企業の健康経営

-2023.09.21.Thu

健康経営の推進には「研修」が必須!実施のメリットや効果を高めるポイントを解説

政府が企業に推奨している「健康経営優良法人認定制度」も、創設されて7年が経過しました。自社でも認定制度を受けたいと思いながら、何から始めればよいのかわからないという企業も多いのではないでしょうか。

健康経営は組織全体で取り組まなければ、大きな効果を発揮できません。効率的に周知するなら、従業員が理解を深められるような研修を実施するとよいでしょう。

今回は、健康経営研修の実施のメリットや効果を高めるポイントについて解説します。

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健康経営の「研修」はなぜ必要なのか?

健康経営が経営手法の1つであることからも明らかなように、「研修」を必要とする理由は、経営層と従業員が一丸となり、組織的に取り組まなければ成果を期待できないからです。

経済産業省が、2016年に創設した「健康経営優良法人認定制度」の認定基準も、年を追うごとにレベルが高くなっています。

実際、2023年には中小規模法人部門の健康経営優良法人「ブライト500」の選定基準が変更され、PDCAの取り組みの進捗状況や経営者・役員の関与の度合いが評価項目に追加されました。

特にPDCAの取り組みは、うまく行かなかった点を分析し、研修を通じて従業員に状況を伝えて具体的な改善策の実践を促す必要があります。

健康経営研修で従業員に伝えるべきこと

 健康経営の研修で従業員に伝えるべきことは、次の3つです。

1.健康経営とは何か
2.健康経営に取り組む重要性や自社における目標
3.具体的な取り組みの内容

それぞれについて、順を追って説明します。

健康経営とは何か

健康経営研修では、まず最初に定義などの基礎的な内容を従業員に伝えましょう。

経営層や企業担当者に加え、研修では全ての従業員が概念や考え方を十分に理解したうえで実践できるような内容の検討が必要です。

健康経営が1992年にアメリカの臨床心理学者ロバート・H・ローゼン氏によって提唱されて以来、既に20年近くが経過しています。

それまで、日本企業の多くは従業員に健康診断を受けさせることはあっても、健康を経営課題として考えることはありませんでした。

経済産業省と東京証券取引所の共同による健康経営銘柄の取り組みも、開始されたのは2014年になってからのことです。

しかし、社会情勢の急激な変化や少子高齢化による労働人口の減少などの影響もあり、今や日本でも健康経営の重要性は看過できないものとなっています。

今後は、人材を「人財」ととらえ、従業員の健康作りや生活習慣の見直し・改善などの本質的な取り組みを組織的に実施しなければ、新たな付加価値や企業価値の創造は難しいでしょう。だからこそ、研修で自社に導入するメリットを理解し、組織全体に周知しなければなりません。

健康経営に精通する人が自社にいない場合は、外部企業のセミナーや、企業内で指揮を取る際に必要な「健康経営アドバイザー」の資格取得向け研修への参加を検討しましょう。

健康経営に取り組む重要性や自社における目標

2つ目のポイントは、取り組む重要性や自社の目標を研修でしっかり伝えることです。

自社にどんな課題があり、どんな改善策を取れるのか、実施するとどんな効果があるのかを従業員に広く周知しなければなりません。

また、管理職向けの研修を実施し、従業員がセルフケアをおこなう前にラインケアの重要性をしっかり認識してもらう必要もあります。

新任管理職がいる場合は、年に一度は研修を実施してラインケアの観点から従業員に周知することの重要性を理解してもらいましょう。

管理職が「最近、従業員の出社時の顔色がさえない」「いつもと様子が違う」などの小さな変化を見逃さないようになれば、必要に応じて従業員の相談に乗り、職場環境を早期に改善できます。

そのうえで、自社で達成可能な目標を設定し、組織全体で取り組めば成果も大きいでしょう。

具体的な取り組みの内容

具体的な取り組み内容について理解を促すことも、大切なポイントです。

従業員に対しどんな取り組みをするのか、その取り組みによってどんな成果を期待できるのかを明らかにすることが、健康経営のスタート地点になります。

研修を実施する前に、個人面談やストレスチェックなどで自社の課題を集団的に分析し、すぐに始められる具体的な取り組みを検討しましょう。

研修前に面談やアンケートを実施すると、「健康への意識が低い」「メンタル不調者が多い」「生活習慣病に関連する数値の悪い従業員が多い」「残業時間が長い」など、自社の課題を明確化できます。

そのうえで、研修で習得したことを、日々の業務や日常生活で取り組みやすい内容にすると効果的です。

たとえば、栄養バランスのよい食事やウォーキングの推奨、睡眠時間の確保、有給休暇の取得、健康セミナーの視聴など身近なテーマを盛り込むと、従業員も理解しやすいでしょう。

また、従業員がプログラムに取り組む際は、企業側が進捗状況を随時把握できるよう定期的に自己申告させることも重要です。

健康経営研修のメリット

健康経営研修を実施するメリットは、大きく分けて3つあります。

1.健康意識を高めるきっかけとなる
2.マネジメントに活かせる
3.健康優良法人の獲得に向けて全社で取り組める

それぞれについて、くわしく説明します。

健康意識を高めるきっかけとなる

健康経営研修を実施する1つ目のメリットは、自社の健康意識を高めるきっかけとなることです。

なかには、「残業時間が長い」「喫煙者が多い」「健康を理由とする欠席率が高い」など、従業員の意識を健康に向ける必要性を感じている企業も多いのではないでしょうか。

実際、従業員の健康に対するリテラシーが高くないことが、健康経営を実践する際の課題となっているケースも珍しくありません。

たとえば、ケーススタディによって具体的な実践方法や成功事例を紹介すれば、従業員の健康意識の向上も期待できるでしょう。

マネジメントに活かせる

マネジメントに活かせるのも、研修の大きなメリットの1つです。

健康経営研修を実施すれば、従業員もストレスチェックの実施方法や働き方の改善に関する知見を得られます。

その後、従業員のヒアリングや相談にも対応しながら、実施状況や働き方を定期的にチェックすることは、人材マネジメントの一環として有効です。

各従業員の取り組み状況を確認し、必要に応じたリラクゼーションを生活に取り入れるための指導や医療専門家の紹介などによって、従業員の健康面も効率的に改善できます。

自社の人材マネジメントに有効活用できれば、結果的に自社の休職者や退職者を減らし、労働生産性の向上も期待できます。

健康経営優良法人の獲得に向けて全社で取り組める

3つ目のメリットは、健康経営優良法人の獲得に向けて全社で取り組めるようになることです。

経営的には、自社が健康経営優良法人の認定を獲得できるようにするのがベストでしょう。

というのも、認定を受けられれば、自社の従業員や求職者はもとより、取引先の企業や金融機関から「経営的な視点で従業員の健康管理をとらえ、戦略的に実践している企業」という社会的な評価を得られるからです。

また、研修で全社に概念や取り組み方を広く浸透できれば、取り組みの進行速度も加速します。

健康経営研修実施のポイント

健康経営研修を実施する際に注意すべきポイントは、次の3つです。

1.研修への参加率を高める工夫
2.経営層からの発信
3.専門企業のサポートを受ける

順を追って、具体的に説明します。

研修への参加率を高める工夫

多くの従業員に受講してもらうためには、研修への参加率を高める工夫が必要です。

突然、受講を促そうとしても、従業員に受け入れられない可能性があります。

そこで、健康経営を身近に感じてもらえるよう、研修内容に工夫を取り入れてみましょう。

具体的には、食生活や労働時間、休暇日数などの見直し、メンタルヘルスの不調による身体・生活への影響などの症例報告やオフィスで気軽にできるストレッチの紹介などです。

このほか、自社と同業界の企業が、実際に健康経営を導入した成功事例を紹介するのもよいでしょう。

とはいえ、いくら内容が身近であっても、全従業員を一度に研修に参加させるとなれば、スケジュールの調整も容易ではありません。

自社従業員を勤続年数や部署・役職ごとに分け、各セグメントに適した研修内容にするのも工夫の1つです。

企業担当者にとっては工数がかかる反面、従業員の研修参加率を確実に高められます。

経営層からの発信

経営層が、率先して発信する姿勢を持つのも大事なポイントです。

なかには、健康経営に対する関心や興味が薄く、重要性を感じないから研修にも参加したくないという従業員もいるかもしれません。

自社を健康経営優良法人に認定されるような企業にしたいと思えばなおさら、社長自らが従業員に参加の意義を発信し、管理職にも積極的に部下に働きかけるよう指示しましょう。

また、従業員が参加したというだけで満足してしまっては、関心や興味を持っていなかった従業員がどの程度理解し、取り組みに積極的になったかどうかがわかりません。

研修後も社内アンケートや面談を実施し、従業員の理解度や興味の度合いの変化を確認し、内容に改善点があれば次の研修に活かしましょう。

専門企業のサポートを受ける

専門企業のサポートを検討するのも、研修を実施するうえで注意すべきポイントです。

企業によっては、担当者が通常業務と研修業務を兼務しているケースも考えられます。

また、多用な社長や経営層が、企業担当者が各従業員の立場に即して実施しているか、内容の方向性が適切であるかを心配することもあるでしょう。

とはいえ、企業担当者に随時報告させるのは、経営層と担当者の双方にとって大きな負担になります。

その点、産業保健に精通した外部の専門企業のサポートやフォローがあれば、企業担当者がほかの業務と兼務している場合も安心です。

健康経営研修を提供している主な企業

この章では、健康経営研修を提供している3つの企業をご紹介します。

健康経営研修を実施したい、健康経営の取り組みを検討したいという企業は、ぜひ、参考にしてください。

※料金や研修の内容については2023年9月時点の情報をもとに記載しています

株式会社インソース

株式会社インソースは、講師派遣型研修事業を主な業務とする企業で、健康経営を支援する集合研修やオンライン研修を提供しています。

年間受講者数は70万人、オンライン受講者数は33万人との実績があり、購入プランは下記の3つです(※2023年9月現在)。

1.買い切り(198,000円)
2.レンタル(1,870円/人)
3.月額制・定額制(350円/月・人)

同社の研修は、健康経営の取り組み方や具体的な進め方、社員の健康意識の向上、健康経営優良法人資格取得の加点方法など、幅広いニーズに対応しています。

対象者は経営層やリーダー・企業担当者などで、日数は企業ごとに対応可能です。

特に、ストレスチェック支援などのストレス予防対策や、コミュニケーションスキル向上の見地から健康経営を推奨している点は、研修の特徴となっています。

株式会社ドクタートラスト

株式会社ドクタートラストは、産業医や保健師など専門職による健康経営セミナーを実施している企業です。

これまでに1,000社以上の受講実績があり、オンラインやオーダーメイドでテーマごとの研修の受講が可能です。

企業のニーズに合わせて経験豊富な専門職がセミナーを実施しており、質疑応答の時間も設けられていますので、受講すれば理解が深まるでしょう。

メンタルヘルスや生活習慣病・睡眠などテーマも幅広く、企業担当者向けの無料セミナーや無料座談会もあります。

45,000円の動画を無料視聴できるセミナーは、ホームページでスケジュールやテーマを確認できますので、一度閲覧してみるとよいでしょう。

株式会社ファンケル

株式会社ファンケルは、化粧品や健康食品などの販売を手がけ、従業員の健康づくりに積極的に取り組んでいる企業です。

同社は、7年連続で大規模法人部門の健康経営優良法人「ホワイト500」を、3年連続で「横浜健康経営認証クラスAAA」の認証を受けています。

健康経営については、テーマを選ぶ「学べる動画」の健康動画や健康情報配信サービス、オンラインによる実践型健康セミナーなどのサポートサービスを提供しています。

特に、従業員の健康意識を高める目的で、「気づき・知識・支援」の3つの要素に基づく動画を毎月配信しているスマートフォンアプリは、手軽に始められるのでおすすめです。

このほか、同社には動画の視聴状況やアプリ利用状況の報告、生活習慣に関するアンケート結果をレポートで報告するサービスもあります。

全国エリアを対象とする本サービスは、月額22,000円(税込)で利用でき、企業規模を問わず利用可能です(※2023年9月現在)。

まとめ

アフターコロナとなった今、健康経営は、企業の発展のために有効な経営手法です。

そうはいっても、組織全体で効率的に実践するには適切な研修を実施し、従業員に意義や重要性への理解を深めてもらう必要があります。

また、研修を実施するだけで、従業員が積極的に健康への取り組みに参加するとも限りません。

健康経営の施策としては、従業員が身近に感じられる食の福利厚生を充実させるのも効果があります。

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たとえば、設置型の社食サービス「OFFICE DE YASAI(オフィスで野菜)」は、従業員の毎日の食事を健康的にサポートする食の福利厚生です。

研修を上手に活用し、すぐに始められる取り組みから健康経営を推進し、自社の生産性を向上させましょう。

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