福利厚生制度
スポーツエールカンパニーとは?認定企業や取り組み内容を紹介
新型コロナウイルスの流行によってテレワークを導入する企業が増加しました。多様な働き方がしやすくなりましたが、一方で長期間のテレワークによる社員の運動不足は、企業にとって解消すべき問題のひとつとなっています。
また労働生産性を維持するためにも、企業は社員の運動不足を防ぎ、働くコンディションを維持しやすい環境を整えなくてはなりません。
政府も成人の運動不足を憂慮し、2019年より政策の1つにスポーツエールカンパニーを掲げ、企業に対し社員のスポーツの推進を奨励しています。
今回は、スポーツエールカンパニーの認定企業や取り組み内容を解説します。
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目次
スポーツエールカンパニーとは
スポーツエールカンパニーとは、社員のスポーツの実施に対し積極的に取り組む企業のことです。スポーツ基本法では、スポーツは「国民が生涯にわたり心身ともに健康で文化的な生活を営む上で不可欠のもの」と定義されています。
しかし、スポーツ庁の世論調査では、成人の週1回以上のスポーツ実施率は56.4%足らずで、全体の平均よりも低いとの結果が出ています。このうち、20〜50代のいわゆる「働き盛り世代」がスポーツをできない主な理由は、仕事や家事・育児などに時間を取られるためです。
オンもオフも忙しい世代が健康的な生活を送るには、1日の多くを過ごす職場にこそ、スポーツに親しめる環境を整える必要があります。
そこでスポーツ庁は、国民のスポーツライフに関する政策の1つとして、2017年度より、スポーツエールカンパニーの募集を開始しました。2023年現在の認定企業社数は、既に2000社以上です。
さらに、スポーツ庁は、スポーツエールカンパニーの認定を下記の4つに分類し、企業の継続的なスポーツ実施を目指しています。
1.スポーツエールカンパニー・ブロンズ
5年連続で認定を受けている企業
2.スポーツエールカンパニー・シルバー
認定回数が7~9回の企業
3.スポーツエールカンパニー・ゴールド
認定回数が10回以上の企業
4.スポーツエールカンパニ-+
上記3つに加え、従業員による週1回以上のスポーツ実施率が70%以上の企業
参考:「スポーツエールカンパニー2023」の申請受付について:スポーツ庁
スポーツエールカンパニー認定を受けるメリット
企業のスポーツエールカンパニー認定を受けるメリットは、大きく分けて3つあります。
就職活動で求職者の指標にできる
スポーツエールカンパニー認定の1つ目のメリットは、就職活動で求職者の指標にできることです。
認定証を交付されると、ハローワーク(公共職業安定所)の求人票にPRロゴマークを表示できるようになります。
求職者が就職活動で志望先を選定する際、健康を維持しながら長く働ける企業かどうかを、このロゴの有無で判断できるようになるのです。
スポーツエールカンパニーの認定があれば、健康意識の高い求職者からの企業に対するイメージは向上し、人材の獲得につながるでしょう。
企業の労働生産性につながる
企業の労働生産性につながるというのも、スポーツエールカンパニーの認定を受けるメリットのひとつです。
2015年にスポーツ庁が実施した体力・運動能力調査によると、「運動・スポーツのストレス解消効果」について、20~70歳の男女のうち90~95%が「大いに感じる」「まあ感じる」と回答しています。
つまり、「働き盛り世代」も、スポーツのストレス解消効果を認めているのです。
昨今は、企業のメンタルヘルスチェックが義務化されたことなどでもわかるように、生活習慣病や心身の不調など、働くコンディションを整えられていないビジネスパーソンも少なくありません。
だからこそ、社員のストレスを解消できる場を設けることが重要です。
企業の推奨活動でスポーツを実施する機会が増えれば、ストレスを抱え込む社員は減り、仕事のパフォーマンスの質も向上するでしょう。
スポーツエールカンパニー認定を継続し社員の健康を維持することで、企業の労働生産はさらに向上し、将来的な経営面での成長も期待できます。
対外的にアピールできる
スポーツエールカンパニー認定の3つ目のメリットは、対外的にアピールできることです。
経営戦略として「人的資本経営」が注目される昨今、資本家や投資家は、従業員という「人財」を大切にしているかによっても、企業への投資の可否を判断しています。
「健康経営」を掲げ、スポーツエールカンパニーに認定された企業は、「人的資本経営」を戦略的に実践しているといえるでしょう。
このように、企業がスポーツエールカンパニーの認定を周知することで、社会的な評価の向上も期待できます。
スポーツエールカンパニー2023の結果
2017年度より実施されているスポーツエールカンパニーについて、これまでの認定企業社数の推移は、下記の通りです。
年度 | 企業社数 |
2017 | 217 |
2018 | 347 |
2019 | 533 |
2021 | 623 |
2022 | 685 |
2023 | 910 |
出典:「スポーツエールカンパニー2023」として910社を認定:スポーツ庁
スポーツエールカンパニー2023は、924社から応募があり、審査の結果、910社が認定されました。
実施を開始した2017年度と比べると、現在は、約4倍の企業がスポーツエールカンパニーとして認定されています。
ちなみに、2023年度に新規でスポーツエールカンパニーに認定された企業は、全体の29.5%で268社、継続して認定された企業は全体の70.5%で642社です。
そのうち、スポーツエールカンパニー+、スポーツエールカンパニー・ブロンズ、スポーツエールカンパニー・ブロンズ+の企業者数と割合は、それぞれ下記の通りです。
2023年度 | 企業社数 | 割合(%) |
スポーツエールカンパニー+ | 41 | 4.5 |
スポーツエールカンパニー・ブロンズ | 135 | 14.8 |
スポーツエールカンパニー・ブロンズ+ | 16 | 1.8 |
また、スポーツエールカンパニーに認定された企業について、従業員数の規模による割合は下記のようになっています。
従業員数(人) | 企業数(社) | 割合(%) |
1~300 | 404 | 44.4 |
301~1,000 | 191 | 21.0 |
1,001以上 | 312 | 34.3 |
実施結果からもわかるように、スポーツエールカンパニーの認定企業は大手企業だけにとどまりません。
むしろ、従業員数300人以下の中小企業のほうが、認定されている数は多いのです。
今後、日本で99.7%を占める中小企業が生き残るための施策として、スポーツエールカンパニーの認定は大いに意味があるでしょう。
ちなみに当コラムを運営する「株式会社KOMPEITO」も、社員が気軽にストレッチできる機会を提供し、スポーツエールカンパニー2023(認定番号:2023452)に認定されています。
詳しくはぜひこちらをご覧ください。
『スポーツエールカンパニー2023』に認定されました | OFFICE DE YASAI | オフィスで野菜を食べて健康に
ブロンズプラス認定企業
ここでは、スポーツエールカンパニー2023の認定企業910社のうち、「スポーツエールカンパニー・ブロンズ+」に認定された企業の主な取組を一部ご紹介します。
明治安田生命保険相互会社
健康増進プログラムの実施、ウォーキングアプリの活用等
第一生命保険株式会社
アプリを活用した社員の健康増進取組の推進
通信機器産業健康保険組合
毎朝のラジオ体操・ウォーキングイベントの実施
いちよしビジネスサービス株式会社
毎朝始業時の役職員全員によるラジオ体操の実施
株式会社イトー
北海道一周チャレンジウォークの実施
大東建託パートナーズ株式会社
アプリによる運動促進イベントの実施等
株式会社バイタルエリア
サッカー大会・「土曜日サッカー」・ボーリング大会の実施
公益財団法人明治安田厚生事業団
夕活テニス・ながらミーティング・ウォーキングイベントの実施等
株式会社 高舘組
階段利用の推進、アプリを利用したウォーキングイベントの参加
トヨタ自動車健康保険組合
就業時間中の職場体操の実施、健康器具の設置等
出典:スポーツエールカンパニー2023認定企業一覧(令和5年3月31日公開)
スポーツエールカンパニー:認定企業の取り組み内容
ここでは、執筆時点で詳細な取り組み内容について公開されていた「スポーツエールカンパニー2022」の認定企業の中で、特に注目すべき取り組みを実践した企業4社の事例を紹介しましょう。
出典:スポーツエールカンパニー2022_特徴ある取組企業一覧
花王株式会社(従業員数9,421名/製造業)
1.定期的な運動イベントの開催:
春のウォーキングキャンペーン・秋の運動宣言イベントを実施し、自社開発の健康アプリを運営し、目標達成者に自社製品を贈呈
2.オンラインラジオ体操:
全国の産業看護職共同の企画によるご当地版ラジオ体操の音源活用、オンラインでのイベント開催
3.歩数計の配布:
希望者への加速度センサー付き歩数計の配布、健康アプリとの連動による健康管理、歩数記録を取り込めるアプリの配信
日本航空株式会社(従業員数13,787名/運輸業)
1.ウォーキング・ヨガなどの実施
全国各事業者に「wellnessリーダー」を設置し、各職場の課題に見合った健康増進活動の実施
2.ラジオ体操の推進
「JAL本気の!ラジオ体操」と称し、毎日の朝礼時に全メンバーで実施。各部署に動画を募集し、全作品のアップロードおよび表彰式を実施
3.カウントダウンエクササイズ
オリンピック開催100日前から開幕までに参加できるエクササイズ動画を社内ポータルサイトにアップ。100日後にトレーナーによる体力チェックを実施し、動画をアップ
ルピナ中部工業株式会社(従業員30人/建設設備業)
1.「1015motion」運動の実施
就業日の10時・15時にストレッチや筋トレの実施。毎朝のラジオ体操およびストレッチの再開
2.健康プログラムの実施
松本市と協力し、健康経営アドバイザーの指導のもと、有酸素運動やヨガストレッチなどのトレーニング・卓球等の団体スポーツの実施
3.健康情報の配信
月数回、運動・栄養・筋力アップに効果的な情報のメール配信
心幸クリエイト株式会社(従業員299名/飲食サービス業)
1.からだ測定会開催
年4回の体力測定・体組成測定を開催し、社内ランキングを公表。測定結果による個別カウンセリングの実施・健康改善の促進
2.健康管理ウェブサイトの活用
自社開発のサイトによる健康診断・体力測定の結果に基づく個別の運動動画の配信、毎日の運動への取り組みのシステム入力による運動の推進
3.健康セミナーの開催
月1回の運動・栄養セミナーの開催。遠地の参加希望者によるオンライン参加の許可
健康意識の増進には「食」も重要
スポーツエールカンパニーは、従業員のスポーツの実施に関する取り組みですが、健康意識の増進には「食」への意識の向上も重要です。
健康を維持できるよう効果的に運動を取り入れるには、食事から必要な栄養素を摂取しなければなりません。
特に、企業が検討すべきなのは、独自に設定できる法定外福利厚生の食事関連の充実です。
たとえば、昼食代の補助やポイント特典、社食サービスの導入などがあります。
身体に必要な栄養素に加えて、運動で消費したエネルギーや疲れを補う食事をバランスよく取り入れて、スポーツエールカンパニーの認定に向けて基盤を作りましょう。
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福利厚生で従業員の食を支えるなら、社食サービス「OFFICE DE YASAI(オフィスで野菜)」がおすすめです。
本サービスは、専用冷蔵庫の設置により、いつでも栄養バランスのとれた食事ができます。自社に社員食堂を新たに設置するよりも手軽で、導入費もリーズナブルです。
本サービスのプランは、「オフィスでやさい」と「オフィスでごはん」の2種類。
「オフィスでやさい」は、軽めの食事をとりたい時に適したプランで、フレッシュな野菜や果物を使用したスナックやサラダ、ドリンク類が中心です。150個プランの企業負担額は1ヶ月あたり68,000円~(税別)、従業員は1個あたり税込100円(税込)から利用できます。
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運動に効果的なタンパク質や、疲労を回復するビタミン類の多い食材を使用した「OFFICE DE YASAI(オフィスで野菜)」を導入すれば、スポーツエールカンパニーにふさわしい環境づくりを一歩進められるでしょう。
まとめ
2022年の日本の総人口は、前年比で55万人以上減った11億2494万7千人となっており、減少傾向は12年間継続中です。さらに、65歳以上の人口の割合は全体の約43%、15歳未満は約11.9%で、少子高齢化は確実に進んでいます。
今後、労働力をどう確保できるかが、企業の将来を大きく左右するでしょう。
労働生産性を維持しながら効率的に仕事を進めるには、社員の健康を管理し、長く元気に働いてもらうのが一番です。
そのための施策として、スポーツを実施できる職場の環境作りや食の福利厚生の充実を図り、スポーツエールカンパニーの認定を目指してみませんか。
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