企業の健康経営

-2024.07.31.Wed

健康経営の推進で重要となる「見える化」とは?重要性や指標について解説

国が企業の健康経営を後押ししていることもあり、健康経営に取り組む企業が増え続けています。

健康経営に取り組む際に重要となってくるのが「見える化」です。

ビジネスの現場で用いられている「見える化」という言葉ですが、健康経営にはどのように関わるのでしょうか。

本記事では、健康経営にはなぜ「見える化」が必要なのか、「見える化」することの重要性や健康経営に関する指標について解説します。

健康経営とは

これまで個人の責任の範囲とされてきた従業員の健康を、企業が経営的な視点で捉え、戦略的に維持・向上させていく取り組みが、健康経営です。

背景には、従業員の健康状態を良好に維持することによって、より仕事に集中してもらい、企業の生産性の向上や業績アップにつなげたいという目的があります。

企業の健康経営の取り組みによって、自身の健康状態が良好になることは、従業員にとっても好ましいことだといえるでしょう。

従業員が生き生きと働く姿や、企業が従業員の健康に配慮する取り組みは、企業のイメージアップにも直結しており、従業員の定着率や採用にもいい影響を及ぼすはずです。

健康経営に取り組む企業に対して、国は「健康経営優良法人認定制度」や「健康経営銘柄」などの制度を設け、後押ししていることもあり、取り組む企業の裾野は広がってきています。

健康経営で重要となる「見える化」とは?

近年、一般化されつつあるビジネス用語「見える化」は、トヨタ自動車株式会社が1998年に表した「生産保全活動の実態の見える化」で用いた言葉です。

「見える化」は、業務の現状や進捗状況、実績などの見えづらいものを客観的に認識できるようにすることをいいます。

「可視化」と似た言葉ではありますが、単に視覚的に認識しやすくするだけでなく、「見える化」には、業務の改善や課題解決のために活用するという意味も含まれていると捉えるといいでしょう。

なぜ「見える化」が必要?

スポーツやダイエットに挑戦したことがある方なら実感しやすいかもしれませんが、健康維持・向上への取り組みは、一朝一夕には効果を期待できません。

健康経営は、継続的に行ってこそ成果を得られるもののため、健康経営の取り組みには「見える化」が重要です。

企業で業務に臨む際は、目標を定め、目標達成に向けて行動計画を練り、効果測定をする流れでしょう。

健康経営も同様に、状況を「見える化」して把握し、効果的な施策を打ちながらPDCAサイクルを回して目標達成に向けて動いていきます。

企業の営業活動と健康経営が異なる点は、健康経営が直接的な利益を生まないため、後回しにされてしまう可能性があることです。

健康経営に取り組む際は、状況を「見える化」していくことで、自然消滅を防ぎ、定着させていくことがポイントといえるでしょう。

健康経営では何を「見える化」すべき?

「見える化」していくことが重要な健康経営ですが、「見える化」すべきことは主に2点あります。

まずは、現状の課題を「見える化」することです。

健康経営の取り組みには、さまざまな手法があるため、自社において何を課題にするかということは、非常に重要だといえるでしょう。

従業員の健康に影響してくる運動、食事、睡眠などの要素のうち、何を課題として選び、具体的な数値目標を設けるのかということです。

課題を「見える化」するヒントとなるのは、健康診断の結果やストレスチェックの結果、社内の労働環境などのデータ類です。

課題に則したデータを活用することで、より具体的な目標を立てることができるでしょう。

次に、健康経営で「見える化」すべきなのは、結果です。

健康経営の施策を実施し、目標を達成できたのか、あるいは、達成できかったのかを確認することは、次の施策を検討する際に非常に役立つでしょう。

現状の課題と結果を「見える化」することについて、具体的に紹介します。

現状の課題

健康経営の現状の課題を「見える化」する際のポイントは、状況を定量的に把握することです。

たとえば、従業員が運動不足であるということがわかり、健康経営で取り組む課題にする場合を考えてみましょう。

「従業員の運動不足が課題です」などと数値を示さず、定性的な情報を提供しても、従業員には「日頃から感じていること漠然と示されただけ」と受け取られかねません。

「日常生活に定期的な運動を取り入れている従業員は、全体の15%である」と、数値を用いて定量的に示したほうが、はっきりと課題を認識できるはずです。

従業員に課題感を抱いてもらえれば、健康経営の施策などが浸透しやすくなり、目標達成に向けて順調に進む可能性が高まります。

現状の課題を把握するために最も使用されているのは、労働安全衛生法で50人以上の企業に年1回の実施が義務化されている「ストレスチェック」の結果です。

従業員のストレス状態や、従業員の企業への理解度や愛着の度合い、従業員が実感する生産性の状況などがわかります。

施策を行った結果

健康経営の課題が定量的に「見える化」され、目標も数値を用いて示されれば、おのずと結果も数値で示されることとなり、進行状況がわかりやすくなるというメリットがあります。

先に示した例で、運動不足の課題について、目標を「日常生活に定期的な運動を取り入れている従業員を全体の25%に引き上げる」などとし、結果を「日常生活に定期的な運動を取り入れている従業員は〇年〇月の時点で全体の20%となった」と数値を用いて示せば、多くの従業員に状況を把握してもらえるはずです。

長期的に取り組む施策の場合には、実施結果について中間報告を行うようにすれば、施策が目標達成に適したものであるかなど、実施期間中に見直しの機会をつくることもできます。

目標に対して定期的に結果を確認し、成果が得られていれば、目標達成へのモチベーションを保ち続けていくことができるでしょう。

健康経営で「見える化」の対象となる主な指標

健康経営を実践する上で、どのような要素を「見える化」すればいいか、迷う方もいるでしょう。

経済産業省は「企業の「健康経営」ガイドブック〜連携・協働による健康づくりのススメ〜(改訂第1版)」を発行しました。

同資料の中で、健康経営で「見える化」を行う対象となる指標を示していますので、ピックアップして紹介します。

多くの方は、健康経営で「見える化」の対象となる指標として、従業員の心身の健康状態に関する指標を思い浮かべるのではないでしょうか。

具体的には、血圧や血糖値など、定期健康診断のデータを用いて「見える化」が可能な身体的指標から、喫煙や飲酒・運動習慣などの生活習慣指標、職業性簡易ストレス調査票などを使って把握する心理的指標、職場の人間関係や仕事へのやりがいの度合いなどを専用の調査票を使用して把握する就業関連指標が含まれます。

健康経営の大きな目的となる生産性の向上を「見える化」するために、プレゼンティーイズム・アブセンティーズムといった生産性指標も用いられていることにも注目しましょう。

プレゼンティーイズムとは、従業員が体調不良やストレスなどの問題を抱えながら出勤している状態で、アブセンティーズムとは、従業員が病気やケガなどの私的な理由で欠勤する状態のことをいいます。

どちらの状態も、企業の生産性に何らかの影響を与えてしまうことは、想像に難くないでしょう。

ほかにも、健康経営を実践する企業側を評価する指標がありますので、紹介します。

まずは、企業が健康経営に対してどのように取り組むかを示すストラクチャー指標です。

企業の健康経営の目的や方針、健康経営を推進していく体制づくり、発信方法などの各項目を評価して導き出される指標のことをいいます。

健康経営を具体的に実践して健康の増進を図るのは従業員ですが、実践を図る経営側の手法が評価対象です。

次に、健康経営で「見える化」の対象となる指標のうち、健康経営の取り組み状況を評価するプロセス指標があります。

従業員の健康状況や課題把握ができているか、課題に対して対応ができているかなどのほか、深夜残業の禁止や有休取得日数の数値目標化などの就業環境の整備、ハイリスク者への特定保健指導などが評価対象です。

健康経営の指標については「健康経営の評価指標とは?具体的な指標例や目標・KPIを立てるポイントも」も参考にしてみましょう。

こちらの記事では、「健康経営優良法人認定」の指標に沿って健康経営に取り組む企業の実例を紹介しています。

健康経営を「見える化」する際のポイント

数多くのデータを元に、評価を行い、「見える化」する必要が、健康経営の取り組みには必要です。

多くの労力が必要に思われる健康経営の「見える化」ですが、取り組みで成果を得るにはいくつかポイントがありますので、紹介します。

健康データを活用する

健康経営で「見える化」したいデータは数多くあり、いくつかのデータを組み合わせることで、「見える化」される状況もあり得ます。

健康経営で取り扱うデータは、年々、蓄積されていく情報も多く、いわばビッグデータのようなものです。

人的対応でビッグデータの処理や管理をこなしていこうとする場合、健康経営に取り組むためには相当なマンパワーが必要となるでしょう。

健康診断やストレスチェックの結果、長時間労働管理データをシステムで一元管理し、健康リスクの高い従業員を自動で抽出することができる健康管理システムも登場しています。

健康管理システムを活用することで、健康経営に関わる人手を削減でき、人的ミスも減らすことが可能です。

データの分析結果により、健康経営アドバイザーが企業に合った解決方法を提案してくれるサービスもあります。

健康経営に取り組む企業が増えたことにより、多様なサービスが提供されているため、担当者の作業量を「見える化」し、必要があれば導入を検討してみましょう。

さまざまな認定制度の指標を活用する

経済産業省が2016年度に創設した「健康経営優良法人認定制度」では、健康経営に関して優良な取り組みをしている大企業や中小企業などを「見える化」しています。

同制度の申請数は、年々増加し、2023年度は約17,000社が申請しました。

経済産業省が運営を委託した日本経済新聞社が立ち上げた、健康経営に関する情報発信のためのホームページ「ACTION!健康経営」には、過去の申請書や申請書のサンプルを掲載していますので、参考にしてみましょう。

対象企業は絞られますが、「健康経営銘柄」選定と「健康経営優良法人(大規模法人部門)」の認定に活用できる「健康経営度調査」の評価結果も掲載されています。

従業員への情報共有も重要

企業が健康経営に取り組んでいることを従業員が知らなくては、実践がスタートしません。

まずは、従業員の健康状況や社内の労働環境を示す情報を、共有することが重要です。

健康経営の実践状況を定量的に「見える化」したら、社内の朝礼やミーティングで情報共有をしたり、掲示物などで状況を広報したりして、従業員の認識を高めるといいでしょう。

健康経営を食で支える「OFFICE DE YASAI(オフィスで野菜)」

オフィスで野菜

健康経営には従業員への食事のサポートも重要です。

企業が健康的なメニューを社食として提供するため、社員食堂を新設したなどとニュースで取り上げられることもしばしばあります。

社員食堂を作るには多額の予算がかかるため、導入をためらったり、断念したりしている企業もあるでしょう。

従業員への食へのサポートに対応する、新たなサービスが続々と誕生しています。

既存のオフィスの一角を利用して社食を提供するタイプで、省スペースかつ、初期費用を抑えたサービスがほとんどなのが、うれしいところです。

さまざまな社食サービスがある中でも、2024年2月時点で10,000拠点以上に導入した実績を持つ「OFFICE DE YASAI(オフィスで野菜)」をおすすめします。

オフィス内の小さなスペースに冷蔵庫や電子レンジなどを設置すれば、社食スペースが完成することや、取り扱う商品が健康経営にぴったりだからです。

取り扱う商品は、野菜やフルーツ、スムージー、お惣菜、軽食などと、健康志向の社員にぴったりで、年間で60種類以上が入れ替わるため、飽きが来ないラインアップとなっています。

決済方法は、クレジットカード決済のほか、LINE payやメルペイを使った決済が可能で、人手は不要です。

売り上げはデータで把握可能で、現金の集計作業も必要なく、管理が容易です。

まずは、食から健康経営の取り組みを始めてみませんか。

まとめ

健康経営において「見える化」することは、従業員だけでなく、経営陣にとっても非常に重要だということがわかりました。

「見える化」を意識して、定量的に数値で状況を示しながら、健康経営に取り組んでいきましょう。

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