福利厚生制度
【福利厚生】家賃補助・住宅手当の費用相場やメリット・デメリット解説
社員に喜ばれる福利厚生のひとつに家賃補助(住宅手当)があります。
福利厚生として家賃補助を行えば経費にできる場合があり、会社側にもメリットがあると導入している企業は多いようです。
今回は福利厚生の家賃補助について、費用の相場や取り入れるメリット・デメリットを解説します。
また、家賃補助に加えてよく検討されている、人気の福利厚生やサービスについても紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
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目次
福利厚生の家賃補助・住宅手当とは?
福利厚生の家賃補助(住宅手当)とは、会社が社員の住居に関する費用を、一部負担するものです。
法定外福利厚生にあたるため、企業独自でルールを制定して導入できます。
住居に関する支出について従業員間の差を正すことができるため、生活のサポートとなり、従業員の暮らしの安定につなげることができるでしょう。
家賃補助と住宅手当は、厳密には違いがあります。
会社が寮や住居を契約して従業員に貸与することが「家賃補助」、会社は給与に加えて手当として現金支給をするにとどまり、住居の契約や家賃の支払いは従業員が行うものが「住宅手当」です。
福利厚生にできるのは上記のうち「家賃補助」ですが、同義のものとしてどちらかの名称で呼んでいる企業も多いため、この記事では住宅に関する費用や手当を総称して「家賃補助(住宅手当)」と表記します。
また、家賃補助(住宅手当)は基本的には住宅の賃貸料に関する補助であるため、持ち家の場合の手当は扱いが異なるので注意しましょう。
社員が持ち家として家を購入するケースなどに、住宅ローンの費用補助を行うといった手当を用意している企業もありますが、家賃補助(住宅手当)の福利厚生とは別のものです。
取り入れている企業の割合は?
家賃補助(住宅手当)を福利厚生に取り入れている企業は、どのくらいあるのでしょうか。
厚生労働省の令和3年就労条件総合調査では、福利厚生に「住居に関する費用」を取り入れている企業は51.4%でした。
しかし企業規模別に見てみると、1,000人以上の企業では導入率が7割を超えているのに対し、100人に満たない企業では2割程度です。
企業規模によって、家賃補助(住宅手当)の導入率が異なっていることがわかります。
家賃補助・住宅手当と社宅制度との違い
社宅制度との違いをわかりやすく言えば、企業の負担分を従業員に現金で支給するかしないかの違いです。
社宅は、従業員が本来支払う家賃の一部を企業が負担します。そのため普通に部屋を借りるよりも安い家賃で済むのです。
また社宅の負担額も課税対象ですが、従業員から一定額を家賃として受け取っていれば非課税となります。
社宅制度は2つに分類され、企業が所有している物件を従業員に貸し出す「社有社宅」と企業が一般の物件を契約したものを従業員が使用する「借り上げ社宅」があります。
家賃補助・住宅手当の平均支給額は?
家賃補助(住宅手当)の平均支給額は、企業規模や家族構成、調査方法によって異なります。
厚生労働省が行った調査では、常用労働者における法定外福利費の1人1カ月当たりの金額は、以下のとおりです。またこれをもとに、12ヶ月分とした場合の金額も算出しました。
企業規模 | 住居に関する費用 | 12か月分とした場合 |
30~99人 | 960円 | 11,520円 |
100~299人 | 1,832円 | 21,984円 |
300~900人 | 2,506円 | 30,072円 |
1,000人以上 | 3,974円 | 47,688円 |
参考:厚生労働省「令和3年就労条件総合調査の概況」
東京都産業労働局が行った令和4年度の調査では、一律支給の場合で以下の結果となりました。
企業規模 | 扶養家族あり | 扶養家族なし |
10人〜50人以下 | 17,767円 | 15,941円 |
50人〜100人以下 | 17,515円 | 14,441円 |
100人〜299人以下 | 17,703円 | 13,583円 |
参考:東京都産業労働局「中小企業の賃金・退職金事情(令和4年版)」
いずれの調査も、大企業であるほど支給額も増えていますが、おおよそ1万5,000円~2万円が相場と考えられます。
家賃補助・住宅手当は福利厚生費に計上できる
家賃補助(住宅手当)は福利厚生費に計上できるので、企業にとって大きなメリットとなるでしょう。
福利厚生とは社員に企業が提供する給与以外のもので、法律で義務付けられている「法定福利厚生」と、企業が自由に定められる「法定外福利厚生」があります。
家賃補助(住宅手当)は条件などを企業が自由に定められる「法定外福利厚生」のひとつです。
企業が福利厚生を導入するメリットは少なくありません。
まず、従業員の生活をサポートすることで心身の健康を高めることができ、勤務時のコンディションやモチベーションアップを図ることができます。
また、家賃補助(住宅手当)をはじめとする、従業員が喜ぶ福利厚生を導入することは、採用時のアピールになり、人材確保の面で役立つでしょう。
社会からも、従業員への思いやりを持っている企業として認識してもらえるので、企業イメージも向上します。
そして、福利厚生費は経費にできるため、企業の節税に効果があるという点も大きなメリットです。
ただし、家賃補助(住宅手当)が課税対象になるケースとならないケースがあるので注意が必要です。
課税対象になるケース、ならないケース
企業が社員に手当を支払う場合、原則的には給与所得として課税対象になります。
そのため、現金で直接支給される家賃補助(住宅手当)の場合は課税対象になってしまいます。
従業員が住居の契約を直接して家賃を支払っている中で、一部を企業が支給して負担するというようなケースです。
家賃補助(住宅手当)という名前で手当を出しても、所得のひとつとみなされて、税金がかかってしまうので間違わないようにしましょう。
家賃の他に、引っ越し手当や地域手当といった手当も家賃補助(住宅手当)と呼んでいる企業もありますが、現金で支給するものは課税対象になります。
課税対象にならず、福利厚生にできるのは、現金で直接支給されるものではない社宅のような形式を用いるケースです。
企業が社宅や寮を借り上げて社員に貸し出し、毎月一定額の家賃補助(住宅手当)を受け取っているという場合は、経費とすることができて福利厚生費にできます。
ただし、従業員の負担が賃貸料相当額の50%未満の場合は課税対象となるので注意してください。
家賃補助・住宅手当支給のおもな条件
福利厚生として家賃補助(住宅手当)を導入する場合、一般的には対象者を限定することが多いようです。
家賃補助(住宅手当)は「法定外福利厚生」であるため法律などによる基準はなく、企業が独自で定めることができます。
さまざまなものがありますが、家賃補助(住宅手当)の対象となる従業員の選定基準としてよく用いられている条件を紹介します。
住宅の世帯主であることを条件とする場合
対象の従業員が住宅の世帯主であるかという点を、福利厚生の家賃補助(住宅手当)の条件にしている会社は少なくありません。
従業員が住宅に関する費用に責任を持つ立場であるかどうかを見極めることができます。
世帯主であることを条件に含めると、家賃の支払い自体は従業員が行っている場合でも、親や配偶者が世帯主になっている場合は家賃補助(住宅手当)を利用できません。
賃貸か持ち家か
居住形態を支給条件とするケースもあります。
冒頭でお伝えしたように、居住形態を条件とする場合は、賃貸住まいの従業員が支給の対象です。
賃貸でも実家の場合は、従業員本人に支払い義務が発生しないため、支給対象外となることが多いようです。
また持ち家の場合は資産となるため、家賃補助(住宅手当)の福利厚生は受けることができません。
住宅ローンを対象とした福利厚生を採用する場合、家賃補助(住宅手当)との公平性を考えて条件を設定する必要があるでしょう。
家賃補助(住宅手当)の必要性が高い属性に限る場合
家賃補助(住宅手当)の大きな目的は、住宅にかかる支出について従業員の間の差を是正することです。
そのため、家賃補助(住宅手当)の必要性が高い従業員が優先的に支給対象となるように条件を制定している企業もあります。
具体的には、給与水準が低い傾向のある新入社員や単身者に対象を限定できるように、家賃補助(住宅手当)の対象を年齢の上限を設けたり、単身者に限ったりといった条件が採用されているようです。
福利厚生にはなりませんが、現金を支給する家賃補助(住宅手当)として単身赴任手当や引越し手当を用意し、転勤などによって住居関連の費用負担が大きくなる従業員を補助している企業もあります。
勤務地から自宅までの距離で限定する場合
勤務地の近くに住むことを条件に家賃補助(住宅手当)を制定している企業もあります。
従業員がオフィスや作業場の近くに住むと、通勤災害と呼ばれる通勤中の事故などによる労働災害のリスクを下げることが可能です。
また、災害や公共交通の休止などがあった場合でも、従業員がオフィスや作業場の近くに住んでいれば出勤できることも多く、万が一の事態でも事業継続できる確率が上がります。
従業員が勤務地の近くに住んでいることは、企業にとってメリットのあることなのです。
しかしオフィスなどが多い場所は、一般的にアクセスのよい立地であるため、家賃が高い場合も少なくありません。
そこで家賃補助(住宅手当)の条件に距離の範囲を定め、勤務地の近くに住むことを促している企業もあるのです。
福利厚生として家賃補助・住宅手当を導入するメリット・デメリットとは?
福利厚生として家賃補助(住宅手当)を導入すると、さまざまなメリットがあります。
しかし、場合によっては企業の負担が大きくなることもあるので注意が必要です。
家賃補助(住宅手当)を福利厚生として導入するメリットとデメリットについて解説します。
導入するメリット
まずは、福利厚生に家賃補助(住宅手当)を採用するメリットについて見ていきましょう。
従業員の生活が安定し企業への満足度が上がる
福利厚生に家賃補助(住宅手当)の制度があれば、家計への負担が少なくなるため、従業員にとって大きなメリットとなります。
また企業にとっても、家賃補助(住宅手当)を導入し福利厚生を充実させることで従業員の満足度が上がれば、企業への帰属意識や貢献意識が高まり、業績アップが期待できます。
福利厚生の1つとしてアピールできる
家賃補助(住宅手当)を採用し、福利厚生を充実させれば、企業のアピールポイントになります。
慢性的な人手不足である日本の企業において、優秀な人材を確保するためには、求職者に魅力的な企業であることをアピールする必要があります。
特に家賃補助(住宅手当)は、従業員の生活面をサポートする福利厚生として、求職者への大きなアピール材料となるでしょう。
導入のデメリット
次に、福利厚生に家賃補助(住宅手当)を採用した場合のデメリットを見ていきましょう。
・企業負担が大きい
家賃補助(住宅手当)は福利厚生の中でも、企業の負担額が高額になりやすい点がデメリットです。
また家賃補助(住宅手当)は福利厚生ですが、税務上は給与所得とみなされるため課税対象となります。
そのため企業側は、支給分の所得税など、税金や保険料の支払い額が増えることになるでしょう。
社宅の場合も、不動産会社との契約などの事務手続きや管理する人材の確保などが発生するため、企業負担という点ではデメリットが大きい福利厚生と言えます。
・急な廃止ができない
福利厚生に家賃補助(住宅手当)を採用した場合、急な廃止が難しいことが考えられます。
交通費補助などとは異なり、突然廃止した場合、従業員の生活に大きな影響を与えてしまうためです。
福利厚生に家賃補助(住宅手当)を採用する際は、廃止の可能性も含めて慎重に進める必要があるでしょう。
・条件制定が難しい
また家賃補助(住宅手当)は条件制定が難しいこともデメリットの1つです。
働き方改革関連法に基づき、正規・非正規に関わらず公平に補助できるように福利厚生の適用条件を定める必要があります。
一般的に家賃補助(住宅手当)は、正社員のみを対象とするケースが多いようです。
非正規社員を対象としない場合は、その理由を明確に説明できることが重要なポイントとなるでしょう。
導入が手軽で満足度が高い「食の福利厚生」とは?
家賃補助(住宅手当)に並んで満足度が高い福利厚生としては、「食の福利厚生」もおすすめです。
「食の福利厚生」は多くの従業員に利用してもらえることや、健康のサポートになるという面でメリットがあります。
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福利厚生の中でも、導入コストや運営の手間を抑えられるのは助かると好評です。
24時間利用できるため、シフト制で休憩時間にばらつきがあるような企業でも、時間を気にせず多くの従業員が利用できる点も喜ばれています。
商品は1個100円からのハンディサイズですが、ご飯などのラインナップも充実しているため、複数の商品を組み合わせれば、しっかりした食事にすることも可能です。
野菜やフルーツの手軽な摂取につながるので、オフィスワーカーに不足しがちな栄養素の補給をサポートでき、従業員の健康管理にも役立つでしょう。
「OFFICE DE YASAI(オフィスで野菜)」を導入後、従業員の健康への意識が高まったと感じている企業も少なくないようで、健康経営に活用できる福利厚生としても注目を浴びています。
コストや手間を抑えながらも、満足度が高い福利厚生を導入したい場合は「OFFICE DE YASAI(オフィスで野菜)」をぜひ検討してみてください。
まとめ
福利厚生を充実させることは、従業員の満足度を高め、企業を求職者や社会にアピールすることにつながります。
特に家賃補助(住宅手当)は、福利厚生の中でも従業員に喜ばれる傾向があるようです。
導入することで従業員の生活を安定させることができ、モチベーション高く働いてもらうことが可能になるでしょう。
しかし、家賃補助(住宅手当)は企業負担が高いことや、条件の設定によっては対象となる従業員が限定されてしまうことはデメリットです。
企業の負担が軽く、多くの従業員が利用できる福利厚生を導入したいと考えている場合は、食事面でサポートできる福利厚生も喜ばれるのでおすすめです。
住宅に関する家賃補助(住宅手当)に加えて「OFFICE DE YASAI(オフィスで野菜)」のような食の福利厚生も検討してみてください。
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