企業の健康経営

-2022.07.29.Fri

社員の健康をサポートする『産業保健師』とは?役割や設置メリット、産業医との違いを解説

「産業保健師」という名前を聞いたことがありますか。

もしかしたら「保健師」という名前は聞いたことがあるかもしれません。保健師とは病気にならないように「予防」をするための、健康改善のアドバイスや相談を受ける専門家です。

身近な保健師には「学校保健師」や「行政保健師」といった職種があります。学校保健師とはいわゆる「保健室の先生」です。行政保健師とは、保健所や保健センターといった公的機関で働く保健師のことを言います。

産業保健師とは企業で働く社員の健康をサポートしてくれる存在で、健康経営に取り組む企業が多くなる中でその存在はとても重要です。

こちらの記事ではそのような「産業保健師」の役割や設置するメリットを詳しく説明するとともに、「産業医」との違いを解説していきます。

これから産業保健師の設置を検討している企業の担当者の方、医療や看護の仕事をしたいと思っている方は新しい選択肢の一つとして、ぜひ参考にしてください。

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産業保健師とは

民間企業や団体で働く保健師のことを「産業保健師」と言います。所属する企業や団体で働く社員の心身の健康維持に取り組むことが主な業務です。

健康診断やストレスチェックを行うことで、社員の健康に意識を向ける努力をしている企業は多いでしょう。しかし、結果が出た後に社員本人に再検査や通院を指示して終わりではいけません。その結果を受けて、不調や体調を崩す可能性のある社員が居た場合、その人数を減らすためにはどう改善していくか、に目を向ける必要があります。

産業保健師とは、そういった社員に対して必要な健康支援を行ってくれる存在です。

産業保健師の役割

産業医や企業の人事労務部門と連携して、社員の心身の健康管理をサポートすることが産業保健師の役割です。

企業が「働き方改革」や「健康経営」に取り組むことで、産業医に求められることや人事労務部門の負担は増えています。

そこで産業保健師が加わることで、産業医や人事労務部門の負担は軽減され、業務を円滑に進めることができるでしょう。

産業医と産業保健師の違い 

産業医と産業保健師の2つの職種を似たようなものだと思っている人は多いかもしれません。

しかし産業医になるためには医師免許と産業医認定証が、産業保健師になるためには保健師免許と看護師免許が必要という違いがあります。

医師免許を持っていても、産業医として働いている間は医療行為はできません。産業医は企業で働く社員の健康管理について、専門的な立場から改善に向けた指導、アドバイス、病院の紹介などを行うことが業務です。

産業保健師の業務は健康指導や保健指導を行いながら、産業医のフォローも行います。

勤務体制にも違いがあり、委託産業医の場合は月1時間からの勤務、専属産業医の場合は週3日から勤務します。産業保健師は週5日の勤務です。労働者が50人以上の事業所では産業医の設置義務がありますが、産業保健師の設置義務はありません。もし50人以上の事業所で産業医を設置していない場合、50万円以下の罰金が発生します。1,000人以上の事業所では1名、3,001名以上の事業所では2名の委託産業医の設置が必要です。

規模によっては専属産業医を設置する必要もあります。

50人以下の事業所では産業医を設置する必要はありませんが、設置する場合は産業保健師のみを設置するのではなく、できる業務が異なるので産業医も設置しましょう。

産業医のできる業務内容は職場巡回、健康診断の結果を確認したり、ストレスチェックの実施をしたり、衛生委員会への参加の他に長時間労働者や職場復帰をする社員との面談があります。

産業保健師が行う業務内容は健康診断結果の分析や整理、職場内での怪我や病気の対応、長時間労働者の面談やストレスチェック後のフォローなど、保健師と同じような業務もありますが、社員と直接関わる機会が多いです。

従業員の健康を管理し悪化させないために動くのが産業医、従業員の相談窓口となり、健康を損なわないための施策を行い、産業医のフォローを行うのが産業保健師と言えるでしょう。

企業が産業保健師を設置するメリット

前の項目でもご紹介したように、産業医は条件により企業での設置義務がありますが、産業保健師を設置する義務はありません。

しかし産業保健師を設置することで、企業にもそこに勤務する社員にも、そして産業医にもメリットがあります。

どのようなメリットがあるのか、具体的にみていきましょう。

産業医との連携

企業が産業保健師を設置することで、産業医と連携して仕事をしてくれます。

産業医は委託、専業でそれぞれ異なりますが毎日同じ企業に居るわけではありません。

月に数回や週に数回しか居ないので、社員が相談したい時に居なかったり、企業担当者からの申し送りがスムーズにできないこともあるでしょう。

しかし、産業保健師は週5日在籍しているので、社員が希望したタイミングで相談をしやすかったり、企業と産業医の仲介役として期待できます。

企業から産業保健師にまずは伝えることで、専門的な立場から産業医に話が行くこともメリットの一つになるでしょう。

産業医よりも相談しやすい

週5日勤務している産業保健師は、月に数回しか来社しない産業医と比べると社員からすればとても身近な存在です。

「社員の窓口」として、企業の医務室で体調不良の社員のケアをしたり、日常的に心身の相談をすることができるので、産業医よりも話しやすいと思う社員も多いのではないでしょうか。

相談しやすい存在が社内に常に居ることで、社員は少しの不調や気になったことがあった時に気軽に相談ができるようになります。

その結果、社員の健康意識が向上したり、病気になる前に予防をできることにつながっていくのです。

さまざまな健康サポートが得られる

健康経営に取り組む際、社員に対してさまざまな健康サポートを実施する必要があります。産業保健師は健康セミナーを開催することができるため、さまざまな健康サポートを行うことができます。すでにその企業の社員の健康状態を把握しているので、その企業に在籍する社員向けて必要な内容のセミナーを企画・開催できるでしょう。

また、健康セミナーの他にも社員に必要な健康イベントを実施することも可能です。例えばその企業の社員に運動不足の人が多いなら、マラソン大会やウォーキングイベントなど運動を促すイベントの企画ができるでしょう。ストレス過多の社員が多ければ、ヨガやマインドフルネスのイベントなども効果的です。

自社の社員の問題に合ったイベントを企画、開催して健康サポートが得られることもメリットと言えます。

産業保健師の設置における注意点

産業保健師を設置する際、資格があれば誰でもいいわけではありません。自社で求める働き方が期待できる人材を設置する必要があります。

どのような人材を設置するべきか、注意点をご紹介していきましょう。

産業保健師の対応範囲を把握しておく

産業医と産業保健師では、業務の対応できる範囲が異なることを把握しておきましょう。

それは産業医は医師免許を、産業保健師は看護師免許を所持していることからもわかると思います。

産業医と面談ができるのは、健康診断やストレスチェックでひっかかった人、勤務時間を超過している人などに限られています。

しかし産業保健師は条件に縛られることなく、希望する人は面談を受けることができます。

医学的な指導は産業医にしかできませんが、産業保健師は健康アドバイスや保健指導といった形の指導でも、社員にとっては産業医より身近で親しみやすい位置付けとなるでしょう。

産業医とセットで設置する

産業医は企業に常勤していないので、企業担当者や社員とのやりとりがスムーズでないこともあるでしょう。たまの出勤で状況を把握するために時間がかかることもあります。

そのため常に在籍している産業保健師を設置することで、産業医が不在時のフォローをしてもらえます。産業医とセットで配置することで、それぞれの相乗効果を得られるでしょう。

人柄やコミュニケーション能力も重視する

産業保健師を設置する際、人柄やコミュニケーション能力も重視しましょう。

産業医、企業の担当者、社員と多くの人と連携を取りながら産業保健師は仕事をしています。業務の経験や知識量はもちろん大切ですが、カウンセリング能力や社内の人とのやりとりに支障がないかという点も重要です。

相談しやすい人柄でありながら、健康アドバイスが的確にできるか、それを相手にきちんと伝えることができるのかという点も重視していきましょう。

実務経験を重視する

企業で産業保健師として勤務したことがあるのかという、実務経験は重視しましょう。どの職業でもそうですが、実務経験があるかないかで差が出てしまいます。いきなり産業保健師を目指す人より、看護師を経験してから転向している人の方が多いでしょう。

看護師の実務経験も素晴らしい経験ですが、それぞれの業務は全く異なるため、企業での業務がスムーズに行えるかどうかは難しい場合があります。そのため、産業保健師の設置が初めての企業の場合は、経験者の設置がよりおすすめです。

また、自社で産業保健師を設置することで何を行いたいのか、雇用前に明確にしておきましょう。

例えば、産業保健師としての経歴が多い人を転職が多いから長続きしないと捉えるのか、さまざまな企業で経験を積んでいるので実務経験が多いと捉えるのかで雇用する人が変わってきます。

肉体的な健康面の指導がメインになるのか、精神的な健康面の指導がメインになるのか、健康管理室の立ち上げなのか、メンバーの入れ替えなのかで雇用するべき人材は異なるでしょう。

また産業保健師は健康診断の結果を分析や面談の状態から、健康状態がグレーゾーンの社員を見つけることができます。

病気になってしまってから産業医と面談するのではなく、グレーゾーンの状態で面談や適切な健康アドバイスを行うことは健康経営の視点からも重要です。

社員にとって「身近なかかりつけ医」のような存在の産業保健師が在籍していれば、社員の健康状態を把握することができ、会社として問題点があれば早期に解決することができるでしょう。

問題点が見つかった時に、他にも必要な健康支援が見えてくるかもしれません。

産業保健師の設置とあわせて考えたい社員の健康支援

産業保健師を設置するだけで、社員が健康になるわけではありません。もちろん体調や健康意識の改善につながり良い影響を得られる社員もいるでしょう。しかし、相談に行く時間がなかったり、自分には必要ないと考える社員もいるかもしれません。

そのため、健康的な生活をするためのきっかけづくりやサポートといった健康支援の設置を他にも行う必要があります。

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導入されると嬉しい福利厚生で人気が高いのは社員食堂ですが、会社のスペースやコストの問題で難しい場合が多いでしょう。

しかし社食サービスなら、少しのスペースがあれば低コストで導入が可能です。

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価格は1個100円からで購入が可能で、手に取りやすい価格に設定されています。国産のくだものや野菜、無添加のお惣菜やお弁当をリーズナブルな価格で食べることができます。

オフィスで忙しく働いていると、つい野菜不足になってしまったり、栄養バランスの悪い食事をしている人が多いでしょう。

しかし「OFFICE DE YASAI(オフィスで野菜)」が社内に導入されるたことで、美味しく新鮮な野菜をいつでも食べることができるので、ランチ以外にも朝食代わりやおやつに利用したりと積極的に野菜を食べる機会が増えたという事例もあります。

健康的な食事ができる環境は、自身の健康について考える良いきっかけにもなります。

産業保健師の設置とあわせて、「OFFICE DE YASAI(オフィスで野菜)」での健康支援もおすすめです。

まとめ

社員の健康をサポートする産業保健師の役割や設置するメリット、産業医との違いをご紹介してきました。

これから産業医を設置する企業も、すでに産業医を設置している企業も、産業医とともに産業保健師を設置する大切さを理解していただけたのではと思います。

産業保健師を設置する際は、その効果を十分に発揮できるように社員が気軽に利用のできる健康支援サービスの導入もおすすめです。

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