福利厚生制度
コーピングとは?ストレス対処の方法と企業で取り入れるポイントを紹介
アフターコロナとなった今、世の中は大きく変わりました。
コロナ禍を受けて消費者の行動や価値観は変化し、企業もこれに合わせて働き方や経営戦略を柔軟にシフトチェンジしなければなりません。
しかし、3年間にわたるコロナ禍で受けたストレスで、疲労感や体調不良に見舞われている人も多いようです。
今回は、このようなストレスの対処方法として効果的なコーピングと、企業で上手に取り入れるポイントについて解説します。
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目次
コーピングとは?
「コーピング(coping)」とは、「不快な感情やストレスを軽減するための意識的な行動」のことで、語源は英語の「cope(うまく処理する・うまく対処する)」です。
ちなみに、この「cope」という語は、古期フランス語の「coper(着る)」に由来しています。
コーピングは、最近になってストレスの要因となる対象を取り除いたり、負担を減らしたりする目的でビジネスシーンにも活用されるようになりました。
日本でも、コーピングの導入で従業員がストレスを自己管理できるようになるため、仕事のパフォーマンスの質や働くモチベーションの向上につながるものとして企業に注目されています。
なぜコーピングが注目されているのか
なぜコーピングが注目されているのか。それは、現代の日本社会が「ストレスフル社会」といわれるようになったためです。
高度成長期のビジネスマンも、職場でストレスを感じることはあったでしょう。しかし、成果主義の導入や国際競争の激化・経済状況の悪化など、現代の働く環境は以前とくらべて大きく変化しています。
さらに、昨今は、通信環境の飛躍的な進歩により、インターネットを経由すれば世界の裏側の出来事に至るまで、非常に多くの情報を瞬時に得られる時代です。便利な世の中になった一方、情報も膨大ですぐに連絡を取れるようになり、企業もその対応に追われるようになりました。
また、現在は「対面で話す」だけでなく、メールやSNSなど文字によるコミュニケーションの機会が増え、対人的なやり取りも複雑化しています。もともと真面目で几帳面な気質の日本人は、このような便利な世の中で忙殺され、仕事への責任感や職場の対人関係などからストレスを抱えている人が確実に増えているのです。
実際、厚生労働省が5年ごとに実施している「労働者健康状況調査」によると、「仕事や職業生活でストレスを感じている」労働者の割合は、1982年には50.6%でした。
ところが、2022年に日本労働組合総合連合会が実施した「コロナ禍における職業生活のストレスに関する調査」では、現在の仕事や職業生活に関してストレスを感じている労働者は74.3%まで上昇しています。
コーピングは、現在のストレス社会で従業員の心身的な負荷を軽減する方法として、注目されるようになったのです。
参考:https://kokoro.mhlw.go.jp/nowhow/nh001/
https://www.jtuc-rengo.or.jp/info/chousa/data/20221208.pdf
ストレスが発生する仕組み
コーピングについてくわしく説明する前に、ストレスが発生する仕組みを説明します。
本来、ストレスという言葉は、物理学の分野で「物体の外側からかけられた圧力で歪みが生じた状態」について使用されていました。その後、医学や心理学の分野でも、外部から心や身体にかけられる刺激に用いられるようになったのです。
ストレスを発生する仕組みは、下記の3つの要素によって構成されています。
・ストレッサー
・認知
・ストレス反応
それぞれ、順を追って解説します。
ストレッサー
ストレッサーとはストレスの原因になるもので、外部からの圧力や刺激などを指します。その原因はさまざまで、ストレッサーは主に下記の3つに大別されます。
・物理的ストレッサー:暑さ・寒さ・騒音・混雑など
・化学的ストレッサー:薬物・酸素欠乏または過剰など
・心理・社会的ストレッサー:人間関係・仕事上の問題など
一般的に、「ストレス」と呼ばれるものは、「心理・社会的ストレッサー」がほとんどで、特にビジネス上では、職場の仕事量や質・上司との人間関係がストレッサーとなることが少なくありません。
認知
認知とは、本来、自分や周囲の状況を正確に把握することを意味する心理学の専門用語です。ストレスの仕組み上では、ストレッサーが脳に伝わり、「ストレスを感じている」と自覚する状態のことを指します。
ストレス反応
ストレス反応は、人間がストレスを認知した時に起こる反応で、主に下記の3つに分けられます。
・身体的反応:不眠・頭痛・動悸・息切れ・肩こり・食欲不振・便秘など
・心理的反応:気分の落ち込み・イライラ・不安感・無気力など
・行動反応:仕事のミスやトラブル・暴食・飲酒や喫煙量の増加など
コーピングを身につけるべき理由
コーピングを身につけるべき理由は、主に2つあります。
1.仕事のパフォーマンスの質を向上する
2.心身のコンディションを整える
ここ数年のコロナ禍を受けて、心身ともに不調を抱える人が増えました。人間は、長期間にわたって過度なストレスがかかると自律神経が乱れ、不眠症やうつ病・適応障害などの精神的疾患や、脳梗塞などの生活習慣病に罹患するリスクも高まります。
コーピングを身につけることで、体調不良の従業員を早期に発見し、大事に至らないようメンタルヘルス対策を立てられるようになるでしょう。
また、「労働安全衛生法」の改正でストレスチェック制度が義務化づけられましたが、企業が組織としてコーピングを身につければ、従業員の心身の不調を未然に防げます。
適度なストレスは人間を強くし、成長させるといわれており、現代社会でストレスとうまく付き合うためのコーピングの需要は、今後ますます高まるでしょう。
コーピングの方法は3種類
コーピングの方法は、下記の3種類です。
・問題焦点型
・情動焦点型
・ストレス解消型
それぞれの特徴やアプローチの仕方について、例を挙げながら説明します。
問題焦点型
問題焦点型のコーピングは、ストレスを構成する3要素のうち、「ストレッサー」にアプローチする方法です。具体的には、ストレッサーとなっている根本的な問題に対し、距離を置いたり遠ざけたりするなどの働きかけによって対処します。
たとえば、職場の人間関係がストレッサーであれば、そこから離れるために「転職する」のが問題焦点型コーピングです。
ほかにも、残業で長時間労働が続いていることがストレッサーの場合は、「職場の業務改善をおこなう」などのアプローチが、問題焦点型コーピングに該当します。
ちなみに、問題焦点型コーピングのうち、周囲の人間からアドバイスを受けたり協力を求めたりする方法を「社会的支援探索型」コーピングといいます。
この社会的支援探索型コーピングの特徴は、相手を選んで協力してもらえば職場で共感を得られるため、ストレスが緩和されやすいことです。
職場の上司や同僚に相談してサポートしてもらったり、家族や友人に相談したりするなどの行動が、これにあてはまります。
情動焦点型
情動焦点型コーピングは、ストレッサーに対する考え方や受け止め方を変える方法のことで、下記の2つの型に分類されます。
・情動処理型
・認知的再評価型
情報処理型コーピングは、ストレッサーによって生まれた自分の感情を第三者に打ち明け、その感情を整理する方法です。
仕事でいえば、企画のプレゼンで失敗したことがストレスになった際、同僚に思っていることや感じていることを話すなどの行動が該当します。
認知的再評価型コーピングは、ストレッサーの受け止め方や感じ方の方向性を変えて、ストレスに対処する方法です。
たとえば、新規プロジェクトのリーダーを任されたら「荷が重い」と感じたり、「失敗したらどうしよう…」と心配したりする人も多いでしょう。
そのような時、「期待されている・実力を認められている」とプラスの方向に考える方法が、認知的再評価型コーピングです。
ストレス解消型
ストレス解消型コーピングは、ストレスを構成する3つの要素のうち、「ストレス反応」が起こった後におこない、ストレスに対応する方法です。
このストレス解消型コーピングは、2種類あります。
・気晴らし型
・リラクゼーション型
気晴らし型コーピングでは、自分の好きなことや趣味など、気分転換になるような行動によってストレスを解消します。
何かいやなことがあった時、「音楽を聴く・買い物をする・旅行に行く」などの行動が、これに該当します。
一方、リラクゼーション型コーピングは、自分がリラックスできるようなことでストレスを解消するものです。
アロマテラピーやボディーマッサージ、ヨガや瞑想などで心身の疲れを癒やす行動も、リラクゼーション型コーピングになります。
企業でコーピングを活用するには?
コーピングは、ストレスを軽減するのに有効ですが、仕事や職場でのストレスは個人的アプローチだけではうまく対処できないケースも少なくありません。ですから、企業がコーピングを業務やシステムに導入する場合は、組織全体で取り組むとよいでしょう。
企業がコーピングを活用する方法は、大きく分けて3つあります。
コーピングへの理解を深める
まず、従業員たちにコーピングを正しく理解し、応用できるようにする教育の場を設けることです。
具体的には、コーピングに関する研修やeラーニングの定期的な実施などが挙げられます。
ストレスの多くは心理的なものが原因となるため、なるべく多くのケースを想定しながらケーススタディで学習し、応用できるようにしなければコーピングは身につきません。
企業が研修制度にコーピングを導入すれば、組織全体でストレスのない職場を目指しているとの姿勢が従業員に伝わり、それだけでも心理的に安心できます。
システムや環境を改善する
2つ目の方法として、コーピングを導入するためのシステムや環境の改善も効果的です。
具体例としては、相談者を明確にするメンター制度や1on1ミーティングの実施、既に義務化されているストレスチェックの徹底、カウンセリング窓口の設置などがあります。
企業が気軽に相談したり悩みを打ち明けたりできる場を設け、従業員の抱えるストレスを把握できれば、ストレスからくる心身の不調を未然に回避できるでしょう。
また、従業員の心身に何らかの不調が出たとしても、定期的にストレスチェックを実施すれば早期発見につながり、コーピングを早い段階で実践できます。
社内で相談しやすい雰囲気を作る
3つ目のコーピングの活用方法は、企業が従業員の親睦を深める目的で社内イベントを企画し、相談しやすい環境や雰囲気を作ることです。
最近はオフィスに出社する回数も増えていますので、ランチ会などを開き、食事を楽しむだけでなく従業員同士のコミュニケーションが活発になれば、職場の雰囲気もやわらぎます。
リラックスした状態で相手の考えや性格を深く知れば、何かあった時も、気軽に悩みを相談できるような関係を築けるようになり、ストレス過多な環境を改善できるでしょう。
健康&コミュニケーションにつながる福利厚生「OFFICE DE YASAI(オフィスで野菜)」
出社の頻度が増えるなか、企業は、アフターコロナによる環境の変化で従業員がストレスにさらされないよう配慮しながら、業務の効率化を図る必要があります。
そこで、おすすめしたいのが「健康経営」の一貫にもなり、従業員同士のコミュニケーションにつながる食の福利厚生「OFFICE DE YASAI(オフィスで野菜)」です。
本サービスを導入し、専用の冷蔵庫をオフィス内に設置することで、従業員はいつでも栄養バランスのとれた食事をとれます。
ランチ会のようなイベントでなくても、「OFFICE DE YASAI(オフィスで野菜)」を活用できれば、従業員同士のコミュニケーションのきっかけ作りにもなるでしょう。
本サービスのプランは、「オフィスでやさい」と「オフィスでごはん」の2種類です。
「オフィスでやさい」は、軽めの食事をとりたい時に最適で、フレッシュな野菜や果物を使用したスナックやサラダ・ドリンク類をメインとするプランになります。
「オフィスでごはん」は、管理栄養士の監修による惣菜やサイドメニューを中心とするプランで、主菜や副菜を自由に組み合わせて電子レンジで加熱すれば、すぐに食べられます。
いずれのプランも、新鮮と安全をモットーにこだわりの食材を使用し、メニューも年間60種類と豊富で、毎日食べても飽きないよう工夫されています。
社員食堂とくらべて手軽に設置でき、人件費を含めた導入コストもリーズナブルです。
本サービスを導入すれば、コーピングを実践するためのオフィスの雰囲気作りだけでなく、従業員が毎日とる食事の栄養バランスも管理できます。
まとめ
今後、企業の多くはコロナ禍による経営不振を改善するためにも、自社の生産性を高めなければなりません。
しかし、ここ数年にわたる社会の大きな変化に伴い、公私を問わず、これまで潜在的に抱えてきたさまざまなストレスが表面化してくる時期でもあります。
従業員が心身の不調を抱えることなく、健康な状態で仕事のパフォーマンスの質を高めるためにも、組織全体でコーピングを上手に取り入れていきましょう。
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