企業の健康経営

-2023.08.24.Thu

ラインケアとは?必要性や取り組み方法について詳しく解説

皆さんは、「ラインケア」という言葉を耳にしたことがあるでしょうか。

昨今、厳しい労働環境や過重労働、労働者の高齢化などにより、心身に健康リスクを抱える労働者やメンタルの不調を発症する労働者が増えています。

厚生労働省は、2015年より企業に規模に応じて従業員のストレスチェックを義務化し、従業員のメンタルの不調をより早期に発見して改善するよう対策を求めています。

そこで、職場におけるメンタルヘルス対策として注目を集めているのが「ラインケア」という考え方です。

今回は、ラインケアとは何なのか、概要やその目的、ラインケアの進め方について解説していきます。

ラインケアとは

ラインケアとは、職場の同じライン上にいる直属の上司や管理監督者が主体となって部下の小さな変化にいち早く気づき、従業員の健康管理や環境改善、相談対応などを行うメンタルヘルス対策の取り組みです。

近年、働き方改革や労働環境の変化に伴って、長時間デスクワークをしている人が増えています。

座っている時間が長くなればなるほどさまざまな病気のリスクが高まり、メンタルが不調になる傾向が強いとされています。

日常的に部下と一緒に働いている上司であれば、部下に何かいつもと違う様子が見られた際にすぐに気づき、まだ症状が軽い段階でメンタル不調の改善を行うことが可能です。

ラインケアでは従業員の「最近遅刻早退が増えている」、「話し方や表情に活気がない」、「軽微なミスが増えている」など、日常の小さな変化に気づくことが大切です。

メンタル不調の改善は対応が早ければ早いほど回復しやすく、早期改善を行うことで当該従業員にとっても企業にとっても多くのメリットがあります。

企業での実施が推奨される4種類のメンタルヘルスケア

厚生労働省は「労働者の心の健康の保持増進のための指針」において、企業がメンタルヘルス対策としてラインケアを含む4つのメンタルヘルスケアを実施していくことを奨励しています。

4つのメンタルヘルスケアとは、「セルフケア」、「ラインケア」、「事業場内産業保健スタッフによるケア」、「事業場外の専門家によるケア」の4種類です。

1つ目の「セルフケア」は、労働者本人が行うメンタルヘルス対策で、ストレスに対する正しい知識を持ち、早期に自身のストレスに気づいて対処することで自己のメンタル管理を行うことを指します。

2つ目の「ラインケア」は、労働者本人ではなく管理監督者が行うもので、従業員と普段からコミュニケーションを取り、従業員のメンタル不調の早期発見・改善に取り組むものです。

管理監督者自身がストレスを抱えている場合は、さらに上の監督者や人事担当者がケアを行う必要があります。

3つ目の「事業場内産業保健スタッフによるケア」は、産業医や保健師、衛生管理者、精神科医など産業保健スタッフや人事労務管理スタッフが実施するものです。

具体的にはメンタルヘルスケア全体の計画を立てて実施し、労働環境改善などに関してアドバイスを行ったり復職支援を行ったりすることなどがあります。

4つ目の「事業場外の専門家によるケア」は、事業場外の専門機関や専門家にメンタルヘルスケアに関する情報提供やアドバイス、復職支援などを行ってもらうことを言います。

従業員の中には職場内での相談を希望しない人や、第三者の介入が必要なケースもあるため、そういった場合は外部資源を活用すると良いでしょう。

メンタルヘルスケアは労働時間や労働環境、人間環境など本人だけでは対処しきれない課題も多いため、職場や外部の専門家も一丸となって取り組んで行きましょう。

ラインケアをはじめとするメンタルヘルスケア対策が必要な理由

なぜ企業がラインケアなどのメンタルヘルスケア対策を行う必要があるのでしょうか。

メンタルヘルスケア対策はメンタル不調を訴える本人だけでなく、その人が働く会社にとっても大きな影響があります。

従業員が心の不調で長期間休職すると、それを補うために他の従業員の残業代が増加するなどさまざまなコストが発生します。

内閣府の調査によると、年収600万円の男性社員が6ヶ月休職した場合に企業が支払うコストは合計約400万円になるとされています。

ただでさえ人材不足に悩む企業が多い中、休職者や退職者が発生することは企業にとって大きな損失です。

休職した従業員が持つ知識や経験、スキルを活用できなくなることはもちろん、他の従業員にもマイナスの影響を及ぼします。

個々の従業員がより良い働き方ができるよう、ラインケアなどメンタルヘルス対策を率先して行いましょう。

ラインケアの具体的な取り組み内容

ここからは、ラインケアの取り組みとしてどのようなことを行えば良いか、具体的な実施内容についてご紹介します。

すぐに始められることばかりですので、ぜひ取り組んでみましょう。

従業員にメンタル不調の兆候が出ていないか

まずは、従業員の中にメンタルの不調や悩みを抱えていそうな人がいないかチェックしてみましょう。

ラインケアの第一歩は、従業員の変化に気づくことです。

「遅刻・早退・欠勤が増えている」、「残業が急に増えている」、「ミスや事故が目立つ」、「話し方や表情に活気がない(またはその逆)」などいつもと違う部分を発見したら、メンタル不調の兆候かもしれません。

メンタルヘルス不調のシグナルを把握し、些細な変化でも気づけるよう意識すると良いでしょう。

従業員に声をかける・話す

従業員の日々の様子をチェックしていて普段と様子の違う人がいたら、積極的に声をかけたり話しかけたりしてみましょう。

「最近ちゃんと寝れている?」「少し休憩したら?」など、何気ないコミュニケーションの中で、その従業員の悩みや不安を引き出すことができるかもしれません。

大人数の従業員がいるオフィスだと全員に目を配ることは難しいため、日頃から従業員が自発的に相談しやすいような環境づくりやコミュニケーションづくりを行っておくことが大切です。

もしも、従業員が睡眠不足に悩んでいたり、十分な休みが取れていない場合は、メンタルの不調を抱えている恐れがあるため、次のステップに進みましょう。

メンタル不調の要因に対処する

メンタル不調を抱える従業員を把握したら、その要因となっているストレスをどうすれば解決できるか考えてみましょう。

従業員の不調の原因は長時間労働なのか、社内の人間関係なのか、それともプライベートに要因があるのか。要因を把握して改善に向けて動きます。

会社全体的な職場環境改善に取り組む必要がある場合は、社内に専門チームを設けるなど、ラインケアの実施者が主導して対策する必要があります。

必要に応じて産業医や保健師、衛生管理者など、メンタルヘルスの専門家に相談することも効果的です。

復帰に向けた支援

メンタル不調で休職した従業員をただ休ませるだけではなく、職場復帰するまでサポートするのがラインケアです。

職場復帰するにあたって、当事者は「職場の人に迷惑をかけていないか」、「何か言われるのではないか」など多くの悩みを抱えています。

そのような従業員がスムーズに復職し、以前のように働けるようになるまで管理監督者が中心となってサポートを行いましょう。

必要に応じて産業医などの支援を受けることも有効ですが、従業員の中には産業医やその他の専門家との面談を避けたい人もいるかもしれません。

その場合は管理監督者が代わりとなって面談を行い、産業医のアドバイスを受けながら対処していくのも良いでしょう。

ラインケアの実施に必要なことは?

ラインケアについて理解したところで、実際にラインケアを進めるにあたって、どのようなことが必要か見ていきましょう。

研修の実施

ラインケアを進めるためには、まずはラインケアについての知識を深めることが重要です。

取り組みの中心となる管理監督者に対してラインケアについての研修を実施し、ラインケアの理解や積極的な行動を促しましょう。

研修ではラインケアの意味や内容はもちろん、メンタルヘルスについての正しい知識や必要な技術を習得することが求められます。

社外の専門家を講師として呼んで講演会やセミナーを行ったり、ディスカッションを行ったりすることでラインケアの理解が深まり、実施者のモチベーションアップも期待できます。

実際に会社でラインケアを進めるとなった時、どのような方針や体制で進めれば良いのか、落とし込めるようになるのが目標として取り組んでいきましょう。

産業医との連携

効果的なラインケアを実施するには産業医や保健師、衛生管理者といった専門家との連携が欠かせません。

ラインケアが効果的に実施されるよう、産業医にアドバイスをもらったり、産業保健スタッフを含むチームを設置したり、産業医の知識や技術も有効活用しましょう。

ラインケアは、管理監督者や担当者だけではうまく実施できない場合もあるかもしれません。

必要に応じて事業所外の専門医療機関などとの連携も行いながら、ラインケアを進めていきましょう。

日頃から良好な職場環境・風土を整えるには?

風通しが良く社内コミュニケーションが活発な会社とは、どのような会社なのでしょうか。

日頃から良好な職場環境・風土を整えるためには、みんなが自由に意見を言いやすい環境であることが大切です。役職や立場を気にせず自分のアイデアを出せる環境かどうか、確認してみましょう。

自分の意見を会社が吸い上げてくれると、自分の働きが会社の役に立っているという社員の自信にも繋がります。

結果として仕事へのモチベーションが高まり、働きがいや仲間との連帯感、会社への信頼感を感じやすくなるでしょう。

コミュニケーション活性化にもつながる「食の福利厚生」

人間が健康的な生活を送るにあたって、重要なのが「食」です。

忙しくて食事を抜いてしまったり、お菓子などで済ませてしまったりする人もいるかもしれません。一日三食の栄養バランスのとれた食事はセルフケアにおいてとても重要です。

今や多種多様な福利厚生サービスがありますが、食に関する福利厚生は従業員からの人気が高く、多数の企業が導入しています。

ラインケアの取り組みの第一歩として、まずは従業員の健康を食の面からサポートしてはいかがでしょうか。

食の福利厚生には、社員食堂やカフェテリアの設置、食費の補助などさまざまなサービスがあります。

食の福利厚生を通じて社員食堂で従業員同士が一緒に食事を取ったり、カフェテリアで息抜きをしたりすることで、部署間を超えてコミュニケーションが生まれることもあるでしょう。

社員同士のコミュニケーションが増えると、仕事のモチベーションが向上するだけでなく、新しいアイディアが生まれたり、仲間とともに頑張ろうという意識が生まれたりします。

食の福利厚生はコミュニケーション活性化だけでなく、人材定着にも効果が期待できるのです。

おすすめは「OFFICE DE YASAI(オフィスで野菜)」

オフィスで野菜

近年、健康経営が注目されるなかで、設置型社食サービス「オフィスコンビニ」の利用が増えているのをご存知でしょうか。

オフィスコンビニは、職場内に設置した什器から自由に商品を購入できるもので、従来型の社員食堂よりも低コストで手軽に導入できると人気を集めています。

今や多種多様なサービスがありますが、健康的なメニューを提供し、ラインケアの観点からもおすすめの設置型社食サービスがOFFICE DE YASAI(オフィスで野菜)です。

「オフィスで野菜」には、国産野菜で作るサラダやスムージー、フルーツ、ヘルシー志向の食事、無添加のお惣菜などがあり、健康経営やラインケアといった従業員の健康維持・促進に積極的な企業を中心に2,500以上の拠点で導入実績があります。

オフィスコンビニは福利厚生として食事の補助になるだけではなく、従業員の食生活を健康的な食事でサポートすることが可能です。

メンタルヘルス不調を抱えると十分な食事を取れなくなったり、食事がおろそかになってしまったりする人も多いようです。

ラインケアの取り組みの一つとして、食の福利厚生の導入を検討してみてはいかがでしょうか。

まとめ

日本では働き方改革が進み、仕事などに対してストレスを感じる人が急増し、いわゆる「ストレスの時代」とも呼ばれています。

日々の業務に追われる中でストレスが溜まると、メンタルヘルスに不調をきたし、休職や退職などのリスクも高まります。

メンタル不調による休職・退職は従業員本人だけでなく企業にとっても大きな損失となります。

従業員のモチベーションやパフォーマンスを向上させ、企業の生産性を保つためにも、会社一丸となってラインケアに取り組みましょう。

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