福利厚生制度
燃え尽き症候群とは?職場で発生してしまう原因や予防のポイントを解説
新型コロナウイルス感染症の流行、とりわけ緊急事態宣言の発令時には、多くの企業が在宅ワークを導入・検討しました。
在宅ワークは感染リスクを低減する一方、コミュニケーション不足や仕事のオン・オフの線引きが難しい一面もあり、このとき従業員の「燃え尽き症候群」が蔓延したとされています。
そしてコロナ禍が落ち着いた昨今でも、依然として燃え尽き症候群の発症事例は増えているのです。
今回は、職場で発生する燃え尽き症候群の原因や予防のポイントをくわしく解説します。
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目次
燃え尽き症候群とは
これまで熱心に仕事をしていた人が、急に燃え尽きたようにやる気がなくなってしまうなどの変化が現れるのが「燃え尽き症候群」です。医療・福祉業界や教育業界など、ヒューマンサービスの関係者に多く見受けられる症状でした。
実際、日本に限らず、新型コロナ感染症のパンデミック時には、福祉・医療業界を中心に世界中で燃え尽き症候群が蔓延したといわれています。
ところが、ここ数年のコロナ禍で、従来の燃え尽き症候群に加え、新卒や転職した人たちの間で新しいタイプの燃え尽き症候群が見られるようになったのです。
コロナ禍に入社した社員は、研修はリモートで行われ、周囲との人間関係が築けないまま、自宅のパソコンで指示された業務を淡々とこなす日々が続きました。
組織の一員としての実感もわかず、仕事のやりがいも見出せないため「何のために仕事をしているのか」「この会社にいていいのか」という、むなしさを感じるようになるのです。
この燃え尽き症候群は、特定の人に発症するものではありません。
何らかのストレスにさらされることの多い現代社会では、誰にでも起こり得るものです。
アフターコロナの今、従業員が自分で気付かないうちに疲弊し、張り詰めていた緊張の糸が切れて突然、辞職しないとも限りません。
今後、企業は、ますます細やかに従業員の健康を管理する必要があるでしょう。
うつ病との違い
燃え尽き症候群の症状は、「心の風邪」ともいわれる「うつ病」によく似ています。どちらも何らかの外的ストレスが原因となって発症し、その診断は容易ではありません。
一般的に、燃え尽き症候群は、何かに没頭して熱心に取り組んだ結果、発症する傾向にあり、特に多いのは下記のような場合です。
・対象に打ち込んだ努力や労力に見合う結果を出せなかった
・目標を達成したため、打ち込める対象がない
これに対し、うつ病は、ライフイベントのストレスが引き金になって発症することが少なくありません。たとえば、大切な人やものを失った喪失感や大きな環境の変化、対人関係や金銭のトラブル、持病の悪化などです。
このような燃え尽き症候群とうつ病との違いは「思考回路」で、うつ病は、過去の経験からネガティブ思考となり、脳の構造が変化します。
一方、燃え尽き症候群は、完璧主義な人が自分を追い込み、これ以上のダメージを受けないよう心身を休ませるために発症するケースが多いようです。
燃え尽き症候群の代表的な症状
燃え尽き症候群には、代表的な3つの症状があります。
情緒的消耗感
1つ目は、情緒的消耗感です。
業務や目標などに向かって突き進んだ結果、情緒的なエネルギーを使い果たした状態です。ただ単に消耗するのではなく、情緒的なものに限定されるところが特徴といえるでしょう。
この情緒的消耗感は、業務そのものではなく、多くは業務や目標に取り組む際の過度な気配りや配慮などの対人関係が要因となります。
気を遣いすぎて大きな疲労感に襲われ、それまで熱中していた業務や目標を急につまらないと感じるようになるのです。
脱人格化
続いて、症状としてよく見られるのが脱人格化です。
脱人格化とは、言葉の通り、個々人の特性である人格がなくなり、非人間的で無情な行動を取ることです。
医師を例に挙げると、診察時に患者が理解できないような専門用語を使って病状を説明したり、威圧的な態度を取ったりする行為を指します。
この症状は、既に限界まですり減ったエネルギーの枯渇を回避するための防衛反応ともいわれています。
「同僚や顧客の顔を見たくない」「何も話したくなくなる」と感じることがあれば、燃え尽き症候群の脱人格化である可能性が高いといえるでしょう。
個人的達成感の低下
3つ目の症状として、個人的達成感の低下も見られます。
個人的達成感とは、業務などを遂行する際に得られる有能感や達成感のことです。
燃え尽き症候群を発症すると、先の2つの症状を発症するため、必然的にサービスや業務の質も下がってしまうでしょう。
急に成果が落ち込んで有能感や達成感を得られなくなると「自分には業務に対応する能力が足りない」「自分には業務に対する適性がない」など自己を否定するようになります。
個人的達成感の低下は、休職や離職につながる可能性もあるため、注意が必要です。
燃え尽き症候群が起きやすい職場環境とは?
燃え尽き症候群は、何らかのストレスが原因となって発症するといわれ、起こりやすい職場環境には、主に4つの要因があります。
1.他者による仕事の強制
2.不当な評価
3.オンとオフの混同
4.過度の業務量
他者による仕事の強制
燃え尽き症候群の起きやすい職場環境の要因の1つは、上司や先輩などの他者から仕事を強制され、自主性を保てないことにあります。
自分の担当と関係ないような業務や、特に関心を持っていない会議への参加を要請されれば「強制的にやらされている」と感じ、仕事への充足感は低減してしまうでしょう。
企業は、従業員が自発的に取り組み、仕事を面白く感じられるよう配慮すべきです。
不当な評価
不当な評価も、燃え尽き症候群が起きやすい要因の1つといえます。
どれほど努力をしても、周りや上司から正当な評価を得られない職場環境にいれば、働くモチベーションは下がり、努力した分だけ疲労感や不信感も強まるでしょう。
上司は正当に評価したつもりでも、部下は正当に評価されていないと感じているかもしれません。
昨今は、企業の従業員に対するストレスチェックが義務づけられていますが、定期的に従業員と面談の機会を設け、積極的にコミュニケーションを図ろうとする姿勢が大切です。
オンとオフの混同
オンとオフを混同し、境界線が曖昧になっているような場合も、燃え尽き症候群は起こりやすくなります。
たとえば、ヒューマンサービスに多く見られる「トラブルが発生したら、いつでも呼び出しがかかる」「いつでも出動できるよう常に準備していなければならない」というような状況です。
このような常に緊張した状態が続けば、その間はリラックスできず、心身ともに負荷が強くかかります。
企業は、在宅ワークの継続などでオンとオフの境界線が曖昧になっていないか、定期的に従業員のワークライフバランスを見直すよう心がけるべきでしょう。
過度な業務量
過度な業務量を課せられるような場合にも、燃え尽き症候群は起きやすくなります。
優秀な従業員ほど効率的に作業をするため、自然と周囲の人達をフォローする場面も多いでしょう。とはいえ、それが積もりに積もれば、自分の許容量を超えた仕事を抱え込むリスクも高くなります。
熱心に取り組んでいるうちはよいですが、負荷がかかりすぎるとオーバーワークになり、燃え尽き症候群を発症しないとも限りません。
極端に業務量や残業の多い従業員を定期的にチェックして状況を把握し、必要に応じて業務量の調整や担当の振り分けを行いましょう。
どういった人が燃え尽き症候群になりやすい?
うつ病にもいえることですが、燃え尽き症候群にもなりやすいタイプの人がいます。
職場環境に加え、下記の6つのタイプに該当すれば要注意です。
・真面目で几帳面
・完璧主義で手を抜けない
・責任感が強く、自分に厳しい
・人に頼れず、1人で抱え込む
・没頭すると周りが見えなくなる
・オンとオフの切り替えが苦手
この6つのいずれかの該当者が、厳しい職場環境に置かれると、常に緊張状態を強いられることになります。
その結果、張り詰めていた緊張の糸が突然切れて、燃え尽き症候群を発症するのです。
従業員の燃え尽き症候群を予防する方法
従業員が燃え尽き症候群を発症しないようにするには、企業側の職場環境の改善も必要になります。
この章では、企業が取り組むべき5つの予防策をご紹介します。
労働時間の見直し
燃え尽き症候群を予防するには、労働時間の見直しが重要です。
勤怠情報などから、長時間の残業や休日出勤の多い従業員がいないかを確認してみましょう。
繁忙期はやむを得ないとはいえ、いつも労働時間の長い従業員がいるような職場は、無理のないよう労働時間を調整しなければなりません。
燃え尽き症候群の発症リスクを低減するためにも、従業員が理想的なワークライフバランスを保てているかどうかをチェックし、状況に応じた見直しが必要です。
業務分担の改善
業務分担の改善も、燃え尽き症候群の予防策の1つになります。
どんなに優秀な人材であっても、業務量が集中すれば負荷は大きくなるでしょう。
一定の業務に集中するような場合は、企業側で業務の細分化や一時的にフォロー出来るような仕組み作りが大切です。
風通しのよい組織文化づくり
燃え尽き症候群を予防するには、風通しのよい組織文化を作るのも効果があります。
自分の意見を気兼ねなく発言でき、忙しい時に周囲に頼れるような職場環境では、従業員もリラックスして業務に集中でき、仕事のパフォーマンスは向上するでしょう。
お互いを評価し、フォローしあえるような職場文化を構築できれば、無気力感に襲われるような状況を回避でき、従業員のエンゲージメントの向上も期待できます。
コミュニケーションの場の提供
コミュニケーションの場を提供するのも、燃え尽き症候群の予防策の1つです。
定期的に1on1ミーティングやメンター制度を導入することで、従業員がどんな問題や不満を抱えているのかを理解し、対面で従業員の様子をリアルタイムで確認できます。
アフターコロナだからこそ、ここ数年できなかった対面のコミュニケーションを積極的に取り入れるべきでしょう。
本人が見逃している不調を企業側で速やかに察知し、未然に重症化しないような配慮が大切です。
評価制度や昇格・昇給基準の明確化
従業員の燃え尽き症候群の予防策として、企業における評価制度や昇格・昇給基準も明確にすべきです。
どんなに好きな仕事でも、正当に評価されなければ何を目標にすべきかわからなくなり、働くモチベーションが低下して燃え尽き症候群に陥るリスクも高まります。
労働生産性を高めるためにも、企業方針や評価方法について従業員にきちんと周知しましょう。
リフレッシュやコミュニケーションのきっかけに「OFFICE DE YASAI(オフィスで野菜)」
燃え尽き症候群の予防策を実践する際は、従業員がリフレッシュできる場の提供やコミュニケーションのきっかけ作りも効果的です。
出社の頻度が増えつつあるなか、従業員が環境の変化を前向きにとらえて業務の効率化を図るには、燃え尽き症候群に限らず、心身ともに健康な状態でなければなりません。
そこでおすすめしたいのが、専用冷蔵庫を設置すれば、いつでも栄養バランスのとれた食事をとれる社食サービス「OFFICE DE YASAI(オフィスで野菜)」です。
オフィス内にリフレッシュスペースを設ければ、従業員同士が「OFFICE DE YASAI(オフィスで野菜)」で食事しながらコミュニケーションを図るきっかけづくりができます。
本サービスのプランは、「オフィスでやさい」と「オフィスでごはん」の2種類。
「オフィスでやさい」は、軽めの食事をとりたい時に適したプランで、フレッシュな野菜や果物を使用したスナックやサラダ・ドリンク類が中心です。
「オフィスでごはん」は、管理栄養士の監修のもとに考案された惣菜やサイドメニューから主菜や副菜を自由に組み合わせ、専用の電子レンジで加熱すればすぐに食べられます。
こだわりの食材は新鮮と安全をモットーにしており、メニューも年間60種類と豊富です。
しかも、社員食堂よりも手軽に設置できて導入費もリーズナブルなので、コストも抑えられます。
「OFFICE DE YASAI(オフィスで野菜)」を導入すれば、職場環境の改善に加え、「健康経営」の一環として従業員の体調も管理できるでしょう。
まとめ
今後は、コロナ禍で起きた変化にどのように対応していくかが、企業の成長を大きく左右するでしょう。
企業は、これまでのコミュニケーション不足やワークライフバランスの不均衡による影響を正確に把握し、従業員が燃え尽き症候群に陥らないよう配慮しなければなりません。
その手始めに、従業員同士がリラックスしてコミュニケーションを図れるよう「OFFICE DE YASAI(オフィスで野菜)」を利用し、食の福利厚生を充実させてはいかがでしょうか。
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