきましょう。
研修の申込後、マイページにログインすると動画による受講が可能となります。
受験
申し込み後、郵送によりテキストが届けられます。
研修のテキストは277ページとボリュームがあり、健康経営に関する知識を体系的に理解することが必要とされています。
動画での受講は教えられるだけの一方通行ではありますが、しっかりと知識を身につけて効果測定に備えましょう。
料金
健康経営アドバイザー研修の受講料金は8,800円(税込)で、研修時のテキスト代と効果測定の受験料が含まれています。
効果測定は、何回挑戦しても無料ですので、初めて挑戦する人にとっても定額で資格取得ができます。
試験の難易度
現状では健康経営アドバイザーの難易度は、高くないといわれていますので、落ち着いて研修に臨みましょう。
研修受講後の効果測定で10問の4択問題を7問以上、正解する必要があります。
効果測定の結果は即時に判定され、合格の場合は認定証(PDF)が配布されますが、仮に不合格だった場合でも、利用期間内であれば無料で何回でも効果測定を再受験できます。
効果測定の試験は、正答率70%以上の成績を出すことで合格できます。
資格の有効期限
経営アドバイザー資格には認定日から2年間の有効期限が設けられていますので、2年ごとに資格を更新しなければなりません。
更新時には、再び研修を受講し、効果測定を受ける必要があります。
先に伝えた受講料金が再び発生することとなります。
感染症が流行する現在は、健康経営アドバイザー認定者(有効期限内)に「感染症対策に関する追加テキスト(23ページ)」をダウンロードすることも可能です。
健康経営エキスパートアドバイザーとは
健康経営アドバイザーの上位資格として、健康経営エキスパートアドバイザーがあります。
健康経営エキスパートアドバイザーは、企業経営、関連法規、保険事業などに関して一定の知識を有していなければならず、より高いスキルを求められます。
そのため、健康経営アドバイザーは誰でも資格取得が可能なのに対し、健康経営エキスパートアドバイザーは、一定の要件をクリアーしている人だけが取得可能な資格となっています。
試験についても、健康経営アドバイザーの試験内容に比べると難易度が高く設定されています。
健康経営エキスパートアドバイザーの受験資格
健康経営アドバイザーの資格を持った上で、以下の有資格者であること。
- 医師
- 保健師、看護師
- 管理栄養士
- 健康運動指導士
- 労働衛生コンサルタント
- 中小企業診断士
- 社会保険労務士
さらに、上記の受験資格に加えて、試験合格後にワークショップに参加し「健康経営診断報告書」を提出することが必要です。
試験自体の難易度も高く、90分間で多肢選択式の50問を解き、おおむね8割以上の正答率であることが必要です。
健康経営エキスパートアドバイザーの試験内容
健康経営エキスパートアドバイザーの試験内容としては、試験会場で受験する「知識確認テスト」と、ワークショップ参加後に作成する「健康経営診断報告書」の提出による「効果測定」の2つがあります。
知識確認テストは50問の出題があり、だいたい正答率8割以上が合格ラインとなるため、40問以上正解しなければならないということになります。
効果測定でも、8割以上の正答率がボーダーラインとなっていて、その内容もかなり実践的なものとなっています。
健康経営推進の担当者は健康経営アドバイザー資格を取るべき?
健康経営アドバイザー資格を健康経営担当者は取得するべきでしょうか。
資格取得者が企業内にいると、どのようなメリットがあるか2点挙げますので、検討材料にしてください。
課題発見や健康経営の推進に役立つ
健康経営アドバイザーは、研修で健康経営に関する知識を学んでいますので、資格取得者が企業内にいれば、企業内の現状を把握した上で、的確に経営の課題を解決に導くことができるでしょう。
企業外部からの視点ではなく、内部に健康経営アドバイザー資格者がいることがポイントです。
その企業にぴったり合った健康経営の計画や実行が可能となるでしょう。
企業イメージの向上につながる
健康経営アドバイザーが企業内にいることを周知させれば、従業員の健康増進に取り組む企業としてイメージの向上が図れます。
具体的にはホームページや資格者の名刺などに健康経営アドバイザーの名称を掲載してアピールします。
取引先企業などから、事業内容とは異なった健康経営に関する新たなサービスの提供や、講演などを求められる可能性もあるでしょう。
健康経営の推進に役立つサービス「OFFICE DE YASAI(オフィスで野菜)」
健康経営を推進する1つの方法として、企業が従業員に栄養バランスの取れた食事を提供することが挙げられます。
大企業では、昼食だけでなく、朝食や夕食なども従業員に提供し、実践されています。
しかし、中小企業の場合、そのような食事を提供するような施設・設備への投資はなかなか難しいでしょう。
そのような場合には社食サービス「OFFICE DE YASAI(オフィスで野菜)」を利用してみてはいかがでしょうか。
冷蔵庫と電子レンジなどは「OFFICE DE YASAI(オフィスで野菜)」から提供され、いつでも好きな時間に野菜やフルーツなどを使用した軽食をとることができます。
従業員は1個100円(税込)から手軽に購入することができるため、ビタミンやミネラル補給、さらには気分転換を手軽に行うことが可能です。
「OFFICE DE YASAI(オフィスで野菜)」の導入で、健康経営の第一歩を踏み出すことができるでしょう。
まとめ
健康経営アドバイザーの資格は、まだ制度として始まったばかりですが、資格取得者が急増しています。
健康経営の手始めに、企業の担当者が学び始めたということもできるでしょう。
自社の健康経営の強力なサポーターとして、健康経営アドバイザーを育成してみてはいかがでしょうか。
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