福利厚生制度
福利厚生費で節税効果を得るには?要件や代表的な具体例を紹介
従業員の満足度を高める効果が期待でき、企業が上手に活用すべきものの1つに福利厚生費があります。
福利厚生費は、仕組みや要件を正しく理解して運用すれば、節税できることをご存知でしょうか。
今回は、福利厚生費で節税効果を得るための要件や代表的な具体例について解説します。
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目次
福利厚生費とは
福利厚生費とは、従業員が日常生活を豊かに送るためのサポートや、仕事をしやすくする職場環境を整える目的で、企業が運営する費用のことです。
福利厚生をうまく活用すれば、従業員の労働意欲を高め、労働生産性の向上も期待できるでしょう。
また、企業が福利厚生費で節税対策を講じることで、従業員は、さらに質の高い福利厚生サービスを受けられるようになります。
法定福利費と法定外福利費
福利厚生費は、法定福利費と法定外福利費の2種類に分けられます。
法定福利費は、法律で定められ、企業が従業員に提供しなければならない福利厚生に関する費用です。
主に健康保険や厚生年金保険などの保険関係がこれに該当し、未加入の企業は、法定福利厚生の種類によっては、6ヶ月以下の懲役または50万円以下の罰金を課せられます。
2019年度に実施された一般社団法人日本経済団体連合会の「第64回福利厚生調査結果報告」によると、法定福利厚生費の平均額は10万8,517円でした。
一方、法定外福利費は、企業が自由に設定できる福利厚生に関する費用で、同調査の平均額は24,125円です。
たとえば、社宅・社員食堂を利用する際の補助費やレクリエーション費などが、法定外福利厚生費になります。
福利厚生費で節税できる仕組み
福利厚生費は、企業が従業員の仕事環境を整えるために運用すべきものですが、節税できる仕組みや要件を知っておくと役に立ちます。
一般的に、会計上では「収益から費用を差し引いた額」を利益としますが、税法上では、収益を益金、費用を損金、利益を課税所得に置き換えて算出します。
損金とは、企業の有する資産が減少する原因となる費用や損失額などのことで、福利厚生費は、この損金に算入できるのです。
税法上では、この損金算入額が多くなればなるほど利益が圧縮され、納税額も少なくなります。
数式にすると、下記のとおりです。
売上-損金算入額=利益 ⇒ 利益×法人税率=法人税
企業が福利厚生費を運用して従業員に現物支給する場合は、従業員にかかる個人所得税の対象外になって節税できます。
福利厚生費は、うまく活用すれば節税対策になりますが、実務上の区分が非課税かどうかの判断は容易ではありません。
ちなみに、福利厚生費として計上できないと認定されれば、従業員の個人所得または企業側の交際費の扱いになり、いずれにしても課税の対象になります。
福利厚生費として計上できる要件
企業が福利厚生費で節税する場合は、次の3つの要件を覚えておきましょう。
1.従業員全員に平等に支給される
2.社内規定に基準が明記されている
3.金額が、社会通念上で妥当な額である
それぞれ詳しく解説します。
1.従業員全員に平等に支給される
福利厚生は、全従業員に平等に支給することが原則ですので、何らかの成果を出した従業員に対して付与する奨励金などは該当しません。
2.社内規定に基準が明記されている
2つ目の要件は、社内規則に福利厚生の基準について明記されていることです。
従って、節税するには、要件を満たす福利厚生の内容が社内規則にきちんと規定されている旨を示し、税務署の厳しい勘定項目のチェックをくぐり抜ける必要があります。
自社の社内規則を一度見直し、福利厚生に関する規定が曖昧な場合は、節税対策のためにも明文化しておきましょう。
3.金額が、社会通念上で妥当な額である
福利厚生費が社会通念上で妥当な金額であることも、要件の1つになります。社会通念上とは、世間一般で考えられている社会の常識のことです。
社内規則で規定されていても、月に何度も親睦会が開催されたり、高額だったりすれば課税の対象となり、節税対策になりませんので注意しましょう。
節税につながる代表的な福利厚生の種類・要件
福利厚生費を経費として計上できれば、企業と従業員の双方で節税効果を期待できます。
ここでは、節税につながる7つの代表的な福利厚生の種類と要件について説明しましょう。
社宅
社宅で節税するためのポイントは、住宅手当ではなく、借り上げ社宅にすることです。
社宅は、家賃のほかに管理費や修繕費も必要で、建物を維持する支出も多いため、経費に認められています。
企業が社宅を運営する際は、物件を一度借り上げて従業員に家賃の一部を支払ってもらい、残りを企業で負担することが一般的です。
本来、社宅の消費税区分は非課税ですが、節税する場合は、従業員の負担する家賃の割合を50%未満にし、給与としての課税対象から外さなければなりません。
給与扱いになると、所得税・住民税・社会保険料など従業員の負担額が増え、企業の負担する社会保険料も比例して高くなります。
また、住宅手当として従業員に手当のみを支給する場合は必ず給与扱いになるため、従業員の税金負担額も大きくなるので注意が必要です。
社宅は非課税で節税できる反面、家賃の支払い以外に管理人や管理会社などの支出も考慮に入れる必要があります。
社宅で節税対策を講じる場合は、どれくらいの従業員が利用するかを事前にリサーチしておきましょう。
通勤手当
通勤手当は、「現金または換金性の高いものではない」ことを要件とする福利厚生のうち、例外として現金支給が認められており、節税効果があります。
ただし、金額には交通手段・距離ごとの上限が設けられており、超過分は課税対象で節税にはなりません。
具体的には、電車またはバスで通勤する場合は、1月あたり15万円までは非課税になります。
車通勤は、片道の通勤距離が2km未満の場合は全額非課税です。また、2km以上の場合は、10kmごとに上限金額が設定され、55km以上の限度額は1ヶ月につき31,600円です。
通勤手当で節税対策を検討する場合は、自社従業員の通勤手段や車通勤の走行距離を事前に把握しておきましょう。
出張手当
出張手当も、節税対策として有効です。出張手当とは、交通費などの実費以外に出張した従業員に対して支給される日当のことです。
この出張手当は、業務をおこなう際に必要なものとして課税の対象から外されるため、従業員の出張回数の多い企業が導入すれば、大きな節税効果を期待できるでしょう。
ただし、役職ごとに日当手当の金額について、社内規則としてきちんと明確化していなければなりません。
出張手当で節税対策する際は社内規則を確認し、必要に応じて日当の金額などを明文化しておきましょう。
食事補助
食事補助も、節税対策におすすめです。たとえば、社員食堂での食事の提供や弁当の宅配サービスの手配などがこれに該当します。
従業員1人あたりに対する上限額は、1ヶ月につき3,500円以下です。また、福利厚生費として計上するためには、次の2つの要件を満たさなければなりません。
1.1回の食事に対し、従業員が半額を負担する
2.現物を提供する
つまり、従業員の食事代が1ヶ月で6,000円の場合、従業員が3,000円を負担していれば、その差額となる3000円を福利厚生費として計上できます。
一方、従業員が2,500円しか負担していない場合は半額に満たないため、差額の3,500円は給与扱いとなり、節税できません。
参考までに、先述の「第64回福利厚生調査結果報告」では、食事補助関連で従業員1人に支給される福利厚生費は1,729円となっています。
1ヶ月で3,500円以下であれば支障はありませんが、アルコールを伴う場合は、業務内の食事とは容認されないケースもありますので注意が必要です。
また、22時~29時の時間帯に深夜勤務をした従業員に対しては、現物の提供が難しいため、例外的に1食300円(税抜)を現金支給できます。
ただし、通常勤務の従業員が残業で22時を超えるような場合は、深夜勤務には該当しません。
健康診断
健康診断も、節税効果を期待できますが、全ての従業員が受診できることが必須要件です。
従業員が健康診断の費用を自腹で支払い、企業が後から給与に上乗せするようなケースは課税対象になりますので、法人名義にすることを忘れないようにしましょう。
金額の上限は特にありませんが、健康診断にかかる費用の相場は、従業員1人につき7,500円~12,000円程度で、20,000円程度までなら問題なく経費に計上できます。
また、常識の範囲内であれば年齢ごとの詳細な検査の追加も可能ですので、健康診断は、節税対策として導入しやすい福利厚生といえるでしょう。
慶弔見舞金
結婚の祝い金や災害時のお見舞いなどの慶弔見舞金も、節税対策になります。
慶弔見舞金も、通勤手当と同様に例外として現金での支給が認められています。
本来、慶弔見舞金は給与等に該当するとして課税対象になりますが、所得税法上で「社会通念上相当」とされる金額の範囲内であれば課税されません。
慶弔見舞金を福利厚生費として計上できれば課税対象から外され、社会保険や労働保険にも加算されないため、節税になります。
特に金額の上限は設けられていませんが、結婚や出産の祝い金、永年勤続の従業員に付与される祝い金などの慶事は、1万円~3万円程度が相場のようです。
また、死亡弔慰金の香典や災害時などの見舞金は、状況によっても異なりますが、概ね1万円~10万円程度とされています。
慶弔見舞金は法定外福利として企業が自由に設定できるため、最近は、未成年の社員が成人した時の祝い金や、ペットを亡くした従業員への見舞金などのユニークなサービスもあるようです。
社員旅行
社員旅行も、福利厚生費として計上できれば節税できますが、次の3つの要件を満たす必要があります。
1.全従業員が参加でき、その50%以上が参加する
2.4泊5日以内である(海外旅行の場合は、現地の滞在日数)
3.不参加の従業員に金銭を支給しない
特に金額の上限はないものの、高額であれば経費への計上が実質的に難しくなるため、1人あたり10万円程度に定め、超過した分は自己負担にするとよいでしょう。
福利厚生費に計上できないもの
ここでは、企業が法定外福利として設定しても福利厚生費に計上できず、節税対策にならないものを3つ紹介します。
1.現金および商品券の支給
旅行券や見舞金は現物支給すると、給与扱いになります。また、備品購入費や飲食代などの現金での支給も福利厚生費として計上できず、節税になりませんので注意が必要です。
2.貸付金などの利息
地震・台風などの自然災害や病気やケガなどで、従業員に低利息で一時的に生活資金を貸付金として支給する場合の利息分は課税対象となり、節税効果はありません。
3.健康診断のオプション
健康診断や人間ドックは節税できますが、高額のオプションや一般的な項目に含まれていないような検査を追加した分については、福利厚生費として計上できません。
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福利厚生で節税するなら、従業員からの人気も高く、毎日の生活に取り入れやすい食事補助関連がおすすめです。手軽に始めるなら、社食サービス「OFFICE DE YASAI(オフィスで野菜)」はいかがでしょうか。
2つのプラン「オフィスでやさい」と「オフィスでごはん」があり、オフィス内に専用冷蔵庫を設置すれば、従業員はいつでも栄養バランスのよい食事をとれます。
「オフィスでやさい」は、新鮮な野菜や果物を原材料とするスナックやサラダ、ドリンクなどで、150個プランの企業負担額は1ヶ月あたり68,000円~(税別)、従業員は1個あたり税込100円(税込)から利用できます。
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本サービスを導入すれば、1従業員につき1ヶ月あたりの上限額となる3,500円以下で提供でき、従業員の負担額も少なくて済みます。
従業員の食生活をより豊かにできるだけでなく、「健康経営」の一貫にもなりますので、節税対策以上の導入効果を得られるでしょう。
まとめ
今後、企業が少子高齢化社会の加速する日本で発展するには、節税できるところを見極め、経営戦略をしっかり立てることが大切です。
福利厚生は、上手に活用すると従業員の働くモチベーションを高め、企業のブランディングにもつながります。
とはいえ、企業にとっては福利厚生も支出になるため、本当に必要なサービスかどうかをよく吟味しなければなりません。
経営戦略の1つとして賢く節税対策しながら、従業員満足度の高まる福利厚生を導入しましょう。
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