インタビュー

-2018.07.12.Thu

副業が生産性向上に繋がる?!「ナナサン」という働き方〈後篇〉

今回は、働き方改革を推進するサービスを展開されているエッセンス株式会社代表取締役社長の米田氏に、お話をお伺いしました。前篇では、様々なフェーズの「プロ人材」についてお伺いましたが、本篇では「ナナサン」が提供する”現業7割、残りの3割をベンチャー企業で働く”という働き方について、深堀りしていきます。

 

ゲスト(写真右)

エッセンス株式会社 代表取締役社長 / 米田 瑛紀氏 (以下、米田)

インタビュアー(写真左)

株式会社KOMPEITO 代表取締役社長 / 川岸 亮造 (以下、川岸)

 

川岸: 早速ですが、エッセンスさんで運営されているサービス「ナナサン」は、”現業7割、残りの3割をベンチャー企業で働く”という理解でよろしいのでしょうか?

米田: 一つ誤解を招きがちな部分があるんですが、3割副業的に働いて稼ぐということではなく、あくまで社外で他流試合をする研修として、送り出す企業からの幹部育成費用としてお金をいただいています。留学先として受けてくださるベンチャー企業は、お金が一切かかりません。

川岸: そうなんですね!なるほど、今目がキラッと光ってしまいました(笑)

米田: 「ベンチャー留学研修サービス」というところですね。3割副業して、副業先でいくらか稼ぎましょうというサービスではないということです。ただ、副業・兼業をいきなり導入しても、どこで何をどうすればいいのか。みんなフリーズするし、経営サイドも人事も、どうやってみんなに促せばいいかわからない。そこで、将来副業・兼業の導入を見越した企業様が、そのホップステップジャンプのホップ段階で、社外で腕試しするという意味合いで、このベンチャー留学「ナナサン」を導入してくださっています。

川岸: いきなり副業・兼業してもいいですよと言われても、自分が一従業員の立場だと、どうやって働き口を探せばいいのかどういう役割を果たせばいいのか自分の時間のコントロールをどうしていけばいいのかなど、非常に難しいところがあると思います。

米田: これは誤解のないようにですが、例えば、土日や平日18:30に仕事が終わってから、コンビニでバイトしますとか飲食でホールスタッフしますとか、時間を売って外貨を稼ぐ副業って、本業にもめちゃめちゃ影響するんですよ。要は寝不足とか疲れとか。副業や兼業で、時間を売ってプラスアルファの報酬を得るよりも、自分のその価値を提供して、社外から価値との対価に報酬を得るというのが本筋だと思うんですよね。いろんな文面ありますが、これが結果として働き方改革になり、生産性向上に最も繋がるのではないかと思います。

川岸: 具体的に、実際に制度として利用して働かれる方って、どういったタイムスケジュールで過ごされてされるんでしょうか?

米田: まあ、サービスネームにも「ナナサン」という、ちょっとキャッチーな名前を付けたのも、現職の平日9時~18時をすごく生産性を高めていくと、3割くらいの時間が生み出されるんじゃないか?と思いました。大体割合でいうと、3割って週1日なんですよね。今までの仕事を7割の時間でこなしながら、残り3割を成長ベンチャーでガチンコの他流試合をする。そこで、価値を出し、学びを得て、現職に生かす。そうやって全体の10のバリューを「ナナサン」にすることで、10以上に生産性が上がりますよね、っていうコンセプトでやらせていただいています。

川岸: 僕は単純に、サービス名から考えたイメージとして、時間を7割3割で分けて働くっていう意味かと思っていました。

米田: ロゴにも魂を込めているんですが、円が一回りで10とすると、円を突き出して10以上の成長が見込めるんじゃないのっていう。

川岸: 今まで5日で10やっていたことを、生産性を高めると4日でできるんじゃないのっていう。

米田: 実際に仕事ができる人って、上司からいろんな仕事のプロジェクトに任命されます。現職の役割と立場とミッションがある中で、プラスアルファの横ぐしのプロジェクトにアサインされる人って、結局仕事ができる人なんですよ。

川岸: そこを本当に集中して、生産性高いパフォーマンスが発揮できれば4日でできるので、残り1日をプラスアルファでやっていけると。結構ハードですね。

米田: いや、ハードですよ。そういったハードかつストレッチな状況だからこそ、生産性が伸びる環境下に置かれる。あとは、他社での全く違う組織文化、人のタイプ、業界の違い、その中で価値を出すって結構ハードですよ。

川岸: 二重にハードですよね。5日間の仕事を4日でできるようにして、いかにその4日に価値を発揮できるか。そして残りの一日を、他社でさらに価値を見出してもらえるような働き方をしなければならない。そんなハードな環境に手を挙げる人っているんですか?いるとすれば、どんな思いで手を挙げるんでしょうか?

米田: 結構いるんですよ。腕試ししたいんですよ。自分が新卒で入った会社で十数年経って、会社ではまあそこそこ評価もされて。やっぱりそういう成長意識の高い方って、世の中では自分はどのくらいの価値が出せるのか?ってところを問題意識として持っているんですよね。

川岸: 確かに井の中の蛙だけになってしまうのではなく、大海を見た時に自分がどの辺の位置にいるのかは気になりますよね。

米田: トヨタ自動車創業者の豊田佐吉氏の名言で、「障子を開けてみよ、外は広いぞ。」という言葉がありますよね。やっぱりそういうことなんですよね。

川岸: じゃあ、「ナナサン」の仕組みを導入した企業では、みなさん手を挙げてやりたいということなのでしょうか?

米田: そうですね。まあ厳密にいうと、生まれてすぐのサービスで、昨年の2月にローンチしたサービスということもあって。東京電力さんとか導入してくだっているんですが、大きくて歴史ある比較的固めの組織は、いきなり”ベンチャー企業へ社外留学やるぞ!”っていうことを、なかなかアナウンスできなかったんですね。やっぱりそこは、人事が外堀を埋めて、ある程度やりたいと思う人に事前にターゲットを定めて、打診するという形ですね。いきなり手を挙げさせるのではないんですよね。

川岸: この人はやりたそうだな、っていう感じですかね。そういう人材が、大企業にここかしこにいるっていうことですよね。ちょっと言い方があれかもしれませんが、自分の力を持て余しているというか、他でも試したいなというか。

米田: 実際、9時~18時の1日9時間ガチンコで熱中してやっている方って、そうそういないと思うんですよ。やっぱりちょこちょこアイスブレイクしながら、コーヒーも飲みながら、美味しいランチ食べながら、みたいなところもあって8〜9時間を過ごしてますよね。

川岸: そうですよね。”今まで5日でやっいてた仕事を4日でやりなさいよ”ということを言われて初めて、どうやって効率を上げればいいのか?など、意外と頭が活性化されることもあるかもしれませんよね。一応、我々のサービスもそういった生産性向上に寄与できればと考えています。集中したい時におなかが減っていたり、栄養が足りていないと集中できない。そういう足りていない栄養素や食物繊維、ビタミンなどを会社の中で手軽に補給できるようにしています。栄養ドリンクで瞬間的に補給するのもアリかなとは思うんですが、20代とかならまだしも、そんなに続かないと思います。体の調子を整えて、自分の能力を最大限発揮できる環境を作りたいと思うんですよね。

米田: やっぱり健康じゃないといけないし、メンタルヘルスも制度になっていますが、心の安定と健康っていう状態がまずもって重要なんだと。その上で、生産性を高めたり、楽しく仕事をすることが、上手く繋がっていきますよね。今、「働き方改革」の文脈で、長時間労働の是正みたいな点もあると思うんですが、好きなことに打ち込んでいる時なら時間なんて気にならない!みたいなところもあるじゃないですか。そのため、私はあまり”時間、時間”というよりも、価値を高めることや生産性を上げることができる方が、よっぽど時間を越えた生産性の高いテーマだと思いますね。外部を上手く使ったり、やらないことを決めたり、プライオリティをしっかり決めたり、物事を通す力があったり。そこは非常に大切ですよね。

川岸: そうですよね。どうしても短い時間でラクして働きたい!みたいなのが人間なのであるのかな?と思ったんですが、逆に成長するためにどんどんやりたい、ベンチャー留学して、今までの仕事は短い時間でクリアしつつも、さらにプラスアルファして自分の力をつけるんだという人が結構いるというのが分かって、日本が明るい気がしますね。

米田: 日本の明るさということでお話をしますと、今後必然的に労働人口はどんどん減り、2020年には今よりも20万人くらい減ると言われていますよね。それをどう補うのかっていうのは、シニアの方々や女性にさらに活躍してもらうとか、そういったものにプラスして、非常勤のプロ人材のシェアリング事業です。このシェアリングっていう発想でいくと、やはり体一つで、複数社で価値を出すという。私たちが価値提供できているのは、プロ人材のシェアリングっていうところかなと思いますね。

川岸: 1人の人が専門的な価値を発揮するのが1社だったのが、3社で同じように1ずつ価値を発揮できれば、3倍になるじゃないかという発想ってことですよね。

米田: そうです。例えば3社支援している場合、3社の中でマーケティングを強化したいとなったとしますよね。それぞれにマーケティング担当者がいるかもしれませんが、このバリバリのプロ人材が3社手伝うことによって、3人バリバリの人が育つ可能性があるわけですよ。その環境が生まれるわけですよね。

川岸: 日本の人口で考えるとある程度先が見えている指標なので、どうやって一人当たりの生産性やGDPを上げていけるのか、というところにも繋がってきますよね。今日は、いかに自分の価値を高めていくか、もしくは価値を高めた人がどういう働き方をするのか、お話を伺えて非常に勉強になりました。ありがとうございました。

 

関連記事

LOAD MORE